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» 2017年08月03日 17時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Flashの終わり」にWindowsはどう対応していくのか (3/3)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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ジョブズ氏との論争から10年 表舞台から消えるFlash

 このように、Webにおけるオープンスタンダードが現実化しつつある今日において、最後のプロプライエタリ技術とも言えるFlashは消滅に向かいつつある。

 1996年にMacromedia Flashとしてリリースされて以降、変化の激しいインターネットの世界で実に20年以上も進化を経て生き残ってきたFlashだが、相次ぐ脆弱(ぜいじゃく)性の発覚とプラグイン排除というトレンドの中でその役割を終えようとしている。

 かつて、Web経由で公共サービスを利用するための暗号通信を行う専用モジュールをプロプライエタリ技術のActiveXで実装してしまったがために、長年にわたってサポート問題で苦しんだ国もある。現在では代替技術の提供を開始してロックイン状態を回避したものの、最終的に全てのActiveXを関連サイトから排除するのは2018年〜2020年の期間を想定していると2017年7月上旬になり報じられている

 これは教訓だが、トレンドの移り変わりが激しい一般的なWebサービスとは異なり、公共サービスでの技術選定の難しさを感じさせるエピソードだ。

 過渡期の技術とはいえ20年以上生きてきたFlashは、まだしばらくは「コンテンツ記述言語」として生き残ることになりそうだ。Flash Playerの提供は終了するものの、Adobeは「AIRのサポートは続く」旨を通知しており、ブラウザ向けプラグインではない「スタンドアロン実行環境」としてのFlashは今後も利用できる。

 WindowsとmacOSというLinuxを除く主要デスクトップ環境の他、AndroidやiOS向けのランタイムが用意されており、実質的に「クロスプラットフォーム開発ツール」として機能する。

 Webブラウザではない場所も含めたインターネット上からFlashが完全消滅するにはまだ若干時間がかかりそうだが、かつてスティーブ・ジョブズ氏が2010年に残した「Flashはクローズドだ」というメッセージは現実のものとなりつつある。そこからFlash終了が実行されるまで10年を要することになるが、これは時代の要請に応じてFlashがなお進化を続けてきたことによる。

 とはいえ時代は巡り、かつてはMacromediaやAdobeでFlash技術の伝道者として活躍し、ジョブズ氏とWeb技術を巡って論争を繰り広げていたケビン・リンチ氏は、今ではAppleへと移籍して「Apple Watch」など同社でウェアラブル関連のプロジェクトに従事している。後に、この論争の過程でリンチ氏をAdobeから引き抜くべくジョブズ氏がオファーをかけていたという話が出てきたは、同氏らしいエピソードと言えるだろう。

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