成功のための実践例、津田大介さんのクラウド名刺管理術誠 Best Practice

新番組「誠 Best Practice」の模様をまとめました。初回のゲストはメディアジャーナリストの津田大介さん。聞き手は“ガジェッティーぬ女優”こと、いとうまい子さんです。

» 2011年03月09日 20時30分 公開
[Business Media 誠]

 「僕が成功しているかどうか、から始めないとですね」という津田大介さんのコメントで始まった、誠 Biz.ID提供のUstream生放送「誠 Best Practice」。各界のベストプラクティスに迫る生放送番組。ビジネスパーソンの仕事術から、企業や組織におけるカイゼン活動まで、ありとあらゆる成功事例を網羅していきます。

 2月23日に配信した初回の津田さんは、冒頭からいきなり謙虚でしたが、仕事術はクラウドやスキャナ、iPhoneなどを駆使したもの。今回は配信内容をまとめてお伝えします。生放送を見逃した人も必見です!

家族4人が無職の危機

 津田さんのお相手を務めた、いとうまい子さんがまず最初に聞いたのは「津田さんのお仕事は何なんでしょう?」ということ。何を生業にしてお金を得ているのか――。メディアジャーナリストという肩書の津田さんですが、ご本人も「年々記事を書かなくなっている」と苦笑です。

 「いろいろやっていますね。1つには原稿を書いたり、本を書いたり。それから番組に出演したり、テレビやニコ生、USTなどに出たり、イベントのパネルディスカッションに出たり。そんなことをやりつつ、自分が創業した企業『ナタリー』の取締役を務めたりしています」(津田さん)

 そもそも津田さんは学生時代、「インターネットやゲームしかしていない、本当にひどい大学生。ニートみたいな学生時代を送っていた」と言います。しかし「実は家族4人全員が一瞬だけ無職になった経験があって、その時あたまに浮かんだのが『餓死』という言葉」でした。それで一生懸命働かなきゃと思ってライターになった――というわけです。

 当時(1996年ごろ)のインターネットはブロードバンド以前。まだダイヤルアップでつながっていたころです。「回線速度が遅かったので、今ほどインターネット漬けの生活はできなかった。あの当時、ネットゲームとかニコニコ動画とか、Twitterとかずーっと24時間ヒマをつぶせるサービスがあったら、今ごろ間違いなく職業・自宅警備員、いわゆるニートだったでしょうね(苦笑)。元々物書きにはなりたくて、インターネットも好きで、今でも両方やり続けています」

ネット弁慶はなはだしい

 今でこそTwitterなどで有名人の津田さんですが、失敗談は「山ほどありますよ」。

 「基本的に仕事が断れないんです。断れないで受けてしまって、失敗したなということが多々あります。安請け合いばっかりして、実際に会場に行って話してみると、そこで話したことが問題になったりして。行く場所とかしゃべることに気を付けないとな、と思いますが、気を付けようと思っていても多分無理ですね」

 2002年ぐらいからブログでの情報発信も始めました。ブログをやり始めて、自分が書いた内容に対する反応を検索して確かめるようになったといいます。「反応を見るのが好きなんですね。記事の反応を見るために、毎日Googleで検索していた」。9年間もやっていると日常化し、「ある意味ネットで叩かれても平気」になりました。

 一方、リアルの議論では若干不本意だったこともあります。先日出演した「朝まで生テレビ」(朝生)に出た時のこと。発言者に対する割り込み発言などがひん発する朝生で、津田さんは思うように主張できませんでした。「借りてきた猫みたいだった」(いとうさん)。

 津田さんも「いやー、インターネット弁慶でしたねえ。ネット弁慶はなはだしいなあ」と苦笑。「でも朝生に出たことで学んだこともいろいろあります。朝生は自分の主張を少ない時間でいかに強く話せるかがポイント。自分が話していても他人が割り込む。割り込まれても「最後まで話させろよ」というのが絶対的(に必要)なスキルです。それから、他人が話しているときには勝手に横から割り込んでいくスキル。この二つ、僕はどちらもやらないから。あと、(出演するよりむしろ)司会として建設的な話に発展させることが好き。あまり主張したいことがないのかも」。議論は嫌いじゃないが「朝生は結構難しいなあ。次回はぜひ頑張りたい」。

Facebookは、プライバシーをリアルタイムに交換するサービス

 最近話題のFacebookはどうでしょう。「Twitterは日本ならではの使われ方をしました。Facebookも日本ならではの使い方があるんじゃないかな。プライベートを共有してもいい人同士でつながるべきです」――というのが持論です。

 リアルで親密な知人と仲良くなるためのツールがFacebookだとすると、Facebook上で無理やり友達になる必要はないはず。「知らない人とはファンページ(現Facebookページ)で付き合ったらいいのではないでしょうか。FacebookとTwitterは似ている部分があるが、オープンなのがTwitterであるのに対し、Facebookは、プライバシーをリアルタイムに交換するサービスなのではないかと思っています」

 ただし、津田さん自身はそれほど親しくない友達を“アンフレンド”したところ「名刺を目の前で破られるようなものだ」と言われたこともあるという。

名刺管理はOCNマイポケット

 常に持ち歩く仕事道具はPCやiPhoneなど。このほかにお気に入りなのは、auのおサイフケータイだという。「おサイフケータイは超便利。未来が詰まっているんですよ。モバイルSuicaやEdy、nanacoなどいろんな電子マネーを使っている。タクシーの精算時に使うと、あまりに早く支払いができるので未来を感じますよ」

 メールは返信しないし、mixi日記もめったにコメントしない。だからか「たまに酒の席とかで怒られる」。Twitterでは熱心につぶやいているが、冗談をつぶやいても「ジャーナリストがそんなこと言うな」と言われ、戸惑うこともあるという。

 1年に交換する名刺の数は3000枚。膨大な名刺を「OCNマイポケット」で管理している。「昔から名刺交換の量が多くて、管理の仕方を悩んできた。そこで当時cocoaと呼ばれていたサービスを使うようになった。スキャナなどで読み込んで、すぐに使える。しかもクラウドなのでどこでもケータイからでも利用できるのがメリットです」。

 OCNマイポケットは月額315円の有料オンラインストレージサービス。容量は10ギガバイトですが、津田さんは「まだ2〜3ギガバイトぐらいしか使っていない。画像も保存できるけど、名刺専用として使っています。事務所のスキャナで名刺をスキャン。このままだと2〜3万枚ぐらいの名刺を保存できそう」だという。

 OCNマイポケットのiPhone用アプリ「ポケフォト」(無料)も活用中。「本来は写真を閲覧するためのアプリですけど、名刺のデータも読みだせます。外出中にiPhoneで確認するにはいいアプリですね」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ