――タブレット学習が導入されるなど、教育のデジタル化が進んでいます。DNPは教育分野にも新たなビジネスを広げようとしていますね。
小中高校向けの学習支援プラットフォームを「リアテンダント」と呼んでいます。紙・デジタルにかかわらず、学習データの収集、分析、可視化をすることで新たな価値を提供するトータルサービスを実現しました。テストを紙でしか行っていない学校でも、スキャナーで解答を読み込んで採点をしたうえで、子どもがどの問題ができていないかを分析できます。
採点・集計を効率化することで先生の働き方改革にもつながります。また、分析結果をもとに、子ども一人ひとりにあった指導を行えます。さらに、このシステムを使えば自宅学習と学校をつなぐこともでき、自宅と学校の分断をなくすこともできます。
このシステムは現在、関西では奈良市の全ての小学校に導入されています。関東でも神奈川県相模原市全ての小中学校と義務教育学校(合計106校)に導入されるなど全国の自治体に広がってきています。
今後の導入が期待されるデジタル教科書については、当社のグループ会社に教科書会社もあるので、デジタル教科書の作成の手伝いをし、グループ外の教科書会社数社にも学校にデジタル教科書を配信する際のシステムの支援もしています。
――大学向けのデジタル教材サービスも提供しているようですが、どのようなものでしょうか。
NTT西日本さん、NTT東日本さんが大学に対して高速でデータ通信が行えるクラウドサービスを提供していますが、DNPはこの2社と組んで大学のデジタル化を支援しています。大学もコロナ禍で、教科書会社が先生に教科書の提案もできないなどいろいろと課題がありました。そのため、当社が出版社と組んで教科書をデジタル化して、大学生や大学院生が使える電子教科書配信サービスを展開しています。遠隔教育になっても使えるようなシステムを提供しています。
兵庫県の武庫川女子大学や、日本電産の永守重信会長が理事長をしている京都先端科学大学などに採用されています。
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