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料金、楽曲数、独自機能も丸わかり! 音楽配信サービス7社徹底比較 音楽7社横並び(1/5 ページ)

» 2015年08月05日 18時00分 公開
[今西絢美ITmedia]

 「Apple Music」「LINE MUSIC」「AWA」などの定額制音楽配信サービスが続々と登場し、音楽業界に新たな風を巻き起こしている。

 日本における定額制音楽配信サービスの先駆けは、2006年にスタートした「Napster」(ナップスター)だ。タワーレコードと合弁で日本法人を設立するもうまくいかず、残念ながら2010年に終了した。その後もさまざまな定額制音楽配信サービスが登場したものの、鳴り物入りで登場したソニーの「Music Unlimited」でさえも、2015年3月末にサービスが終了。筆者も愛用者の1人だったので、この報告はかなりショックだった。

 スマートフォンの普及に伴い、今では“スマホで音楽を聴く”ことが日常になっている。熱心な音楽ファンでなくとも、YouTubeで聴きたい曲を見つけてスマホで再生――なんてことは日常茶飯事だろう。

 そんな中、Apple、LINE、エイベックス&サイバーエージェントという時代を代表する企業が立て続けに定額制音楽配信サービスを開始した。各社がCM戦略などプロモーション活動を強化していることもあり、これまで音楽配信サービスに興味のなかった人たちも無料期間を利用して音楽を聴いているようだ。

 定額制音楽配信サービスは大きく分けて2種類ある。それぞれ、音楽レーベル系の会社が提供するものと、携帯電話会社(キャリア)が提供するものだ。今回は、それらのサービスの中でも、特にユーザーを集めている7つのサービスに注目してみようと思う。一体どのサービスを使えばいいの? どこが違うの? と迷っている人は、ぜひ参考にしてみてほしい。

photo 比較した音楽配信サービス7社

料金、ジャンル、聴取スタイル、共有機能……あなたは何を重視する?

 今回比較するのは、「Apple Music」「LINE MUSIC」「AWA」「レコチョクBest」「dヒッツ powered by レコチョク」「うたパス」「KKBOX」の7つだ。まずは、各サービスの特徴をまとめた表を見ていこう。

定額制音楽配信サービス(音楽レーベル系)
サービス名 Apple Music LINE MUSIC AWA レコチョクBest
運営会社 Apple LINE MUSIC avex&サイバーエージェント レコチョク
サービス開始 2015年7月 2015年6月 2015年5月 2013年3月
無料会員数/有料会員数 非公開 620万人/― 100万人/― 非公開
月額利用料金(税込) 個人プラン:980円
ファミリープラン(家族6人で共有):1480円
ベーシックプラン:500円
プレミアムプラン:1000円(Apple課金は1080円)
ベーシックプラン(学割):300円
プレミアムプラン(学割):600円
Liteプラン:360円
Premiumプラン:1080円
聴き放題プラン:980円(Apple課金は1000円)
アーティストプラン:324円
無料試用期間 3カ月 2015年8月9日まで 3カ月 3日間
楽曲数 数百万曲 150万曲以上(サービス開始時) 数百万曲(2015年末には約500万曲、2016年末には1000万曲を予定) 250万曲
参加レーベル・プロダクション 非公開 28社 23社 30社
得意ジャンル 洋楽、インディーズ J-POP、K-POP、ボーカロイド J-POP、洋楽 J-POP、歌謡曲
音質 256kbps 64kbps/128kbps/320kbps
自動判別機能あり
64kbps/96kbps/128kbps
Wi-Fi接続時のみ320kbps
128kbps/320kbps
歌詞表示 △(手入力のみ)
オフライン再生 ―(実装予定)
ラジオ型 ◯(Liteプラン)
オンデマンド型 ◯(Premiumプラン)
対応デバイス iPhone、iPad、PC(Androidは2015年秋対応予定)、Apple TV、Apple Watch iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット、PC iPhone、Androidスマホ
(タブレット、PCは今後対応予定)
iPhone、Androidスマホ、PC
独自機能 インターネットラジオ「Beat 1」
アーティストと交流できる「Connect」
専門家による楽曲リコメンド機能
LINEでの共有
学割の適用
自分にマッチしたプレイリストが見つかる「DISCOVERY」機能
ジャンル別に人気の曲を再生する「TRENDING」機能
1000を超えるプレイリスト
聴取傾向に基づくレコメンド機能「おすすめBest」

定額制音楽配信サービス(キャリア系)
サービス名 dヒッツ powered by レコチョク うたパス KKBOX
運営会社 NTTドコモ KDDI KKBOX
サービス開始 2012年7月 2012年6月 2013年6月
無料会員数/有料会員数 ―/300万人 非公開 アジアを中心に1000万人
月額利用料金(税込) 540円 324円(Apple課金は600円) 980円/2940円
無料試用期間 31日間 14日間 Eメールアドレス登録もしくはFacebook登録で14日間
楽曲数 200万曲
年度内には約500万曲
200万曲 1200万曲
参加レーベル 非公開 非公開 非公開
得意ジャンル JPOP、歌謡曲、アニソン J-POP K-POP、C-POP
音質 128kbps 128kbps/320kbps 128kbps/320kbps
歌詞表示
オフライン再生
ラジオ型
オンデマンド型
対応デバイス iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット、Smart TV Stick、Smart TV Box iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレット、PC
独自機能 パーソナライズレコメンド機能「あなたにおすすめ」
お気に入りの曲を毎月10曲まで登録できる「myヒッツ」
カラオケ定番曲のプレイリスト リアルタイムに同じ曲を聴きながらチャットができる「Listen with」

 表内に「ラジオ型」「オンデマンド型」という項目がある。ラジオ型はサービス提供側が用意するプログラムに沿って音楽を聴くスタイルで、曲の選択は制限されるが配信曲数は多い。ラジオ型でしか配信しないアーティストもいる。オンデマンド型は楽曲を検索できるが、配信曲数に制限がある。全体的にラジオ型のほうが月額料金は安く、オンデマンド型は月額1000円前後となっている。料金も含め、まずは自分に合うのがどちらのスタイルかを考えよう。

 気になる楽曲数は公開していないサービスもあり、あまり正確な比較はできない。とはいえ、Apple Musicはソニー系アーティストの楽曲を配信していないこともあり、J-POPが弱い半面、洋楽やインディーズに強い傾向がある。それに対し、LINE MUSICは若い世代が好むアーティストのラインアップが豊富だ。AWAは両者のいいとこ取りをしているような印象だ。サービスによって配信される楽曲の傾向が異なるので、無料の試用期間を使って気になるサービスを体験してみよう。それでは、各サービスの特徴を紹介していきたい。

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