気になったのは、記録時間よりメニュー操作などの“もっさり”感。キーを押してワンテンポ遅れてからメニューが表示される……ということが結構あり、あれ? キーをちゃんと押してなかったのか? と押し直したら、2回押したと判断されて設定が変わってしまうことがあった。
ケータイカメラの日常の利用においては、確かに細かく頻繁に設定を変えながら撮影することは少ないし、ダイヤルキーのショートカットを使えばさほど気にならないというポジティブな考え方もできるが、快適な操作性がより楽しく、毎日でも利用したくなるほど満足度の向上につながる。もっさり感の解消は今後の機種に期待したい。
再生機能は、撮影の縦横検出に対応しているので、同じ画像でも端末の向きによって表示方向が変わるのがさすがと思え、使いやすい。ブログアップ機能(au one Greeやmixiなどに標準で対応。自分で追加することもできる)を使えば、再生画面から直接ブログへ写真をアップロードできるし、PCなどへBluetoothや赤外線で送信することもできる。
というわけでCyber-shotケータイ W61Sは、ドコモのCyber-shotケータイ SO905iCSと同様に“Cyber-shot的”な本格デジカメを合体させたハイエンドカメラケータイだった。
5Mピクセルといったスペック上の数字よりも、シャッターの感触、きちんとした光学3倍ズームや縦横検出、実用レベルの顔検出機能、さらにケータイカメラで最高クラスのマクロ機能と連写機能が素晴らしい。そして、GPS情報を付加した撮影やブログアップといった通信機能も併用したケータイならではの機能、撮った写真が内蔵メモリにも同時に保存できるミニフォトなど、Cyber-shotケータイならではのおもしろさが詰まっている。
もちろん、個々の操作感や総合的な画質(レンズ性能やディテールの描写力、発色、AFの正確さや速度など)は本職Cyber-shotにまだ及ばないところはある。しかし、それ以上にCyber-shotケータイにはケータイと合体したカメラならではの楽しさがあった。
カメラ付きケータイとしての“志”や総合力は高い。これで動作がキビキビしていれば絶賛していたかもしれないというほどのできだったと感じるのである。
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