十字キーの配列はメーカーによって異なるので、他メーカーの機種に変更すると、戸惑うこともありそう。まず大きく違うのがメインメニューの呼び出し方法。F端末は左上ソフトキー、NとP端末は左下ソフトキー、SH端末は決定キーからメインメニューを呼び出す。アドレス帳の呼び出しは、F、N、P端末の下キーに対し、SH端末は右下ソフトキーに割り当てられている。
上キーはNとSH端末のiウィジェット、P端末のiチャネルに対し、F端末はカレンダー(短押し)とアラーム(長押し)が割り当てられており、ツール機能が重視されている。左右キーで着信履歴とリダイヤルを呼び出せるのは全機種共通。メールとiモードキーも、左右上下などの違いはあるが、いずれもソフトキーに割り当てられている。
どの機種が使いやすいかは一概には言えないが、頻繁に使うメインメニューとメール、iモード・iチャネル・iウィジェットなど公式サービスの呼び出しキーは、異なるメーカーの機種でも統一してほしいと思う。
独自のポインティングデバイスとして注目したいのが、N-06Aの「ニューロポインター」とSH-06Aの「光TOUCH CRUISER」。いずれも十字キーを使わずにスクロールができるので、メニュー画面での機能選択やWebサイトの閲覧時に重宝する。P-08Aは三菱電機製端末でおなじみの「スピードセレクター」を搭載しており、くるくる回すことでスクロールができる。
各機種の文字入力やメニュー操作などを試した結果、特に「押しやすい」と感じたのが、F-09A、N-08A、SH-06Aの3機種。F-09Aは決定キー周辺が窪んでいるので、カーソル移動や決定操作の誤操作がほとんどなかった。N-08Aはキーがそれほど突起しているわけではないが、各キーが大きくクリック感が良かった。SH-06Aは十字キー周辺が突起しているので、光TOUCH CRUISERもスムーズに使えた。一方、やや不満を感じたのがSH-05A。十字キーと決定キーがフラットでほとんど凹凸がない上にクリック感が弱く、押し間違えることがよくあった。
機能の呼び出しやカーソル移動、決定操作に加え、番号や文字入力に使うダイヤルキーの使い勝手も見逃せないポイントだ。ダイヤルキーは薄型化のためか、どの機種もフラットな形状となっているが、極端に押しにくい機種はなかった。
N-06AとP-08Aはキー全体の面積が少なくダイヤルキー間には隙間がないが、各キーがほかの機種よりも突起しているので、窮屈ながら押しやすさは問題なかった。N-08Aは各キーが大きいので、爪先で狙って押しやすいほか、クリック感があるので押し心地がよい。頻繁にメールを使う女性にもお勧めできる。
また、文字入力をする際はダイヤルキーだけでなく、カーソル移動や決定操作など十字キーも併用するので、指の移動距離が増える。そこで、上キーから0キーまでの長さを調べた。各キーが大きいと操作性はよいが、指の移動距離が増す。一方、各キーが小さいと操作性は落ちるが、指の移動距離は少ない。どちらがいいとは一概にはいえないが、キーが大きく指の移動距離が少ない機種が理想だ。
キーの移動距離は、“同じ持ち方を保ったまま親指を上端と下端に移動しても違和感がないか”が許容範囲の1つの基準といえる。N-08AとSH-06Aはこの中では上キーから0キーまでの距離が長いが、筆者の場合、慣れれば問題ないレベルだと感じた。ちなみにiPhone 3GSの場合、ホームボタン(下端)から上段のアイコン(上端)までの距離は約84ミリとなっている。
各ダイヤルキーの長さ(縦) | 上キーから0キーまでの距離 | |
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F-08A | 約5.5ミリ | 約59ミリ |
F-09A | 約6.5ミリ | 約51ミリ |
N-06A | 約5ミリ | 約53ミリ |
N-08A | 約6ミリ | 約65ミリ |
P-07A | 約5ミリ | 約60ミリ |
P-08A | 約5ミリ | 約55ミリ |
P-10A | 約6ミリ | 約55ミリ |
SH-05A | 約6ミリ | 約59ミリ |
SH-06A | 約6ミリ | 約62ミリ |
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