彫刻家、フラワーアーティストが携帯をデザインすると――iidaのコンセプトモデル:iida Art Editions

» 2010年07月13日 11時12分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 携帯電話をアート作品に一変させることで、人と携帯電話との関係性を問いかける、iidaのArt Editions。前衛芸術家の草間彌生氏が手がけた第1弾に続く第2弾では、彫刻家 名和晃平氏とフラワーアーティスト 東信氏がケータイデザインに挑んだ。

Photo 名和氏の「PixCell via PRISMOID」。飛び交う情報を選択し、取り込むメディウムとしての「セル(Cell)」。PRISMOIDを通過する節は感覚やリアリティを宿して増幅する。モニターでは「セル」の生成と消滅を描いたアニメーションが流れる

 名和氏の「PixCell via PRISMOID」(ピクセル ビア プリズモイド)は、透明な球体を使う同氏の代表的な表現手法を「PRISMOID」に施した作品で、端末とモニターで構成される。PRISMOIDを取り巻く無数の情報を視覚化し、飛び交う情報が媒介としてのセルに取り込まれ、端末を通り抜ける様子を表現。透明の球体で覆われたモニターでは、デジタル情報として端末に取り込まれた要素が再びアナログ世界へと引き戻されていく様子を現した。

Photo 毎日持ち歩いて使う携帯電話から、植物への関心が高まり、人々の心に植物が植え付けられる。それが環境に対する意識へとつながっていく――といったエコロジーなサイクルにつながることが期待される

 東氏の「BOTANICA」は、“携帯電話そのものが、植物を感じ、愛することができるツールになれたら”――という考えから生まれた作品で、ラフレシアやバオバブ、ゴヨウマツ、ヤマザクラなど40種の植物のパーツを携帯電話とベース(置き台)に植えることができる。

 持つ人があらゆる植物のパーツを植え込みながら、植物図鑑を眺めるかのように、世界中に生息する植物とふれあったり、携帯内蔵の植物図鑑アプリで調べたりできるのも特徴の1つ。BOTANICAの楽しみ方を広げるために、クリスマスや母の日などのイベントに合わせたフラワーパックを提供するといった提案もしている。

 なお、今回発表される2作品はコンセプトモデルであり、商品化については未定となっている。

名和晃平氏プロフィール

 1975年大阪生まれ。彫刻家・京都造形芸術大学准教授。2003年、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻終了。「ものの表皮」への意識から発して、PixCell=Pixell(画素)+Cell(細胞・小部屋)というコンセプトを基軸に、ビーズやプリズム、シリコーンオイル、発泡ウレタン、グルーなどさまざまな素材を介した多様な作品を展開している。

 作品制作の傍ら、創作のためのプラットフォームとして「SANDWICH」を京都に立ち上げ、さまざまなプロジェクトが進行中。2007年に京都府文化賞の奨励賞を受賞。2009年、東京のメゾンエルメス・フォーラムにて「L_B_S」点を開催。2009年〜2010年にブリスベンの「Asia Pacific Triennial」に参加したほか、国際展への参加も多数。



東信氏プロフィール

 2002年から花屋を営み、現在は東京・南青山でオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。フラワーアーティストとして国内外で精力的な活動を展開し、2005年からニューヨーク、パリ、ドイツなど海外を中心に個展を開催している。

 2009年から植物の可能性をさらに追求する実験的植物集団「東信、花樹研究所」を立ち上げ、植物をキーワードにさまざまな分野で幅広く活動している。同氏の活動は、花や植物のみが有する最も神秘的な形を見つけ、それを美的なレベルに変換して表現するもので、植物の価値を高めることに一貫している。



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