「汎用性の高さが魅力」――ドコモ、ワイヤレス充電技術を披露CEATEC JAPAN 2010

» 2010年10月08日 10時00分 公開
[田中聡,ITmedia]
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 NTTドコモは、ケータイを置くだけで充電できる「ワイヤレス充電ケータイ」を同社のブースで展示していた。今回の技術を披露するのは初めて。

 ワイヤレス充電では、専用のバッテリーを装着したケータイを充電台に置くと、自動で充電が始まる。バッテリーと充電台が備える送電コイルを磁力で合わせる「磁気結合」によって電流を起こし、充電が可能になる。伝送効率は約80%。ケータイを置くと、バッテリーと充電台のコイルが磁力で引かれ合うので、充電台(約120×120ミリ)のどの場所にケータイを置いてもよい。説明員は「充電用の接点を備えていない機種が多いスマートフォンで特に便利に使えるのでは」と話していた。

photophotophoto 充電台にケータイを置くだけで充電される(写真=左、中)。コイルの周りには発光ダイオードが付けられており、端末(バッテリー)を置くと、バッテリーと台の表面に青い光が点灯する(写真=右)

 このバッテリーと充電台は、ワイヤレス充電の標準化団体「WPC(Wireless Power Consortium)」の方式に準拠しており、これに準拠した製品には「Qi」のロゴが付けられる。説明員は「Qiマークがあれば、どの機種でも使える。過去の機種でも対応できる」と汎用性の高さをアピールしていた。同じ準拠製品を使えば、通信キャリアを問わず、1つの充電台で充電できるのもメリットといえる。ちなみに「Qi」は、ワイヤレスでパワーを送ることから、「気功」の「気」を意味するという。

photophoto WPC準拠の機器には「Qi」ロゴが付けられる

 バッテリーの容量は800mAhで、「一般的なケータイよりも1割ほど減らしている」(説明員)。現在のところバッテリーは1種類のみなので、さらに大容量のバッテリーが登場することも期待される。ケータイが満充電されるまでの時間は、一般的なケータイ向けACアダプタと同じ。充電台にはACアダプタから給電する。バッテリーと充電台は三洋電機製で、それぞれ「eneloop」のロゴがあった。

photophoto ドコモとeneloopのロゴ(写真=左)。「FOMA 補助充電アダプタ」「FOMA 補助充電アダプタ02」をワイヤレス充電するデモも実施(写真=右)

 専用バッテリーの容量がやや少ないことが課題だが、バッテリーを使わず、ケータイなどのバッテリーカバーにコイルを付けることでもワイヤレス充電が可能になるという。WPC準拠の充電台はカフェなどに設置し、外出先での利用を想定している。この充電台が個人向けに販売されるかは未定。

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