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» 2011年02月23日 11時30分 公開

勝手に連載「海で使うIT」:「GALAXY Tab」と「NAVIONICS」で冬の海を渡る! (2/4)

[長浜和也,ITmedia]

ENCの“沿岸航海”相当の精度を全海域でカバー

 NAVIONICSが用意する電子海図の精度は、ENCの「概観」「一般航海」「沿岸航海」レベルで、一部で「アプローチ」に相当する。関東海域でいうと、東京湾内部の要所(浦賀水道付近など)はアプローチレベルに近いが、伊豆諸島になると沿岸航海程度で、漁港の岸壁などの詳細データはなく、漁港そのものが表示されていないケースもある(例えば新島の若郷漁港)。ただ、Google Mapを重ねて表示する機能を備えているので、ネットワークにアクセスできる状況なら、Google Mapsの航空写真を表示させて、“ごく薄く”表示される画像から岸壁の状況を把握することも可能だ。

 ただし、Google Mapと海図を重ねて表示させると海岸線などが一致していない部分がある。これは、海図の作図粒度がGoogle Mapより“粗い”ためでもあるが、Google Map側の精度の影響も否定しきれない。いずれにしても、入港時の誘導で電子海図やオンラインマップなど、正式な海図以外を頼りにするのは厳禁というのは、船乗りの常識だ。

東京湾内部はENCのアプローチレベルに相当するが(写真=左)、伊豆諸島などは沿岸航海のレベルにとどまる(写真=中央)。オーバーレイ機能でGoogle Mapの航空写真を重ねて、港の岸壁などを“参照”することは可能だ(写真=右)

航路標識や水路情報も充実

 電子海図には、灯台などの航海に必要な航路標識や、海岸地形、底質、水深、海底危険物といった水路情報がデータベースとなって収録されている。これらの情報の詳細を知りたいときは、海図にタップして表示されるバルーンから周辺海域に存在するデータ項目にアクセスできる。そこで、知りたい航路標識や水路情報の項目を選択すると、例えば灯台や灯浮標(Light)では灯質などが表示される(なお、Version 5.0までは、データが収録されていない航路標識も多かったが、最新のVersion 5.1では、そのほとんどで追加されている)。

海図をタップするとバルーンが表示されて(写真=左)、そのバルーンをタップすると付近にある航路標識や海岸線、海底危険物などの水路情報項目が表示される。Light(一部の航路標識は固有名が記載されている)を選択すると、灯質などのデータが参照できる(写真=右)

 また、航路標識以外に潮汐情報や潮流情報も参照できる。海図で潮汐観測所や潮流観測所のシンボルをタップすると、潮汐情報ではその地点における現在の潮高や1週間先までの満潮、干潮、日の出、日没、月の出、月の入りといった時間が、潮流情報では、その地点における現在の流速と流向、1週間先までの最強、転流の時間をグラフと表で確認できる。さらに、ネットワークにアクセスできる環境では、オプションで「Wind Forecasts」を有効にするとマトリックスマップで算出された風力と風向の現況と72時間先までの予想が表示できる。

潮汐観測所のシンボル付近をタップすると(写真=左)、タイドグラフで潮汐が確認できるほか(写真=中央)、1週間先の潮汐時間が参照できる(写真=右)

潮流観測所のシンボル付近をタップすれば(写真=左)、グラフで潮流が確認できるほか(写真=中央)、1週間先の潮流時間が参照できる(写真=右)

ネットワークにアクセスできる環境では、風力の現況と72時間先までの予測が表示できる

NAVIONICSの機能ではないが、Androidマーケットからフリーで入手できる「MarineTraffic」を一緒に起動して切り替えれば、自船の周囲にあって「AIS」を運用している本船の位置や速度、針路なども確認可能だ。ただし、表示された位置に1〜2分程度のタイムラグがあることと、相対距離や衝突の可能性が表示されないなど、利用できる情報は限られているので、その運用は参考程度にとどめておきたい

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