実際にiPad 2を使ってみないと分からないよさの1つに、テレビやプロジェクターをはじめとする外部ディスプレイとの接続機能の進化を挙げることができる。これまでのiPadはVGAアダプタがあるものの、VGA出力に対応したアプリケーションでないと、画面を表示することはできなかった。iPad標準のアプリケーションで外部出力が可能なのは「写真」と「YouTube」「iPod」くらいで、なかなか活用するのは難しかった。
しかし、iPad 2では、まったく同じ初代iPad用のVGAアダプタをつないだ瞬間から、すぐに外部画像出力が始まる。ホーム画面を表示中はホーム画面が、地図を見ている間は地図が、Webを閲覧している間はWebと、iPadの画面に表示されたそのままの内容がテレビやプロジェクターに映し出される(ミラーリング表示)。もちろん、本体を縦横に傾けると、きちんとそれにあわせて画面の縦長/横長も自動的に切り替わる。
初代iPad用に外部出力に対応したアプリケーションであれば、初代iPadで利用した時と同様に表示が行われる。例えば、プレゼンテーションソフトのKeynoteであれば、プロジェクター側にはスライドが、そしてiPadの画面には、次のスライドやメモなどプレゼンター向けの付加情報を表示できる。
だが、iPad 2ではさらに“iPad 2ならでは”の外部出力アプリケーションというのも登場し始めている。例えば、先にも紹介したReal Racing 2 HDなどがそうで、iPad 2であれば、プレイステーション3にも負けない1080pのフルハイビジョン出力が可能なのだ。
実際にReal Racing 2 HDを24型ワイドのPC用ディスプレイに接続してプレイしてみると、iPad 2をコントローラーにして大画面でフルハイビジョンゲームを楽しむ、というまったく新しいゲーミングスタイルになる。これがかなり新鮮な体験で、やってみるとなかなか面白いのだ。今回はこのVGAアダプターに加え、外部出力をしながら本体の充電もできるHDMIのアダプターが新たに発売された。
アップルは初代iPadのことを「魔法のようなデバイス」と表現していた。実際にiPadが登場すると、すぐに出版業界や新聞業界が動いて、一気に電子書籍化の波が広がっていった。非常に幅広い国の、非常に幅広い分野の新聞や雑誌も、続々とiPadに対応しており、欧米ではiPadにあわせて作られたデジタルネイティブな雑誌も誕生し始めている。
また、各テレビ局がiPad用アプリケーションを出し、自社番組を直接提供をする動きもますます加速している。ゲーム業界も、これまでの携帯型ゲーム機とは違うiPadのスクリーンサイズに大きな関心を寄せている。今ではアパレル業界、医療関係、飲食店や小売店、車業界などもiPadに注目し、今年の後半には、数多くの企業がiPadの大量導入を始めることが期待されている。
今回、より薄くより高性能なiPad 2が登場したことで、この“マジック”はさらに広がりそうだ。同じ仕事や同じ遊びを、より高速かつなめらかに、優雅に利用できる――どこか突き抜けた感のあるiPad 2こそが、iPad革命の本当の出発点なのかもしれない。
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