第3回:夜まで持たない? 「EVO WiMAX」のバッテリー管理を考えるたまねぎIT戦士のEVO体験記(2/2 ページ)

» 2011年08月26日 13時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
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バックライトも強敵だった

 放置時のバッテリー消費の早さの元凶の1つがWiMAXアンテナであることは分かりましたが、他に原因はないのでしょうか? EVO WiMAXでは、「設定」→「この携帯電話について」→「バッテリー」→「電池の使用状況」で電力消費の内訳を見ることができます。

 このリストを見ると、一番多く電力を使っているのは「Androidシステム」、そして「セルスタンバイ」「Bluetooth」「Wi-Fi」「ディスプレイ」と続いていきます。Androidシステムとセルスタンバイの電力は減らせないので、Bluetooth、Wi-Fi、ディスプレイについて考えてみます。

photophotophoto 設定を選んだ後、「この携帯電話について」を選択。メニューの一番下にある(写真=左)。バッテリー情報の画面、一応10段階でバッテリーの残量を示しているが、これでも大雑把だと感じるし、残量を確かめるためにいちいちこの画面を開くのも面倒だ(写真=中央)。電力使用状況の画面。アプリなどの情報は記載されないが、そこはBattery Mixでカバー。意外にWi-FiとBluetoothが電力を使っていることが分かる(写真=右)

 ただ、BluetoothとWi-Fiの電力消費を抑える方法は、使わないときに切るという方法ぐらいしかないので、ここではディスプレイに焦点を当てます。私は輝度を自動設定にしているのですが、バックライトの輝度によってバッテリー消費にどの程度の差が出るのか調べてみました。輝度を25%、50%、最大にして1時間付けっぱなしにして、バッテリーの消費を比べてみました。(Wi-Fi/Bluetoothオン、Yahoo!トピックス、Battery Mix起動、壁紙はアニメーションなしのHTC壁紙を採用、測定時間は3時間)。

バックライトの輝度によるバッテリー消費量(1時間あたり)
輝度 25% 50% 最大
バッテリー消費量 12% 14% 23%

 輝度最大時の電力消費が激しいです。逆に25%と50%の差があまり出なかったのも、興味深い結果です。輝度を自動設定にすると、周りの明るさに合わせて輝度が変動するので、25%程度に設定してしまう方がバッテリーの消費は抑えられるでしょう。また、ライブ壁紙など、アニメーション要素のある壁紙にすると、さらに大きくバッテリーを消費するので注意が必要です。

充電の早さは?

 ここまでは、EVO WiMAXのバッテリー消費について書きましたが、最後に充電についても調べてみました。私はいつも会社ではUSBでPCと接続し、充電しているのですが、バッテリーの充電速度は遅いと思っていました。初期状態のバッテリー残量表示が大雑把なせいもあり、表示が変わらず、ちっとも充電されていないと感じましたが「減らないだけマシ」ぐらいに思っていました。

 というわけで、USB充電はどれほどの速度でバッテリーが回復するのか、そして一方のACアダプターによる充電はどのような速度でバッテリーが回復するのかを合わせて調べてみました。バッテリー5%の状態から充電し、1時間ごとのバッテリー残量の推移を示したのが下の表です。(Wi-Fi/Bluetooth/WiMAXオン、Yahoo!トピックス、Battery Mix起動)

充電速度テスト
経過時間 USB AC
0分 5% 5%
1時間 20% 66%
2時間 35% 100%(105分)
3時間 59%
4時間 72%
5時間 100%

 USBは1時間に大体20%程度充電されるのに対し、AC接続の場合はその速度は3倍以上。ACの方が圧倒的に早いです。早く充電したいという場面では積極的にAC接続を使いたいところですが、それは電源が確保できればの話です。

photo ACアダプターは厚さがあるので、意外とかさばってしまう。ケーブルの長さは約120センチ。基本的には付属のバンドでまとめた方がいいだろう

 さらに、USBケーブルに加えて家庭用コンセントとのACアダプターを持ち歩くのは少し気が引けます。重さは29グラムと軽いのですが、サイズが35(幅)×65(高さ)×22(厚さ)ミリと、バッグの中に入れると意外にかさばってしまうし、いちいちコンセントから外して持って行くのも面倒なので、できれば避けたいところです。

 EVO WiMAXは「ecoモード」のように、バッテリー残量に合わせて設定を変えてくれるような親切な機能はありません。理想的なパフォーマンスを求めるとバッテリーが持たない、というジレンマに苦しむ端末だと思います。バッテリーを持たせたいときにはWiMAXを控えるなど、自分がバッテリーを持たせたい時間に合わせて設定や使い方を考えるという面倒な部分がEVO WiMAXにあるのです。

photo 予備バッテリーはあまり使う気になれない。いちいちEVO WiMAXに装着して充電しなければならないからだ

 確かにバッテリーは2個付いていますが、予備バッテリーは使う気になれません。バッテリーが切れたら交換するというのも面倒ですし、いちいち2個とも充電しておくということが面倒で使う気になれないというのが本音です。「Qi」に対応したNTTドコモの「AQUOS PHONE f SH-13C」のように、バッテリーのみでワイヤレス充電が可能、ということがあれば話は大きく変わってくるのですが……。

 「そんなにバッテリーが持たないならモバイルバッテリーを買えばいいじゃない」という意見もあると思います。確かに、モバイルバッテリーや容量の大きなバッテリーを購入すれば問題を回避できますが、個人的には「使わなくていいのなら使いたくない」と思っています。現在はbiblioとの2台持ちで、メールや電話はすべてbiblioで行っており、EVO WiMAXのバッテリーが切れたら誰とも連絡が取れない、といったような致命的な事態にはなりません。なので、モバイルバッテリーを買って持ち歩くほどバッテリー切れを恐れていないのです。ただ、来月にキャリアメールが使えるようになったらbiblioを手放し、EVO WiMAXに統一するので、バッテリー切れに備え、モバイルバッテリーを買うかもしれません。

 現在は、平日は会社にUSBケーブルを持ち歩き、仕事中は基本的に充電しています。もともとUSBケーブルは充電のためだけに持ち歩いているのではなく、取材時の録音データや写真データをEVO WiMAXからPCに取り込むためなど、仕事で必要な場面があるので、USBケーブルの持参はあまり苦ではありません。Battery Mixを導入してからバッテリーの残量が分かるようになったので、休日に出かけたときなどは、バッテリー残量が危ないと感じたら(帰宅までに持たないと思ったら)WiMAXの電源を切るようにしています。EVO WiMAXに触れる時間もあまり多くはないので、今のところはモバイルバッテリーを使うことはなさそうです。

 ただし、EVO WiMAXのテザリング機能を使おうとするならば話は変わります。常時インターネットに接続する状態が続き、バッテリーの消費はさらに早いという話を聞きますし、テザリングを使うような状況は、大体バッテリーが切れては困るはずです。テザリングを積極的に使うならば、モバイルバッテリーは必須になるかもしれません。ということで、次はEVO WiMAXのもう一つのウリである「テザリング」についてお話ししようと思います。次回もお楽しみに。

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