デュアルコア化が進むAndroidスマートフォンだが、auの発売済み端末でデュアルコアなのは、「MOTOROLA PHOTON ISW11M」と「HTC EVO 3D ISW12HT」だけだ。同じ2011年冬モデルでは「ARROWS Z ISW11F」が発売を控えているほか、直接の比較はできないがiPhone 4Sもデュアルコアプロセッサを搭載する。
画面の切り替えやアプリの起動など、Androidの基本的な操作はかなり速い。ただ、動作速度の感じ方については端末の状態や個人差もあるため、おなじみのベンチマークアプリの「Quadrant Standard Edition」でスコアを調べてみた。ちなみにISW11Mのプロセッサは、1GHz駆動のNVIDIA Tegra 2である。およそ10回程度テストしてみたが、2200から2500というスコアを記録。夏モデルで登場したシングルコア機のおよそ1.5〜1.6倍という処理速度だった。
MOTOROLA PHOTONは、800万画素CMOSのアウトカメラと、30万画素CMOSのインカメラという2つのカメラを搭載している。アウトカメラはオートフォーカスとデジタルズームに対応し、720pで30fpsのHD動画も撮影できる。インカメラはVGAサイズの静止画とQVGAサイズの動画撮影に対応する。
プリセットのカメラアプリは、起動が速く、ピントを合わせる場所をタッチ操作で指定できる(撮影はしない)など、使い勝手は良いが、横画面専用で縦向きのUIにはならない。カメラボタンの位置などから、横持ちスタイルの利用を前提にしているのだろう。アウトカメラはオートフォーカス(AF)対応だが、コンティニュアスAFではなくシャッターを押してからピント合わせを行う。
また撮影シーンは、オート設定のほか、ポートレート/景色/スポーツ/ナイトポートレート/夕日/マクロ/安定したショット、という合計8つを用意。手ブレ補正の機能はなく、“安定したショット”モードでは増感とシャッタースピードの調整で手ブレを抑えているようだ。そのほか、ネガやセピア、モノクロなどのエフェクトと、パノラマ撮影や連射撮影(マルチショット)などのモードがあるが、ジオラマ撮影やHDR撮影などは用意されていなかった。
MOTOROLA PHOTON ISW11MのROM容量は約16Gバイト、RAM容量は約1Gバイト。Androidスマートフォンとしては、かなりストレージ容量が多いほうだ。設定メニュー内の「SDカードと本体のメモリ」で確認したところ、“アプリケーションストレージ”として約2.8Gバイト、“内部ストレージ”として約8.9Gバイトの空きがあった。さらに、最大32GバイトまでのmicroSDを利用できる。
microSDには背面パネルを開けてアクセスする。出し入れの際に電池パックと干渉しないので、電源を入れたまま脱着が可能だ。
MOTOROLA PHOTON ISW11MにはSIMスロットがあるが、無効化されており、SIMを差してもなにも起こらない。auのSIMはもちろん、他キャリアや海外キャリアのSIMも利用できない。
このSIMスロットは、ベースとなったグローバルモデルの「MOTOROLA PHOTON 4G」の“名残”。PHOTON 4GはWiMAXのほか、CDMAとGSM、そしてUMTS(W-CDMA)に対応していて、SIMの入れ替えが可能だだが、auのISW11MではWiMAXとCDMAのみをサポートするROM機であり、GSMとUMTSは対応していない。なお、海外ローミングの際は、CDMAエリアのみで利用できる。
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