第3回 iPhone 4S/4速度比較――14.4Mbpsと7.2Mbpsの差はどれだけあるのか「iPhone 4S」ロードテスト

» 2012年01月06日 13時28分 公開
[田中聡,ITmedia]

 スマートフォンはどれだけ高速に通信できるかどうかも重要だ。iPhone 4Sはソフトバンク版とau版の2種類が発売されたこともあり、ソフトバンク版とau版を比較した調査や記事などをよく見かけるが、今回は「iPhone 4SはiPhone 4の後継機種」という点に着目し、iPhone 4SとiPhone 4(ソフトバンク版)を比べたいと思う。

 通信速度はiPhone 4が下り最大7.2Mbps/上り最大5.76Mbps、iPhone 4Sが下り最大14.4Mbps/上り最大5.76Mbps。下りの速度が数値上ではiPhone 4SはiPhone 4から倍増しているが、実際はどの程度速くなっているのだろうか。14.4Mbps通信に対応するエリアを含む都内で、ソフトバンク版iPhone 4SとiPhone 4の速度を比較した。

photophoto 「iPhone 4S」

 以下に取り上げる通信速度の計測には、iPhoneアプリの「Speedtest」と、Webサイトの「BNRスピードテスト」(http://www.musen-lan.com/speed/)を利用し、それぞれ5回計測した。Speedtestと、BNRの下り速度は最高値を用いている。またiPhone 4はiOS 5にアップデートしたものを使用した。

 まずは、14.4Mbps通信に対応することが確認できた都内某所(屋外)にて、2011年12月22日12時20分〜30分ごろに測った。Speedtestの計測結果は、iPhone 4Sが下り2.58/1.67/1.93/1.63/2.06Mbps(平均1.97Mbps)、上り441/397/370/440/372Kbps(平均404Kbps)だった。iPhone 4は下り1.45/1.77/0.77/1.69/2.45Mbps(平均1.63Mbps)、上り396/417/397/509/436(平均431Kbps)で、下りはほぼ同じ、上りはiPhone 4の方がやや速いという結果だった。

 BNRの下り測定は画像読み込み版、上り測定に用いるデータサイズは800Kバイトを選んだ。都内某所での通信速度は、iPhone 4Sが下り1.12/3.58/3.39/2.81/3.19Mbps(平均2.81Mbps)、上り572.35/395.87/322.77/481.17/1617.92Kbps(平均678.02Kbps)、iPhone 4が下り2.5/1.53/2.39/1.18/1.44Mbps(平均1.81Mbps)、上り1.91/0.6/0.41/0.25/2.64Mbps(平均1.16Mbps)だった。こちらはiPhone 4Sの方が下りが1Mbpsほど速く、上りはiPhone 4の方が500Kbpsほど速かった。

※初出時に「上りもiPhone 4Sの方が500Kbpsほど速かった」と記述していましたが、上りが速かったのはiPhone 4でした。お詫びして訂正いたします。

photophotophoto 「Speedtest」アプリで計測。iPhone 4S/4ともに、通信環境が良好の場所なら下り2〜3Mbps程度は安定して出た。こちらはiPhone 4Sで計測したもの(写真=左)。ブラウザを利用する「BNR」でも下りと上りの速度を計測した(写真=中、右)

 ソフトバンクモバイルは「3Gハイスピード」の詳細なエリアや人口カバー率などを公表していない。Webサイト(外部リンク)では下り最大3.6Mbps対応エリアは「全国の県庁所在地および主要都市(順次拡大中)」、下り最大7.2Mbps対応エリアは「関東/東海/関西/東北/中国/四国/九州の一部エリア(順次拡大中)」と表現するに留めている。下り最大14.4Mbps対応エリアの詳細は記載されていないが、「人口密集地を中心にカバーしている」(ソフトバンクモバイル)とのこと。ちなみに、NTTドコモの「FOMAハイスピード」は2008年12月26日に人口カバー率100%に達し、FOMAハイスピードエリア内では下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsの通信が可能としている。

 14Mbps通信に対応しているかは定かではないが、都内の他の場所での実効速度も測ってみた。2011年11月28日2時ごろに江東区(屋内)で測ったころ、Speedtest(平均値)の速度はiPhone 4Sが下り3.07Mbps、上り702.2Kbps、iPhone 4が下り2.97Mbps、上り749.8Kbpsだった。BNR(平均値)の速度はiPhone 4Sが下り3.82Mbps、上り914.62Kbps、iPhone 4が下り2.7Mbps、上り750.29Kbpsだった。下り速度がSpeedtestではほぼ同じ、BNRはiPhone 4Sの方が1Mbpsほど高かったという結果は都内某所と似ているので、このエリアも14Mbpsの通信に対応している可能性が高い。

 一方で、iPhone 4SよりiPhone 4の方が下りが速いケースもあった。2011年12月28日17時〜17時40分ごろに東京都千代田区永田町の屋内で計測したところ、Speedtest(平均値)の下りはiPhone 4Sの3Mbpsに対し、iPhone 4は3.42Mbpsだった。BNR(平均値)の下りはiPhone 4Sが2.86Mbps、iPhone 4が2.62MbpsでわずかにiPhone 4Sの方が速いが、誤差の範囲と言っていいだろう。12月28日19時〜19時40分に+D Mobile編集部(東京都千代田区大手町)で測ったときは、Speedtest(平均値)の下りはiPhone 4Sの2.14Mbpsに対してiPhone 4が2.88Mbps。BNR(平均値)の下りはiPhone 4Sが2.28Mbps、iPhone 4が2.03Mbpsで、永田町と似たような結果になった。iPhone 4Sの2〜3Mbpsという速度は14.4Mbps対応の場所と大差はないが、通信速度は環境に左右される。ただ、iPhone 4S/4で大きな差がないことを考えると、これら2つの場所は14.4Mbpsの通信には対応していないのかもしれない。

 続いて、2011年12月29日19時〜20時にJR東京駅構内でも計測してみた。年末の帰省ラッシュで多くの人が行き交うタイミングだったので通信が不安定で、他の場所よりも測定に時間がかかった。特にiPhone 4が苦戦し、SpeedtestとBNRどちらも下りは平均1Mbps未満だった(751.8Kbpsと517.67Kbps)。iPhone 4Sの下りはSpeedtestが平均1.91Mbps、BNRが平均2.13Mbpsで、比較的安定していた。iPhone 4の3G通信用のアンテナは1つのみだが、iPhone 4Sでは2つのアンテナを備え、2つを切り替えて利用することで通信品質が改善されているという。今回のような通信環境の悪い場所では特に、アンテナ性能が向上したiPhone 4Sの方が安定して通信できるケースが多そうだ。

速度測定結果(Speedtest)
場所 日時 端末 下り速度(平均値) 上り速度(平均値)
14.4Mbps対応の
都内某所(屋外)
2011年12月22日
12時20分〜30分ごろ
iPhone 4S 1.97Mbps 404Kbps
iPhone 4 1.626Mbps 431Kbps
江東区(屋内) 2011年11月28日
2時ごろ
iPhone 4S 3.07Mbps 702.2Kbps
iPhone 4 2.97Mbps 749.8Kbps
永田町(屋内) 2011年12月28日
17時20分〜17時40分ごろ
iPhone 4S 3Mbps 793.4Kbps
iPhone 4 3.42Mbps 892.6Kbps
+D Mobile編集部 2011年12月28日
19時〜19時40分ごろ
iPhone 4S 2.14Mbps 1.13Mbps
iPhone 4 2.88Mbps 1.19Mbps
JR東京駅構内 2011年12月29日
19時〜20時ごろ
iPhone 4S 1.91Mbps 520.8Kbps
iPhone 4 751.8Kbps 278.4Kbps

速度測定結果(BNR)
場所 日時 端末 下り速度(平均値) 上り速度(平均値)
14.4Mbps対応の
都内某所(屋外)
2011年12月22日
12時20分〜30分ごろ
iPhone 4S 2.82Mbps 678.02Kbps
iPhone 4 1.81Mbps 1.16Mbps
江東区(屋内) 2011年11月28日
2時ごろ
iPhone 4S 3.82Mbps 914.62Kbps
iPhone 4 2.7Mbps 750.29Kbps
永田町(屋内) 2011年12月28日
17時20分〜17時40分ごろ
iPhone 4S 2.86Mbps 877.34Kbps
iPhone 4 2.62Mbps 942.11Kbps
+D Mobile編集部 2011年12月28日
19時〜19時40分ごろ
iPhone 4S 2.28Mbps 1.44Mbps
iPhone 4 2.03Mbps 1.38Mbps
JR東京駅構内 2011年12月29日
19時〜20時ごろ
iPhone 4S 2.13Mbps 627.74Kbps
iPhone 4 517.67Kbps 193.17Kbps

 iPhone 4との差については、7.2Mbpsと14.4Mbpsの理論値は2倍だが、最後の東京駅での計測を除き、体感的にそこまでの差はなかった。14.4Mbpsエリアの詳細が非公表、つまり14.4Mbpsエリアが公表できるほど広範ではない可能性があることを考えても、通信速度は「限られたエリアでiPhone 4より少し速くなる」程度に考えておいた方がいいかもしれない。

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