モバイルWi-Fiルーター比較の最後では、各社の料金プランをチェックする。次世代通信対応ルーターの場合、従来の3Gのルーターよりも料金プランが高めに設定されていることが多い。しかし一方で各社キャンペーンに力を入れ、さらにスマートフォンと同じく、ルーターの本体代金には毎月の割引も付与される。これらを加味して2年間のトータルコストを見てみると、上限いっぱいに使うと5万円以上の差がつくこともある。どのキャリアのデータ通信が、最もお得に運用できるのだろうか。
各ルーターの端末代と料金プランを比較したのが以下の表だ。日本通信のみ、カメレオンSIMに最初から21日分の料金が含まれていることを考慮し、2年トータルコストの算出では、月額通信料を23か月分で計算した。ルーターの本体価格は各社の公式オンラインショップの価格を参考にした。
高速通信対応のルーターは、通信代は一定額で変わらない「フラット型」+「長期(2年)契約」の料金プランが主流になる。しかし実際は複数の料金プランを用意している場合が多いので、フラット型とともに、2段階型など第2のプランも掲載した。
結論から述べると、通信をめいっぱい使うと想定してトータルコストが最も安かったのが、日本通信の「b-mobile4G WiFi2」+「カメレオンSIM」の組み合わせで、120日間で1Gバイトの通信ができる「1GBフェア」の料金は8800円となる。ただし大量に通信をする人は早めに1Gバイトに達してしまう可能性が高い。そうなるとまたチャージが発生し、結果的に高くつく可能性がある。
b-mobileを除くと最安はイー・モバイルの「Pocket WiFi LTE(GL01P)」(にねん+アシスト1600)で、2年間で9万3120円となる。にねん+アシスト1600ではアシスト(毎月の割引)代が大きい。EMOBILE LTEの速度制限は2014年5月以降とまだ先の話であるうえ、10Gバイト以上からと利用範囲が大きい。ただし解除料の金額は3万8400〜1万800円と高い。であればUQ WiMAXの「URoad-SS10」(UQ Flat年間パスポート)はどうだろう。トータルコストでは9万7920円とイー・モバイルよりも4800円高いが解除料は安く、1年目は9975円だが2年目以降は5250円になる。そもそもUQ Flat年間パスポートは「1年の契約」なので、満了月(12カ月目)または更新月(13カ月目)には解除金を支払わずに契約解除が可能だ。高速通信はこれからも新サービスが出てくるので、長い目で見ると乗り換えしたくなることもあるはず。そんなときは解除料が安い方がいいだろう。
筆者のようにたまに外出先でものすごく使うことがあるものの、普段は全然使わないという人にはどのプランがよいだろうか。この場合は2段階型のドコモとUQが候補になる。
特にUQのURoad-SS10の2段階プラン「UQ Step」は月380円からなので、まったく使わない月があってもほとんど金銭的なダメージがない。もし上限まで使ってばかりだとしても、トータルコストは13万2320円で、他と比べても意外と安い印象だ。
一方、ドコモの「Xiデータプラン2にねん」は月2500円から。これはまったく使わない月があると、筆者にはちょっともったいない印象だ。そんなときは他に「Xiデータプラン にねん」もある。こちらは月々サポートの適用がなくなるが月1000円から使える(上限は変わらない)。この場合、24か月だとXiデータプラン2にねんより下限額は3万6000円安い。「BF-01D」の月々サポートの割引額は24カ月で3万240円だが、それを加味しても2年使うと5760円得になる計算だ。ただしXiデータプランにねんの解除料は2万6880〜9975円で1カ月ごとに735円ずつ減額していく形になり、途中で解約するとXiデータプラン2にねんよりも高くつく。
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