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» 2012年06月11日 10時06分 公開

第4回 Xi、SoftBank 4G、UQ、EMOBILE LTE、カメレオンSIMの“トータルコスト”を比較するモバイルWi-Fiルーター徹底比較(2012年春モデル編)(2/2 ページ)

[小林誠,ITmedia]
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各社の料金サービスやWi-Fiルーターの最適な利用者は?

 ここからは料金プランとともに、1〜3回の比較も考慮に入れて、どのルーターのどのプランがどんな人に最適なのかを検討してみよう。

Xi:キャンペーンで料金が割安に

 まずドコモのBF-01Dの場合。ルーターの機能と地方でも利用できるエリアの広さにどれだけ価値を置くかがカギ。ルーターは最も多機能だが、端末価格は月々サポート込で1万円強なので安いのではないだろうか。

 Xiエリア外でも「とりあえず3Gにつながる」安心感は大きい。ただ、2回のテスト結果を見ると都市部では高速通信とはいえ速度が伸び悩んでいる。「郊外」「地方」での利用が多く、外出先で「圏外が少ない」ことを望んでいる人にオススメだろう。またドコモの資金力に期待して、回線の強化などで速度の伸び悩みもいずれ解決されることに期待したい。筆者は他の媒体でもXiのテストをしているが、10Mbps以上をコンスタントに測定することもある。また「つながりやすい」ということは、それだけ使う機会も多いことになる。2段階型の下限額は魅力だが、「毎月どこかで使う」という人はフラットの方が結果的に得になりそうだ。2段階型の場合、めいっぱい使っていると今回「最も高い」プランになるので注意が必要だ。

 また月4935円、月2500〜5460円はあくまで「Xi スタートキャンペーン2」の期間中、つまり2012年9月30日までの料金になる。今回は5月に契約して4か月適用、残り20か月は適用外と考えて計算しているが、契約が6月、7月と遅れていくとそれだけトータルコストもアップする。

 もう1つ、ドコモのケータイかスマートフォンをすでに持っている場合は、2013年3月31日まで受け付けている「プラスXi割キャンペーン」を適用することで、さらに月額通信料が割り引かれる。「Xiデータプラン フラット にねん」が月3980円になるので、毎月955円(スタートキャンペーン2終了後なら毎月2005円)安くなる。トータルコストで考えると2年で4万2870円も安く、BF-01Dがトータルコスト10万8750円で使えることになる。

SoftBank 4G:通信は速いが料金は高い

 ソフトバンクモバイルの101SIの場合、通信速度は速い。4Gエリア内で圧倒的だったのは2回のテスト結果で明らかだ。ただし料金も高い。16万5720円は今回のフラット型料金プランで一番高い。フラットのプランしかない点と、意外と地味に痛いのがネット接続代が月525円と高めなこと。3Gのデータ通信の料金プランと違って、月額通信代と接続代が別々になっているのだ(3Gでは月額通信代に接続代も含まれている)。

 もっともここは「高額だからこそ高速なのだ」と考えたい。「とにかくガンガン通信をしたい」のなら101SIだろう。4G対応エリアが周りにあるのならオススメといえる。気になるのが10月から「5Gバイト以上で速度制限」という点。ドコモの7Gバイトと比べて2Gバイト少ない差をどう考えるか。動画をよく見るなど、パケット通信を多く使う人は2Gバイトでも大きい方がいいかもしれない。

 またソフトバンクでもスマホユーザーへの優遇措置として「スマホセット割(iPad可)」が提供されている。ルーターの月額料金が3880円となり、1100円安くなる。トータルコストでは2万6400円引かれ、13万9320円になる。

UQ WiMAX:スマホとの組み合わせがオススメ

 続いてUQ WiMAXのURoad-SS10の場合。料金プランだけを考えると選びやすいのがUQとなる。ただし2回のテスト結果のように速度の伸び悩みがある場合も見られる。通信速度優先では選びにくいかもしれない。ただしサービスインのときよりもエリアが広くなり、つながりやすいというメリットもある。速度の伸び悩みがユーザーの多さによるものであれば、むしろ今エリアが広がりつつある地域の方が速度が出るかもしれない。

 また上りが速い傾向もあるので、「スマホ(タブレット)との組み合わせ」はどうだろうか。上りが速いことでスマホで撮影した写真のアップロードに向く、という点はすでに述べているが、価格が安いこともあって気軽に「スマホとルーターとの2台持ち」が可能だ。もちろん前述のようにUQ Stepなら下限額が低いので、ライトユーザーにも向いている。

 料金プランには1日600円の「UQ 1Day」もあり、1か月に数回しか使わないといった人に最適。端末価格がSS-10の場合は1万7800円となるので、初期投資が高くなるものの、毎月少しだけ使うというパターンを長く続けるなら非常に安く済む。

EMOBILE LTE:GL01Pはコストパフォーマンスが高い

 イー・モバイルのGL01Pは、2回のテスト結果を考えると高速通信もかなり体験できるので、コストパフォーマンスが良いルーターといえる。LTEフラット(ベーシック)でも購入できるが、月額割が適用されないのでトータルコストはかなり高額となる。「にねん+アシスト1600」で途中解約した解除料が発生しても、トータルコストではにねん+アシスト1600の方が安い。速度制限が2014年からというのもいい。あと2年めいっぱい使える。ちょうど速度制限が始まるころに提供されているであろう新しい通信サービスに変更すればスムーズだろう。ただしいくらベーシックと比べて得とはいえ、解除料は当初は高い。契約する場合は他社よりも慎重に利用できるエリアを検討し、長く使うことを想定した方がいいだろう。

 またキャンペーンも行われており、他社からの乗り換えの場合は「LTEのりかえキャンペーン」で5000円分のQUOカードをキャッシュバックしている。応募用紙を郵送するため締め切りは2012年8月20日消印有効となっている。

 イー・モバイルに契約している人で、EMOBILE LTEに契約を変更したい場合は「EMOBILE LTEアップグレードキャンペーン」がうれしい。6月1日から9月30日まで受け付けており、契約解除料が最大5000円割引になる。

b-mobile4G WiFi2+カメレオンSIM:「Fair 1GB」か「高速定額」か?

 最後に日本通信のb-mobile4G WiFi2+カメレオンSIMの場合をみていこう。カメレオンSIMは最初の21日間はLTEが使えるが、その後はいずれかのプランでチャージする必要がある。前ページの表にはU300も掲載したが、高速通信対応のルーターを検討している人にとって、300kbps程度の通信速度のU300はそもそも選択肢に入らないだろう。「遅くてもいいから安く済ませたい」という場合は、今回のルーターよりも3Gのルーターを考慮に入れた方がいい。

 そのため選択肢は「Fair 1GB」と「高速定額」になるが、高速定額がかなり高い。一定額のフラットの価格は他社だと月4000円台だからだ。5GBに達すると再チャージが必要なのもドコモのXiと比べると劣る。Xiを使いたいという人は本家のドコモで契約した方がいい。ただし日本通信の場合は解除料がなく、またカメレオンSIMは他のスマートフォンなどにも挿せる。その使い勝手の良さをどう考えるか。またチャージが切れた後の翌月は使わなかった、といったときにはチャージをしなければ1か月分の料金が0円で済む。したがって日本通信の「高速定額」は、通信をバリバリする人よりもライトユーザー向きと考えた方がいい。

 では「Fair 1GB」はどうだろう。120日、およそ4か月で1Gバイトまでしかデータ通信ができないので、もちろんライトユーザーには向いている。ただ通信をバリバリする人でもいろいろな人がいて、「ブラウジングでWebページがサクサク開いてほしい」という人は、動画視聴やファイルの送受信と比べてデータ量を使わないので、試してみるといいかもしれない。幸いなことに2年などの長期契約をする必要はないので、後から「けっこう使う」と気付いたとしても次のチャージをしなければ、それ以上コストが増すことはない。


 以上、見てきたように高速通信は各社が普及を進めている途中で、3Gと比べるとエリアもまばらだ。今後新たなサービスや料金プラン、キャンペーンが始まる可能性もあり、同じルーターを長く使い続けるとも限らない。選択が難しいとは思うが、この4回の比較記事が参考になれば幸いだ。

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