第4回の最後は料金面を比較する。各社料金プランは多数の選択肢があるので、NTTドコモと日本通信は最も一般的と思われるプランを1つずつ、イー・モバイルとUQ WiMAXは2パターン取り上げた。それをまとめたのが以下の表。利用スタイルも考慮して、それぞれのルータを検討していこう。
ドコモ「BF-01B」(新規) | 日本通信「b-mobile月々払いプラン」(24カ月契約) | イー・モバイル「Pocket WiFi」 | イー・モバイル「Pocket WiFi」(にねんS) | UQ WiMAX(UQ Flat 年間パスポート)「U-Road7000」 | UQ WiMAX(二段階のUQ Step)「U-Road7000」 | |
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端末価格(割引なし、本来の価格) | 2万6544円 | 1万9800円 | 3万9580円(ベーシック契約時) | 3万9580円(ベーシック契約時) | 1万9800円 | 1万9800円 |
端末価格(長期契約等で割引ありの場合) | 0円(バリューコース) | 0円(月々払いプラン割適用) | 1円(スーパーライトデータプラン にねんMAX加入) | 9980円(にねんS) | 4800円(UQ Flat年間パスポート時) | 9850円(UQ Step) |
ネット接続(ISP)料 | 月525円(U定額 HIGH-SPEEDプラン) | なし | なし | なし | なし | なし |
月額通信料 | 月1000〜4410円または5985円(定額データプランスタンダード+定額データ スタンダード割適用+2011年4月30日までに新規加入者は1年間月4410円) | 月2980円 | 月2900〜6880円(スーパーライトデータプラン にねんMAX) | 月4580円(データプラン+にねんS) | 月3880円(UQ Flat年間パスポート) | 月380〜4980円(UQ Step) |
2年間のトータルコスト(端末代+ネット接続+通信料) | 3万6600円〜13万7340円 | 7万1520円(割引適用時) | 6万9601円〜16万5121円 | 11万9900円 | 9万7920円 | 1万8970円〜12万9370円 |
長期契約の解除・解約料 | 9975〜2万6880円 | 解約月まで割引、残額を支払う(825円×残月) | 2900〜6万9600円(にねんMAXの場合) | 900〜2万1600円(にねんSの場合) | 5250円 | 契約開始から30日以内の解除のみ2100円 |
その他特典 | 新規のユーザーは1年間U「公衆無線LAN」の月額使用料(月315円)は無料 | − | − | − | − | − |
注意点 | 新規の定額データプラン上限割引、U「公衆無線LAN」の無料キャンペーンの申込期間は2011年4月30日まで | b-mobile Wi-Fi+b-mobileSIM U300のセットの場合(日本通信のサイトで申し込む) | 家電量販店では「にねんM」への契約で端末価格が1円の場合も | イー・モバイル オンラインストアの価格を参考 | 年間パスポートは1年の継続利用が条件。端末価格の割り引きは2011年3月31日までに申し込んだ場合 | − |
※初期手数料とユニバーサルサービス料を除く。 |
上記の表を見ると、日本通信の「b-mobile月々払いプラン」の端末代を含むトータルコスト2年で7万1520円が、他社の上限額と比べると最も安い。これはルーターとSIM(b-mobileSIM U300)とのセットで24カ月使うプラン。通信速度が気になるとはいえ、他社と比べれば、プランによってはほぼ半額。例えば1年で使わなくなったとしても、解除の端末代の残金は約1万円。他社と比べても高いわけではない。
UQ WiMAXも「UQ Flat 年間パスポート」が2年で9万7920円で10万を切る。こちらは通信速度が魅力だ。しかも「年間パスポート」は「1年間」の継続利用。他社は「2年」が多い中、使わないと思ったら1年後に見直せる。契約解除料も(利用期間によるが)他社の最大額と比べて安い5250円となっている。
毎回通信をたっぷり使うなら、これらb-mobileとUQ WiMAXのプランが有利だろう。
なお、日本通信は現在、b-mobileWiFiを90日または180日間無料で利用できる数量限定の「b-mobileWiFi + b-mobileSIM U300 限定Happyパッケージ」を提供している。詳細は同社のWebサイト(外部リンク)を参照。
前述したb-mobileとUQのUQ Flat 年間パスポートは「毎月頻繁に使うわけではない」という人にとっては、毎月常に同じ通信費を払う必要があるのがデメリットだ。筆者も経験があるが、最初は積極的に使っていても、だんだん接続や持ち歩き、充電が面倒になって出張時など、たまにしか使わなくなることもある。それなら2段階で下限額が安い料金プランのほうが安心だ。UQ WiMAXの「UQ Step」なら、トータルコストは2年で1万8970円〜で安い。
ただし安定した通信を求めるのなら、ドコモ製品を使うのが望ましい。ドコモの場合、多少高くなるがそれでも2年で3万6600円〜。ドコモの「BF-01B」は、新規やMNPで購入する場合、端末価格が0円となっていた(筆者が2010年12月に確認した大手家電量販店の場合)。ただし台数は限定とのことなので、近くでそんな店があったらチャンス。逆になければ2万6544円が上乗せされる。さらにドコモの場合、「定額データプラン」のキャンペーンにより、申し込みから1年後は、上限額が通常の5985円から4410円になるのが魅力だ。
イー・モバイルの場合、今回取り上げている組み合わせだと、下限額(月額2900円)が高いが、「にねんS+スーパーライトデータプラン」の組み合わせなら「月900〜4980円」なので、端末価格にもよるがドコモより安くなる可能性はある。
端末代が何万円もするのは痛い。今回は省略するが、各社3000円前後の初期手数料も発生する。だが、表を見ても分かるとおり、本来なら2〜3万円程度する端末価格が、長期契約や新規契約だと、極めて安価になり、場合によっては0円で購入も可能となる。イー・モバイルとUQ WiMAXは、選択肢が広い分、契約する料金プランによって端末価格にも差が出る。特にUQ WiMAXはUQ Flat(年間パスポート)の方がUQ Stepよりも約半額安い。
もうおなじみとなった、データ通信端末+NetbookやPCの組み合わせについては、今回筆者が確認した家電量販店では「イー・モバイル」と「UQ WiMAX」の組み合わせでセット割引が行われていた。イー・モバイルの場合は、指定PCに限ってだが、3万円引きとなっていた。また日本HPのオンラインストア(外部リンク)ではイー・モバイルとの組み合わせで4万円引きだ。ただしNetbookやPCとの組み合わせは、月額の通信料が高いプランとの契約になる。PCのスペックなども見極めて契約したほうがいい。
UQ WiMAXの場合は、PCによって値引き額が違うので、実際に量販店に足を運んだ方がいいだろう。人気またはスペックが高いPCの場合、値引き額は低くなる。
超高性能PCでなくとも、大学生や新社会人が使うには十分そうだ。引っ越しをすることが多い人もいるだろうし、モバイルWi-Fiルーターと組み合わせて買うのも1つの選択肢だ。iPadやiPod touchと組み合わせて売られていることもあるので、ルーターと一緒にWi-Fi対応製品を買う予定があるのなら、検討しておこう。
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