これからのスマホは2画面・折りたたみがスタンダードに? NECカシオの「MEDIAS」説明会コンパクトで大画面を実現(2/2 ページ)

» 2013年02月20日 13時43分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
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 そしてもう1台が、2つのディスプレイが発表直後から高い注目を集めるMEDIAS W N-05Eだ。NECカシオは液晶を山折りにするその独特のデザインに「バックフォールド」形状と名付け、2画面ならではの可能性を「NEXTSTANDARD」として広げたい考え。折りたたんで1画面にすれば片手で操作できるサイズになり、ディスプレイを広げればタブレットのように使える。画面は大きいほうがいいが、持ち運びを考えるとサイズは小さいほうが良い――という現在のスマホの悩みを、折りたたみボディで解消するのが開発の狙い。次世代のスマホは2画面・折りたたみが標準になると、同社は意気込む。

photophoto 「MEDIAS W N-05E」
photo NECカシオの石塚氏

 そのMEDIAS Wを担当した同社商品企画部の石塚由香利氏は、「製品名には『W』=Doubleという意味だけでなく、WIDE(広い)、WONDERFUL(驚きの)という意味も込められている。そして翼(WING)を広げた形状にも見えるが、この新しいスタイルでスマートフォンの可能性を広げたい」と話す。ヒンジにはかつて折りたたみケータイを生み出したNECのノウハウが生かされており、ボディを広げたときにカチッと固定されるクリック音や、すっと閉じる吸い込み感にこだわったという。またボディは金属と樹脂を一体成形したハイブリッド筐体で、デザイン性と強度を確保している。

photophoto 折りたたみ形状で携帯性と大画面を両立させてきた“N”ブランドの端末(写真=左)。将来のスマホは2画面を活用するのが当たり前になるのだろうか(写真=右)
photophoto 独特の形状は「バックフォールド」と名付けられた(写真=左)。専用アプリで2画面を活用できる(写真=右)

 その形状だけでなく、ソフト面でも2つのディスプレイを活用できるよう、工夫が盛り込まれた。サブ液晶で専用ユーティリティを起動すれば2つのアプリを2画面で利用でき、またソフトキーボードを大きく表示してPCのような快適な文字入力が行える。

 ボディサイズと並んでスマホの不満点に挙げられるのが、バッテリーの持ち。特にディスプレイは消費電力が大きい部品だが、それが2つあるMEDIAS Wのバッテリー持ちはどうなっているのだろうか。石塚氏は「ディスプレイが2つあるからバッテリーが速く無くなるということはない。これまで培った省エネ技術を使い、2画面をしっかり使いこなしてもらえるよう、実利用時間を確保した。1画面ならまる2日、2画面でもN-02Eと同等のバッテリー持ちだ」と説明する。発表時点での連続通話時間は、3Gで約500分。連続待受時間は3Gで約630時間、LTEで約460時間と標準的な数値。なおバッテリー容量は2100mAhとなっている。

photophoto 文字入力もPCライクに行える(写真=左)。バッテリー持ちも1画面のスマホと遜色がないという(写真=右)

 さらに2画面を活用するには対応アプリの存在が欠かせない。石塚氏は2画面対応アプリの開発について、「Android Developersで配布しているSDKで開発でき、開発特別なツールは必要ない」としている。とはいえ2画面スタイルの処理に必要な処理もあるため、開発者がある程度知っておくべき情報を今後開示していく方針だ。まずは発売前の3月をめどに、dメニューを提供するドコモの公式コンテンツプロバイダー向けに提供し、発売後にドコモの開発者向けサイトで一般公開する予定となっている。

 説明会にはゲストとしてMetaMojiの代表取締役社長である浮川和宣氏と、スパイシーソフト代表取締役CEOの山田元康氏が出席。現在開発中のAndroid版「Note Anytime」と「マンガ★ゲット」の次期バージョンが、MEDIAS Wでの2画面利用に対応することなどが表明された。

 またNECカシオでは、今回説明したドコモ向けのMEDIAS U N-02E/MEDIAS X N-04E/MEDIAS W N-05Eを、2月25日からスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2013」のNECブースで参考展示する。ブースでは、MEDIAS Wと同系統という2画面スマートフォンのグローバルモデルも初公開される予定だ。

photophoto NECカシオが力を入れるスマホ用アクセサリーの新製品も紹介された
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