タイムシフトからプレイスシフトへ──DLPA、DTCP+のリモートアクセスをアピールスマートフォン視聴は長くても10分程度(1/2 ページ)

» 2013年06月10日 19時40分 公開
[長浜和也,ITmedia]

時間を選ばないテレビから場所も選ばないテレビへ

 デジタルライフ推進協会(以下、DLPA)は、6月10日に、DTCP-IP 1.4(DTCP+)で定めるリモートアクセス機能に関する説明会を行った。DLPA代表理事で、アイ・オー・データ機器代表取締役社長の細野昭雄氏は、DLPAの活動について、これまで取り組んでいた外付けHDD録画データ救済と、AV目的のNAS普及について紹介した。

 外付けHDD録画データの救済では、録画データを保存するHDDが故障した場合に、引き続いて利用できる救済サービスを2012年4月18日から開始したほか、ガイドラインも2013年3月27日に策定している。また、AV利用目的のNASの普及では、「DLPA NAS」と呼ぶ規格のガイドラインとロゴマークの策定について説明し、製品が対応する機能の違いによって3段階のレベルを設定し、それぞれにロゴマークを用意することで、ユーザーに分かりやすくしている。

これまでにDLPAが策定してきた「外付けHDD録画データの救済」と(写真=左)、AV利用目的のNAS「DLPA NAS」ガイドラインとロゴマーク(写真=右)

 今回の説明会でメインテーマとなる「リモートアクセス」は、インターネットを介したDTCP-IPの接続を可能にする規格で、録画したデータをストリーミングで利用できる。この規格を利用することで、DTCP+に対応したスマートフォンで自宅のレコーダに録画した番組を外出中にも視聴できるようになる。

 2013年1月23日にリモートアクセスをDTCP+で利用するためのガイドラインを策定し、それにあわせて、リモートアクセスに対応するNASなどの開発を周辺機器ベンダーが表明した。このとき開発を表明した製品は、5月7日以降に登場し始めており、スマートフォンでも、2013年夏モデルとして富士通が投入した「ARROWS NX F-06E」「ARROWSA SoftBank 202F」、そして、「Disney Mobile on docomo F-07E」が対応した。

DTCP+のリモートアクセスを利用すれば、自宅で録画した地上デジタル放送もスマートフォンで通勤時間に“消費”できる(写真=左)。リモートアクセスに対応したNASのほか、富士通からPCとスマートフォンも登場し、この6月から本格的に利用が進むとDLPAでは考えている(写真=右)

 DLPAの調査によると、録画して放送後に視聴する「タイムシフト視聴」を利用するユーザーの割合は47.1パーセントで、テレビのない場所から利用する「リモートアクセス」に興味のあるユーザーは半数以上に上るという。細野氏は、この結果を示した上で、DTCP+のリモートアクセスに対応したスマートフォンの登場によって、ユーザーの利用も拡大すると予測、タイムシフト視聴に加えてプレイスシフト視聴の環境が整ったことで、2013年がスマート視聴元年になると語った。

ユーザー調査では、録画視聴が半数近く(写真=左)、リモートアクセス視聴に興味を持つユーザーも半数近くとなった(写真=右)

 説明会では、ソニー所属当時に「LocationFree」を開発したエムジェイアイ代表取締役社長の前田悟氏が、“どこでもテレビ”を目指したLocationFreeが登場した2004年と比べて、2013年の現在は環境を含めて、どこでもテレビがやっと当たり前になっただけでなく、タイムシフトからプレイスシフトが可能になったことで、視聴スタイルの多様化にも対応したと、DTCP+への期待を述べた。

 また、富士通ユビキタスビジネス戦略本部 モバイルプロダクト統括部長の林田健氏は、スマートフォンで週に1回以上動画を見るユーザーが約7割もいるというトレンド総研の調査結果を示し、富士通が“手の中”で動画を見る時代に積極的に取り組むと述べた上で、2013年夏モデルのARROWSとFMVの一部モデルでDTCP+のリモートアクセスに対応したプレイヤーアプリ、または、サーバアプリケーションを導入して、自宅に保存している録画データを通勤などの“隙間時間”に視聴できることを訴求した。

富士通は2013年夏モデルのPCとスマートフォンの一部で、リモートアクセス対応プレイヤーとサーバ機能を導入し(写真=左)、スマートフォンからインターネットを介した録画コンテンツ利用を可能にした(写真=右)

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