FDD-LTEはどうなる? ──主要3キャリアが争う中国TD-LTE(後編)山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2014年05月21日 19時20分 公開
[山根康宏,ITmedia]

中国聯通もスマートフォンで巻き返し

 中国移動が大々的に4G LTEをアピールする中、シェア2位の中国聯通(China Unicom)と3位の中国電信(China Telecom)も相次いでTD-LTE方式による4G LTEサービスを開始した。中国電信は2月14日、中国聯通は3月18日からサービスインとなり、これで中国は3事業者すべてがTD-LTEを提供する「4G LTE時代」に本格的に突入したことになる。

 だが、各社の戦略を見ると、国策によるTD-LTE普及という使命も帯びている中国移動に対し、中国聯通、中国電信の動きはまだ「様子見」といった感が強い。この2社は、4G LTEの本命をまだ免許交付を行っていないFDD-LTE方式と考えていることから、TD-LTE方式の導入と拡大については中国移動の動きを見ながら追従していくのだろう。

中国聯通は3月18日に4G LTEサービスを開始(写真=左)。中国電信も「4G」を大きくアピール。こちらもまずはTD-LTE方式でのサービスインだ(写真=右)

 とはいえ、中国聯通は中国移動の4G LTEサービスに対抗する姿勢を見せている。まず、スマートフォンの料金プランを中国移動の4G LTEより1割程度安く抑え、3Gとのプラン両立化により「高速回線が常時利用可能」な点をアピールする。

 加えて、契約時に120元(約2000元)を追加で払うと、毎月30元を12カ月間基本料金に返金するキャッシュバックシステムも取り入れた。120元を払うだけで360元が戻ってくるわけで、合計240元がまるまる得になる計算だ。支払いに余裕のあるユーザーには、契約時に240元を支払うと60元×12カ月=720元のキャッシュバックになるプランも用意している。

 このような基本料金への返金は、プリペイド契約が一般的な中国ではすでに提供していたが、4G LTEサービスではそのキャッシュバック金額をこれまでより増額している。

 料金プランでは、3Gサービスにおいて通話メイン、スマートフォンでデータと通話メインなど、利用実態に合わせて「Aプラン」「Bプラン」「Cプラン」と3種類の基本料金体系を提供していた。4G LTEサービスではこれを一本化し、スマートフォンの利用に特化したプランとしている。さらに、データ料金は超過分を「1Gバイトあたり60元」とし、スライド式に1Gバイトごとに追加で課金する。課金上限も1カ月あたり600元、40Gバイトとし、その時点で当月のデータ通信は停止(翌月に自動再開)する。これは、データ通信の使い過ぎによる課金の青天井化を防いでいる。

中国聯通の営業所では料金の安さをアピール(写真=左)。スマートフォンに最適な料金プランに一本化している(写真=右)

 中国聯通も4G LTE対応の端末は人気のモデルを中心にそろえている。サムスン電子のGALAXY S5、GALAXY S4、GALAXY Note 3、HTC One Max、Xperia Z1などハイエンドモデルが中心だが、いずれも中国で人気だ。GALAXY S4は、3G版も販売しているが、4G LTE版でも価格を同程度とすることで4G LTEへの移行を促している。サービスが始まってからまだ1カ月ということで、製品のラインアップは少ないが、今後は中国メーカー品を中心に数を増やしていくだろう。

 中国聯通の4G LTEに対応する1000元スマートフォンはまだ出てきてはいないものの、中国メーカー各社がすでに中国聯通向けのTD-LTE/W-CDMA対応モデルを開発中だ。5月には低価格な製品も出そろっているはずだ。4G LTEの契約獲得に低価格なスマートフォンは必須なので、この価格帯では製品の数も増えるだろう。

 ただし、その一方で、中国聯通が取り扱うiPhone 5sとiPhone 5cは、同社のTD-LTEで利用できない。そのため、中国移動と同様にiPhone対応を大きく訴求できないのが営業面での足かせとなってしまっている。

GALAXY S5は、中国聯通4G LTEサービスの最注目製品だ(写真=左)。4G LTE対応モデルのラインアップは中国移動と比べてまだまだ少ない(写真=右)

iPhone 5sとiPhone 5cは店頭に並ぶも、中国聯通のTD-LTE回線は利用できない(写真=左)。Appleの情報を見ても、中国移動版のiPhoneだけが中国で4G LTEを利用できる(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  7. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
  10. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年