爆速で中止が決まったヤフーのイー・アクセス買収騒動――今後、ソフトバンクとイー・アクセスの一体化が実現するか?石川温のスマホ業界新聞(2/2 ページ)

» 2014年05月30日 12時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」
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 井上雅博前社長時代のヤフーは「中立」がモットーであり、モバイルビジネスもNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクと中立に接する考えを持っていた。

 しかし、2012年に宮坂学社長となったことで、ソフトバンクモバイルと近づき、さらに4つめのキャリアを作ろうと画策したことを考えれば、もはやヤフーはNTTドコモやKDDIと距離を置くという明確な意思表示をしたともとれる。

 ならば、ヤフーは、もうソフトバンクモバイルと一体化したほうがいいのではないか。

 3つめのキャリアの下で、4つめのキャリアとして差別化しようとするからうまくいかないのだ。ならば、3つめと4つめが一緒になってしまえばいいだけのことだ。

 宮坂社長が、Y!Mobile発表会の囲みで話していた「僕たちは日本でしか事業が出来ないという制約がありますので、常に日本のなかで、ありとあらゆる事業をやる」というコメントが印象的であった。

 LINEなど日本で成功したインターネット会社が世界へ飛び出すなか、ヤフーはアメリカのヤフーとの兼ね合いがあるようで、あくまで「ヤフージャパン」として、日本国内でしか事業を展開できないという制約がある。

 それであれば、いっそのこと、宮坂社長がソフトバンクモバイルの社長にもなり、Y!Mobileブランドを大々的に展開すればいいのではないか。そうなれば、孫社長もアメリカの事業に集中できるようになるはずだ。

 日本のソフトバンクモバイルユーザーにとってみれば、端末ラインナップが増え、サービスも強化された方が、楽しいモバイルインターネット生活を送れるようになる。

 いまの日本でやる気を失った孫社長体制では、ソフトバンクモバイルユーザーがかわいそうすぎる。この状況を打破するには「宮坂学ソフトバンクモバイル社長」の誕生がもっと最適な答えのような気がしてならない。

 SprintがT-Mobile USを買収できたら、孫社長もアメリカに集中したくなるだろう。そうすれば、こんなサプライズ人事も実現するかも知れない。

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