NTTドコモが10月3日に発表した「おサイフケータイ ジャケット01」は、iPhoneシリーズでおサイフケータイを利用するためのデバイスだ。10月7日に開幕した「CEATEC JAPAN 2014」のドコモブースに実機が展示されていたので、気になる点をいくつか確認してきた。
非接触ICカードを収納できるスマートフォンケースを使えば今でもiPhoneをおサイフケータイ仕様にできるが、利用できるサービスはカード1枚につき1つ。またスマホから利用履歴や電子マネーの残高確認、チャージなども行えない。フィーチャーフォンやAndroidスマートフォンと同じように、端末内のアプリを介しておサイフケータイサービスを使おうというのがおサイフケータイ ジャケット01の狙いだ。
対応機種は、iOS 7.1以上を搭載するiPhone 6/6 Plus、iPhone 5s/5c、iPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデルで、ドコモ以外のiOS端末でも利用できる。使い始めるには、まずiPhone(親機)に専用アプリ「おサイフリンク」をインストールし、Bluetooth通信でジャケットとペアリング。さらに利用するおサイフケータイサービスを登録し、プリペイド式の電子マネーであれば金額をチャージする。
その後は親機と離れていても使えるため、iPhoneと別々に使うこともできるそうだ。“ジャケット”という名称に加えて「iPhone5s」と「iPhone 6」向けの一体化ケースも発売するなど、iPhoneと常にセットじゃないと使えない印象を受けたが、設定時のみBluetooth圏内にあれば良いとのこと。複数のおサイフケータイが利用できる専用デバイスとして単独で持ち歩くのも良さそうだ。
決済するための情報などは全てジャケット側に書き込まれているので、親機を機種変更してもアプリをインストールし直してもう1度ペアリングするだけで継続利用できる。なお、決済時に親機と通信して認証する仕組みではないことから、ジャケットを紛失したり盗難に遭った場合は「サービスごとに利用停止の連絡が必要」(担当者)になるという。この点はプラスチックのカードと同様のセキュリティと言えそうだ。
本体に容量150mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、連続動作時間は約2.5カ月。充電は側面のmicro USB端子で行ない、3段階(3色)に点灯するLEDでバッテリー残量を確認できる。発売は10月下旬の予定で、実売想定価格は5000円前後だという。
現在発表されている対応サービスは、ジャケットの発売時点で全日本空輸(ANA)の「スキップサービス」とヨドバシカメラの「ゴールドポイントカード」。ドコモの「iD」には12月に対応する。また「QUICPay」(ジェーシービー)は年度内に対応する予定で、時期未定ながら「楽天Edy」(楽天Edy)と「ローソンモバイルPonta」(ローソン)の対応も予定している。
気になる「モバイルSuica」への対応については「まったくの未定」(担当者)とのこと。ただ来場者からの要望も多いそうで、1日も早く対応してほしいところだ。
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