NTTレゾナントは4月22日、都内で事業戦略説明会を開催した。説明会では、同日に発表、予約受付を開始した「gooのスマホ」も披露した。
NTTレゾナント 代表取締役社長 若井昌宏氏は、同社の2014年度の事業の振り返り、2015年度の事業戦略を説明。「2014年度の取り組みを踏まえ、2015年度も『スマホを中心とした“おもてなし”』をさらに拡充していく」(若井氏)とし、サービス、技術・プラットフォーム、開発プロセス支援の3点に注力することを表明した。
まず、サービス面では、「教えて!goo」におけるスマートフォン向けアプリの提供をはじめとする強化、「goo防災アプリ」の機能向上、訪日外国人向け観光サービスの実証実験における、レコメンド機能の強化に取り組む方針を示した。
次に、サービスの基盤となる技術・プラットフォーム面では、地図プラットフォームの高度化(NTTと共同開発)と、サービスや広告のレコメンド機能の強化に取り組むことを表明した。
そして、開発プロセス支援においては、「社会インフラ化するスマホにおいて、アプリがユーザーにとって完全なかたち(品質)になっていない。これは企業にとっても不利益なことである」(同氏)として、同社の持つ知見を生かしたアプリ・サービスの開発支援を拡充する方針を示した。
「スマホを使いこなすには、まだまだ多くの課題があると認識している。その声に応えるために、端末、SIM、アプリ、アフターサポートをワンストップで提供する」(若井氏)ソリューションとして登場したのが、「gooのスマホ」だ。
同製品の詳細は、NTTレゾナント ポータルサービス部門長 鈴木基久氏と、ZTE アジア太平洋ロシア統括本部 総経理 張樹民氏が説明した。
鈴木氏は、「私たちが提供するサービスから得られた多くの知見から、まだ(スマホ市場には)多くの困惑があり、ぬぐい切れていない(ことが分かる)」と指摘。Webサービスにすらたどり着けないユーザーが少なくない現状を踏まえ、「『全ての人々の手のひらにポータルを、Webにつながる扉を』をかけ声に、スマートフォン、通信用SIMカード、アプリケーション、ヒューマンサポートを『四位一体』で提供する」(鈴木氏)と、gooのスマホの投入の意図を説明した。
投入する機種は、いずれもZTE製の「g01(グーマルイチ)」「g02(グーマルニ)」「g03(グーマルサン)」。端末単体での販売はなく、NTTレゾナントが運営するオンラインショッピングサイト「goo Simseller」3店舗でNTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」とセット販売される。後述のとおり、いずれの機種もベースとなる海外モデルがあるが、ソフト面でのカスタマイズが施されている。
最廉価モデルのg01は、「ZTE Blade L3」をベースとした3G/2Gスマホで、価格は1万円(税別、以下同)。LTE全盛の時代にあえて3G端末を投入するのは、「goo Simsellerでの(SIMロックフリースマホの)販売実績から、3G回線専用端末も一定の需要がある」(同氏)ことを踏まえてのこと。専用ホームアプリ「goo やさしいスマホ」を利用することで、「フィーチャーフォンからの乗り換えにちゅうちょしているユーザー」(同氏)にも配慮している。ただし、このホームアプリの提供は6月上旬の予定で、6月末以前の出荷分に関しては別途インストールする必要がある。
ミドルレンジモデルのg02は、「ZTE Blade S Lite」をベースとしたLTE/3G/2Gスマホで、価格は2万円。goo Simsellerでのベストセラーモデル「ZTE Blade Vec 4G」の薄さ・軽さを継承しつつ、「ユーザーからの要望が多かった」(同氏)というmicroSDカードスロットを搭載し、カメラとバッテリー性能を向上させた。
ハイエンドモデルのg03は、「ZTE Blade S」をベースにしたLTE/3G/2Gスマホで、価格は3万円。「goo Simsellerでの販売実績で、昨年末から4万円台のハイスペック端末が売れ行きが良くなっている」(同氏)ことを踏まえて投入したモデルで、兄弟機であるg02と比較してCPU、メインメモリ、ストレージ、無線LAN(Wi-Fi)、メインカメラ、音楽まわりを中心に機能強化が図られている。各種センサーを使ったジェスチャー操作、カメラを利用した網膜認証(後日アップデートで提供)も、g03の独自機能となっている。
いずれの端末も、端末購入時に「グーの端末保証」または「グーの端末保証&安心サポート」に加入することができる。端末保証は、購入後36カ月間に渡り、故障、破損、落下、水ぬれ時に3000円(2回目以降は5000円)の負担金で新品の同機種または同等機種と交換できるサービス。端末保証&安心サポートはそれに加えて電話のサポートを受け付けるサービス。いずれも端末によって異なる月額料金がかかる。なお、これらのサービスは、ZTEの日本代理店であるeiYAAA(エイヤー)が提供する。
NTTレゾナントは、gooのスマホを手始めに、「ポータル」(玄関)から「パームトップ」(手のひら)にサービスの軸足を移していく姿勢を明らかにした。よりスマホで使いやすいサービスの拡充、そしてgooのスマホの今後の展開に期待したい。
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