UQ、WiMAX 2+の制限を緩和/SIMフリールーター「MR04LN」は海外SIMでLTE接続可能ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(1/2 ページ)

» 2015年08月13日 20時52分 公開
[島田純ITmedia]

WiMAX 2+の制限速度が6Mbps程度に 広告表現も見直し

 UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+およびauの4G LTEの通信量が「3日間で3Gバイト」を超えた場合に適用する速度制限を緩和した。また“月間データ量無制限”などの広告表現が利用者に対して誤解を招いたとして、改善することを発表した。

photo UQがWiMAX 2+の広告表現の見直しや、速度制限の緩和を発表

 この通信速度制限は、WiMAX 2+のサービス開始時からうたわれていたものであったが、運用開始後に「お客様から広告表現等について数多くのご意見ご要望をいただいた」(UQ)として、“データ通信量無制限”などとする広告表現を「分かりやすく誤解のない内容」へ改善し、通信速度制限に関しては「3日間で3Gバイト」のしきい値をより利便性の高い運用方法に変更すると発表した。

 また新しい運用方法への移行準備が整うまでの措置として、3日間で3Gバイトを超えた場合の通信速度を7月中旬より増速している。数値は非公開だが、実際に通信速度を計測してみると、従来は1Mbps程度だった通信速度が6Mbps程度まで緩和されていることが確認できた。

 従来の制限時では、テキスト中心のWebサイトを表示する場合でも速度の遅さからストレスを感じることがあったが、制限時の通信速度が高速化された現在は、PCで複数のWebサイトを同時に閲覧しても大きなストレスを感じることはなくなった。

 当然ながら大容量ファイルをダウンロードしたり、大量のデータをクラウドと送受信する場合、速度制限がかけられていない状態と比べて通信に必要な時間は長くなる。それでも大きなストレスなく通信が利用可能となったことは、速度制限の対象となるユーザーとしては嬉しい条件緩和といえる。

 一方で、速度制限の対象となっても極端に通信速度を絞ることがなければ、サービス全体の通信速度が低下するリスクも含んでいる。インフラに十分な余裕がない状態で制限時の速度を緩和することは、それ以外のユーザーを巻き添えにした品質の低下を招く可能性もある。

 制限速度の引き上げや、制限対象となる条件の緩和は一見すると歓迎すべきことのように見えるが、サービス全体の品質が低下してしまっては意味がなく、制限の緩和は通信インフラの強化などとセットで行われるべきとも言える。

 なおUQコミュニケーションズは、速度制限時の具体的な通信速度を非公開としている上、速度制限については今後の混雑状況などによって変更になる場合もあるので注意したい。

WiMAX 2+のCA対応エリアが拡大

 UQコミュニケーションズが、WiMAX 2+のキャリアアグリゲーション(CA)による下り最大220Mbps対応エリアの拡大予定を更新。9月上旬から、東京都でもCAでのWiMAX 2+サービスを開始すると発表した。

 都道府県単位でCAに対応していなかった東京都に加え、移行が遅れていた大阪・名古屋など主要都市の中心部でも同様にCA対応を実施。CAによる下り最大220Mbpsの全国エリア化を、9月末までに完成させる予定だという。

 WiMAX 2+のCA対応エリアでは、初代のWiMAXサービスで使っている周波数帯域が削られるため(下り最大速度が40Mbpsから13.3Mbpsになる)、現時点でWiMAXのトラフィックが多いエリア(主に都市部)ではそうでないエリアと比べて移行が遅くなる。そのため、東京都を含む中心部についてはWiMAX 2+のCA対応に時間がかかっていた。

「Aterm MR04LN」は海外SIMでもLTE接続OK

 NECプラットフォームズが7月16日に発売した「Aterm MR04LN」(以下、MR04LN)が、海外SIMでもLTEに接続が可能であることが確認できた。

photo MR04LNを台湾の「中華電信」のSIMカードで4G LTE接続に成功

 MR04LNはSIMロックフリーであり、また端末の仕様上はLTEに対応しているため、海外SIMでのLTE利用は別段特別なことではないようにも思える。しかし、前モデルである「Aterm MR03LN」は、最新ファームウェアにアップデートすると海外のSIMカードでLTEにつながらない仕様になっていたため、「海外でLTEにつながる」というのは、同社製のモバイルWi-Fiルーターのユーザにとってはやや大げさに言えば「悲願」とでもあった。

 MR04LNはデュアルSIMに対応しているため、片方のSIMスロットに日本国内用のSIMカードを、もう片方のSIMスロットに海外の渡航先のSIMカードを入れて使うという使い方もできる。SIMカードを切り替えるには端末の再起動が必要なため「通信するSIMを瞬時に切り替える」ということはできないが、国内用と海外用の2枚のSIMカードを入れっぱなしで済むのは実用的だ。

 なお、NECプラットフォームズではMR04LNにて接続を確認した事業者として、国内外の約20の通信事業者をリストアップしている。

photo NECプラットフォームズが公開している接続確認済みの通信事業者

 MR04LNの「SIMロックフリーでデュアルSIM、海外SIMでLTE接続OK」という仕様は、夏休みの旅行で海外へ出かける方には心強い仕様と言えるだろう。

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