「格安SIM」はSIMカード単体での契約ができますよね。大手キャリア(MNO)ではSIMカード単体での契約はできないのでしょうか。
できます。ただし、条件があります。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
最近、SIMロックフリーの「格安スマートフォン」がよく話題に上がります。その多くは、MVNO(仮想移動体通信事業者)の「格安SIM」で使うことを前提としていますが、MNOと直接契約したSIMカードも、対応周波数帯が合致すれば、理屈上は使えます。また、MNO用の接続設定をプリセットした端末も存在します。
MNOには、MVNOにはない「かけ放題プラン」がありますし、データ通信もMVNOより安定して使える傾向にあります。なので、「MNOと直接契約した回線で、格安スマホを使いたい!」という声も案外よく聞きます。今回の質問者は、まさしくこのような要望を持っています。
結論から言うと、各MNOともに、SIMカード単体での契約は可能です。ただし、条件があります。以下に、詳しく記します。
日本国内で使う携帯電話は、総務省令に定める「特定無線設備の技術基準適合証明等(技適など)」を取得する必要があります(※1)。技適などを取得した証が「技適マーク」と認証番号で、端末に印刷または電磁的表示(※2)で掲示されています。要するに、技適マークと認証番号がない端末を日本国内で使うと、法律(電波法)違反(※1)なのです。
※1 海外から持ち込まれた携帯電話で、総務省が定める海外機関の認証を通過したものは、海外からのローミングであれば日本の技適などを取得していなくても例外的に使える
※2 技適マークと認証番号を画面上に画像として表示する方法で、2010年から認められている
知らず知らずのうちに契約者が違法行為をしてしまうリスクを避けるため、ドコモ・au(KDDIと沖縄セルラー電話)・ソフトバンクではSIMカード単体での契約時に、利用する端末の技適マークと認証番号を必ず確認します。利用を希望する端末を、忘れずに持参しましょう。
Y!mobileでは、SIM単体の契約にあたり、端末の確認は必須ではありませんが、技適などを取得していない端末では法的に使えません。
NTTドコモでは、SIMカード単体の新規契約をドコモショップで受け付けています。
SIMカードのサイズは通常、micro、nanoの3種類で、ドコモ純正端末と同じ音声用・データ通信プランを契約できます。FOMA(3G)契約であれば、旧プランを選択することもできます。定期契約割引は、選んだプランに応じたものを適用できます。ネット接続サービスは、「mopera U」「spモード」または他社ISP(※3)を選択できます。「月々サポート」は付きません。
※3 FOMA契約ではFOMA対応の、Xi契約ではXi対応のISPに接続可能
手続きに必要なものは、使おうとする端末、本人確認書類、支払方法の登録に必要なものです。事務手数料は3000円となります。
auでは、SIMカード単体の契約をauショップで受け付けています。
SIMカードのサイズはmicro、nanoの2種類で、au純正の4G LTEスマホと同じプランを契約できます。契約は、VoLTE非対応とVoLTE対応のいずれかを選択する必要があります(基本料金は変わりません)。定期契約割引は、「誰でも割」か「スマイルハート割引」への加入が必須です。ネット接続サービスは、「LTE NET for DATA」のみ対応します。「毎月割」は付きません。
手続きに必要なものは、使おうとする端末、本人確認書類、支払方法の登録に必要なものです。事務手数料は3000円です。
ソフトバンクでは、SIMカード単体の新規契約をソフトバンクショップで受け付けています。
SIMカードのサイズは通常、micro、nanoの3種類で、プリペイドの「シンプルスタイル」を含め、ソフトバンク純正端末と同じプランを契約できます。定期契約割引は、定期契約割引は、選んだプランに応じたものを適用できます。ネット接続はネット接続サービスは、「アクセスインターネットプラス」のみ対応します。「月月割」は付きません。
手続きに必要なものは、使おうとする端末、本人確認書類、支払方法の登録に必要なものです。事務手数料は3000円です。
Y!mobileでは、SIMカード単体の新規契約をY!mobileショップとY!mobileオンラインストアで受け付けています。
SIMカードのサイズはmicro、nanoの2種類で、「スマホプラン」「シェアプラン」を契約できます。定期契約割引が適用されない「スマホベーシックプラン」は、Y!mobileショップでのみ契約できます。ネット接続サービスは基本プラン内に含まれています。
手続きに必要なものは、本人確認書類、支払方法の登録に必要なものです。事務手数料は3000円です。ただし、シェアプランで親回線(スマホプランまたはスマホベーシックプラン)と子回線を同時契約する場合、子回線分の事務手数料は免除されます。
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