UQ mobileがまたも本家超え、mineoは厳しい結果に――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線10月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

» 2015年11月02日 12時00分 公開
[小林誠ITmedia]

 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は10月編のドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOだ。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

「通信速度定点観測」バックナンバー

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下のau回線を使った3サービス。

  • UQ mobile
  • mineo(Aプラン)
  • au(LTE NET)

 いずれも下り最大150MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。このうちauのLTE NETはMVNOではなく、auのスマホに通常提供されているインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。またUQ mobileの事業を行っていた「KDDIバリューイネイブラー」が、10月からUQコミュニケーションズに吸収合併されている。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:URBANO L03
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時30分〜)、夕方(18時00分〜)の3時間帯
  • 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都港区のアイティメディア社内(午後のみ)
  • 計測回数:時間帯・場所ごとに1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 なお通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。

 9月まではドコモ回線の測定後にau回線の測定を行っていたが、今回からドコモ回線と同時にau回線も測定を行っている(ドコモMVNO2台+auMVNO1台の3台同時測定)。そのため下記の各測定時刻が9月より早まっている。ドコモ回線との比較もよりしやすくなったと思う。

 そうはいっても本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

 またau回線の測定は1台のURBANO L03を使って順番に行ったため、測定時刻は分単位では異なる。今回からドコモのMVNOを含めた3台同時の測定になり、やや各SIMの測定間隔が広がっている。全てのサービスを同時に測定したわけではないこともご理解いただきたい。

10月の平日午前は「UQ mobile」が最速70.52Mbps! 3サービスとも絶好調

 今回の測定は10月22日(木)にJR横浜駅西口前、10月26日(月)に東京港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中(9時00分〜9時15分)の測定結果をお伝えする。

photo

 9月までよりも測定時刻が30分ほど繰り上がったわけだが、それでも傾向は変わらない。最速は先月と同じくUQ mobileで、下り平均70Mbpsを超えた。

 続く2サービスは、au本家のLTE NETが65Mbps超え、ほんのわずかな差でmineoが64.9Mbps。9月のmineoは下り38Mbpsなので、大幅に良くなっている。ドコモ回線のMVNOも午前中は通信速度が速いものの、au回線のMVNOにはかなわない。

 上りの通信速度はそれほどでもなく、最大で上り平均7Mbps台だが、よほど大きなファイルをアップロードしない限り、スムーズに使えるはずだ。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 9:08 70.52 7.26
mineo(Aプラン) 9:15 64.9 5.35
au(LTE NET) 9:00 65.93 6.42

10月の平日午後は再びUQ mobileがトップだが、mineoに異変

 続いて横浜駅での午後(12時37分〜12時53分)の測定結果を見ていこう。混雑時間帯に突入し、ネットワークのトラフィックも増えるはず。また、9月まではドコモ回線の測定後である13時過ぎに計測しており、ランチタイムを外していた。これが有利になっていたのでは? と思っていたのだが……。

photo

 結果はUQ mobileが2連勝。しかも午前中より速い下り平均78.75Mbpsだ。80Mbpsも目前だ。わずかな差で追うのがau本家のLTE NETだった。

 ……が、グラフを見れば一目瞭然。混雑時間の影響をモロに受けているのがmineo。何と下り平均0Mbps台になり、ドコモのMVNOと比べても厳しい速度に。KDDIグループであるUQ mobile、本家であるau(LTE NET)との差があまりにも大きい。

 ただしmineoはドコモプランが始まり、同時にauプランも含めてキャンペーンを行っている。これでユーザー数が増えていることも考えられる。果たして11月以降どう変化するか。

JR横浜駅西口での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 12:53 78.75 6.25
mineo(Aプラン) 12:43 0.53 4.6
au(LTE NET) 12:37 74.71 4.92

10月の平日夕方はau(LTE NET)が本家の貫禄を見せる

 ドコモ回線のMVNOでは、昼(午後)よりも下りの測定値が若干改善した横浜駅夕方(18時3分〜18時16分)の測定。昼よりもネットワークは混雑しているはずだが……。

photo

 ここでau(LTE NET)が下り平均60Mbps超え。午前、午後の測定値よりも落ちてはいるが、本家は高速で安定している。続くUQ mobileはさすがに影響があったようで、下り平均45Mbps。もっとも混雑時でもこの通信速度なのだから、何の問題もなさそうだ。

 引き続き厳しい結果となったのがmineo。30分ほど遅く測定していた9月は6Mbpsだったが、10月は下り平均1Mbps。ランチタイムよりは改善したものの、この中では遅い。

JR横浜駅西口での測定結果(夕方)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 18:09 45.48 4.07
mineo(Aプラン) 18:16 1 3.29
au(LTE NET) 18:03 60.54 5.19

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