2015年のクリスマスに発売された「デジモノステーション 2016年2月号」(エムオン・エンタテインメント刊)を入手した筆者。その特別付録である「コラボSIM」こと「0 SIM by So-net」(以下、0 SIM)の開通手続きをしたところ、将来的にSMS対応プランや音声通話対応プランを含めて、単体で登場する可能性を確認できました。
繰り返しですが、0 SIMの最大の特徴は、月間500MB未満のデータ通信を月額料金0円(無料)で使えることです。500MBを超過すると以下の表の通りに課金されますが、5GBまで高速通信ができて、上限は1600円という価格設定は、決して高いものではありません。
通信容量 | 料金 |
---|---|
0〜500MB未満 | 0円(課金なし) |
500〜1899MB | 100〜1400円(100MBごとに100円を課金) |
1900〜2047MB | 1500円 |
2048〜5120MB | 1600円 |
※月額料金にはユニバーサルサービス料を含む ※月内の通信量が5120MB(5GB)を超過した場合は、通信速度を上下200kbpsに制限(有料の解除オプションあり) |
とはいうものの、「毎月無料で使われる可能性があるから、通信速度を絞っているんじゃないか?」という疑念がどうしても頭をよぎってしまいます。そこで、通常の「So-net モバイル LTE」(以下、モバイルLTE)のSIMカードと通信速度を比べてみることにしました。
今回、速度比較に使ったのは、メインメモリ4GB・ストレージ32GB構成の「ZenFone 2」です。ZenFone 2は、SIMカードのホットプラグ(電源を入れたままの入れ替え)に対応しているので、SIMカードの抜き挿しが多い人には非常に便利なスマホといえます。
ZenFone 2には、モバイルLTEのAPN(※)がプリセットされています。SIMカードを挿入してしばらく待てばモバイル(パケット)通信が成立して「4G」または「H」マークが出るようになるはずです。0 SIMも、モバイルLTEとAPN設定が同一ですから、SIMカードを入れればすぐに使えるようになります。自動的に選択されない(4G・Hマークが出ない)場合は、手動で「So-net LTE」のAPNを選択しましょう。方法はSo-netのサポートページに書いてあります。
※Access Point Name:パケット通信のアクセス先を特定するための情報
万が一、モバイルLTEのAPNがプリセットされていない場合は、以下の設定情報を登録すればOKです。
So-net モバイル LTE/0 SIMのAPN設定
接続準備が完了したら、とりあえず通信速度を比べてみます。時間の都合から、今回はアイティメディアの本社(東京都港区)の1カ所でのみ計測します。利用するアプリは、「RBB TODAY SPEED TEST」で、モバイルLTEと0 SIMで3回ずつ計測しています。
まず、1月7日の16時ごろに計測した結果を見てみましょう。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|
下り | 18.06Mbps | 35.64Mbps | 31.91Mbps | 28.54Mbps |
上り | 9.24Mbps | 9.46Mbps | 6.88Mbps | 8.53Mbps |
1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|
下り | 22.99Mbps | 24.64Mbps | 20.71Mbps | 22.78Mbps |
上り | 8.55Mbps | 7.92Mbps | 6.06Mbps | 7.51Mbps |
0 SIMの方がちょっと遅いけれど、誤差の範囲内ともいえなくもない結果になりました。どちらも十分快適な速度が出ています。
念のため、翌日(1月8日)の15時ごろ、もう一度計測してみました。結果を見てみましょう。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|
下り | 22.23Mbps | 24.53Mbps | 26.17Mbps | 24.31Mbps |
上り | 7.01Mbps | 11.57Mbps | 6.5Mbps | 8.36Mbps |
1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|
下り | 13.2Mbps | 31.83Mbps | 19.24Mbps | 21.42Mbps |
上り | 9.52Mbps | 8.22Mbps | 3.9Mbps | 7.21Mbps |
結果は同様でした。0 SIMは、他の「モバイルLTE」より意図的に通信速度を遅くしているということはなく、十分実用的な速度で使えます。
付録にとどまらず、0 SIMが一般販売されれば、多くの人にとって“福音”となるかもしれませんね。
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