「関西からドコモを変える」――永田支社長に聞く、ドコモ関西の防災対策とウチスマの挑戦(2/2 ページ)

» 2016年02月05日 06時00分 公開
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関西発のウチスマの取り組み――「関西からドコモが変わる」

―― ドコモショップでのトータル提案「ウチスマ」を始められたのはどのような考え方からでしょうか。ドコモショップの運営はかなりしっかりしたマニュアルとレギュレーションが決まっている中で、今回はドコモ関西発という点がユニークだと思いました。

永田氏 ドコモ関西では2年前から、「世の中で言われている“無理付け”はやめましょう」と言っています。当初はお客さまに簡単なアンケートを取って、ご興味のあるものからライフスタイルをストーリー立ててご提案していました。

NTTドコモ関西支社 ウチスマ運用店舗の第一号となるドコモショップ枚方市駅前ビオルネ店

―― いくらドコモ直営サービスだといっても、一方的な「レ点営業(契約時の項目にレ点チェックを入れて契約させる営業方法)」みたいなことはやめよう、と。

永田氏 ショップはかなり苦しかったと思います。その後「ドコモ光」や新料金プランが始まったのですが、ドコモ光に加入してもどう使ったらいいかが見えない。ショップスタッフはモバイルには詳しいですが、光とテレビの関係性すら分からなかったんです。社員も同じでした。

 ですから最初は、ネットワークの部隊がドコモ関西の地下1階に光などのサービスを理解するための模擬的な部屋を作り、イベント会場やショップのイベントに持ちだして、自分たちでサービスの紹介をやっていました。それをもっとショップの普段の営業の中でもやっていきたいというのが今回の「ウチスマ」です。ドコモショップにショールームを作りましょうという考えではありません。

―― 以前ドコモで運営されていた「スマートフォンラウンジ」とは違うということですか。

永田氏 全く違います。「どんな場所を作ればお客さまにサービスを理解してもらえ、早く話に入っていただけるか」「光とタブレットを体感してもらい、できれば契約してしていただきたい」というための場所なので、実際の接客で使えないならやめてしまえばいい。

 とはいえ、始めた以上はやめる気はありません。成功するように試行錯誤して、使える形に変えていきます。ですからウチスマのフロア数をいっぺんに増やすということはしません。店舗の立地によって求められる内容も変わるはずですし、関心があるものも違う。何店舗かで導入しながら、まずは普段の営業でどう使えるか、これからドコモショップでどうなるか、実地で試していきます。

―― ドコモショップが今後どうなるかは大きな課題ですよね。

永田氏 頭で考えられることを、具体的にやってみようと。今は家庭のリビングルームをイメージしながら、利用シーンを提案しています。次のフェーズは、何も分からないおばあさんがやってきて、「じゃあこれとこれが欲しい」と言われたら、1つのパッケージとして売れるようにする。まずはドコモショップと連携しながら、できることに1つずつ挑戦していきます。

NTTドコモ関西支社 ウチスマでは、他社製品と組み合わせた便利な使い方も提案する

―― 単純にドコモにあるサービスを広げて売るだけじゃないと。

永田氏 その先の可能性の場所を作りたいですよね。だから「+d(プラスディー)」で誰かと組む時にも、本当に全国のショップで提案営業ができる場所があったとしたら、すごく魅力的に映ると思います。

―― 逆にショップ側からこういうサービスがあると売りやすくなるというフィードバックもありますか。

永田氏 ルールは支社で決めている部分もありますが、ショップの人達がどういう運用をしていくか、これから意見も出てくると思いますね。ドコモ関西として先行的に導入しているので、そこでノウハウをためていきます。

―― ドコモ関西発のトライアルになっているわけですね。そういえば、ドコモショップの来客予約システムも、ドコモ関西発の試みで、その後全国に広がりました。

永田氏 関西に来た時にも思ったのですが、市場がちょうどいいサイズなんですよ。小さすぎると実証実験の効果測定ができないですし、大きすぎると全体の仕切りが大変なうえ初期投資も相当かかります。関西でトライするのはネットワークも同じで、新しい試みがあったら「なんで関西で(真っ先に)やらないんだ!」というくらいにしていきたいです。

 こちらに来て私がずっと言っているのは、「関西からドコモは変わる、ドコモを変える」。自分たちが変われば、うまくいったモデルだけがコピーされ、ドコモ全体を変えることができる。ウチスマは自分たちから変えていく最新の取り組みといえます。

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