アウトカメラは6sと同等の1200万画素カメラを搭載。4K動画撮影とLivePhotosにも対応する。6s/6と異なり、背面からのカメラの出っ張りもない。
これは、iPhone SEの厚さが7.6ミリで、6sの7.1ミリよりも分厚いことが影響している。画質については5sの800万画素でも十分高画質だったが、より強化されたのはうれしい。
Xperia Z5 Compactは有効約2300万画素CMOSを搭載。カメラ性能に強みを持つソニーの特徴がよく出ている。インカメラの画素数も有効約510万と十分だ。
一方、iPhone SEのインカメラは5sと同じ120万画素のまま。自撮りが流行する中、6sではインカメラを500万画素、レンズもf値2.2の明るいものに改善した。だが、iPhone SEは5sと同じ性能のまま強化は見送られてしまった。
改善点として、画面を白く点灯してフラッシュする代わりに「Retina Flash」に対応。だが、5sや6の120万画素カメラは露出や発色は良好でも、今となっては解像感に物足りなさを感じる。カメラ回りについては、アウトカメラよりもインカメラを強化して欲しかったところだ。
通信まわりの仕様だが、高音質な通話が可能な「VoLTE」に対応。LTEの最大通信速度は150Mbpsだ。キャリアアグリゲーションの対応は未定。
LTEの対応バンドは、モデルA1662:LTE(Band 1/2/3/4/5/8/12/13/17/18/19/20/25/26/29)、モデルA1723:LTE(Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28)、TD-LTE(Band 38/39/40/41)となる。
国内での利用について5sと比較した場合、3社とも高音質なVoLTE通話に対応。通信速度については、ドコモだと通信速度が最大100Mbpsから最大150Mbpsに向上。KDDI、ソフトバンクは通信速度が最大100Mbpsから最大150Mbpsに向上したことに加えて、TD-LTE(WiMAX 2+、AXGP)の周波数帯も利用でき、実効通信速度の高速化が期待できる。
充電やPCとの接続は、これまでと同じくLightningケーブルを利用する。USB Type-Cは採用されなかった。
バッテリー容量は非公開だが、バッテリー持ちは改善されたようだ。LTEでのインターネット利用時間は6sや5sがLTEでそれぞれ10時間なのに対し、iPhone SEは最大12時間と長くなった。ビデオ再生やオーディオ再生時間も同様に改善されている。
Xperia Z5 Compactの連続通話時間約700分(3G)、連続待受時間約400時間(LTE)と比べても、iPhone SEは前者が最大14時間、後者が最大10日間と引けを取らない。
iPhone SEは、片手で持てるコンパクトで高性能な5sが欲しい、低価格なiPhoneが欲しいという声に応えてくれる端末だ。発表では中国市場やスマホ初心者に最適としていたが、もちろん日本でもこのサイズのiPhoneを待ち望んでいた人は多いだろう。デザインは2年前の5s(3年前のiPhone 5ともいえる)そのままだが、今でも古さは感じない。
格安SIMで使うSIMフリースマホとして考えても、このクラスの性能をもったコンパクト端末はほかにない。Snapdragon 810を搭載したNexus 6Pも6万8750円(32GBモデル、税別)からなので、iPhone SEの5万2800円(16GBモデル、税別)からという価格設定に納得する人は多いのではないだろうか。
一番のおすすめは、初めてのスマホやAndroidからの買い換えだ。まだ価格は発表されていないが、各携帯電話事業者は6sよりもやや安い値付けで販売すると予想される。5sや5からの買い換えだと、性能や操作性は安心できるが、新しい物を買ったという満足感を得られにくいという悩みを抱えるかもしれない。その場合は、5sにはなかった新色ローズゴールドや、カバーの買い換えなどを検討してみてはいかがだろうか。
機種名 | iPhone SE | iPhone 6s | Xperia Z5 Compact |
---|---|---|---|
OS | iOS 9.3 | iOS 9(アップデートでiOS 9.2に) | Android 5.1(アップデートでAndroid 6.0に) |
プロセッサ | A9チップ+M9モーションコプロセッサ | A9チップ+M9モーションコプロセッサ | Qualcomm Snapdragon MSM8994/2.0GHz+1.5GHzオクタコア |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 58.6×123.8×7.8ミリ | 67.1×138.3×7.1ミリ | 65×127×8.9ミリ |
重量 | 113グラム | 143グラム | 138グラム |
ディスプレイ | 4型Retinaディスプレイ | 4.7型Retina HDディスプレイ | 4.6型HD TFT トリルミナス ディスプレイ for mobile |
解像度 | 1136×640ピクセル(326ppi) | 1334×750ピクセル(326ppi) | 1280×720ピクセル |
Touch ID | ○(第X世代) | ○(第2世代) | 生体認証(ログイン/決済) |
3D Touch | − | ○ | − |
LTE | 下り最大150Mbps | 下り最大300Mbps | 下り最大225Mbps |
LTEの対応バンド | モデルA1662:LTE(Band 1・2・3・4・5・8・12・13・17・18・19・20・25・26・29) モデルA1723:LTE(Band 1・2・3・4・5・7・8・12・17・18・19・20・25・26・28) TD-LTE(Band 38・39・40・41) |
モデルA1633、A1634:FDD-LTE(Bnad 1・2・3・4・5・7・8・12・13・17・18・19・20・25・26・27・28・29・30) TD-LTE(Band 38・39・40・41) |
バンド1・3・19・21・28 |
VoLTE | ○ | ○ | ○ |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 | 802.11a/b/g/n/ac |
連続通話時間 | 3G:14時間 | 3G:14時間 | LTE:約 1080分/3G:約 700分 |
連続待受時間 | 最大240時間 | 最大240時間 | 約400時間 |
連続使用時間 | インターネット利用:3G:12時間、LTE:13時間、Wi-Fi:13時間、ビデオ再生:13時間、オーディオ再生:50時間 | インターネット利用:3G:10時間、LTE:10時間、Wi-Fi:11時間、ビデオ再生:11時間、オーディオ再生:50時間 | 実使用時間約 85.6時間 |
アウトカメラ | 1200万画素 Focus Pixelsによるオートフォーカス F2.2 True Toneフラッシュ 5枚構成のレンズ 自動手ブレ補正 パノラマ(最大6300万画素相当) バーストモード Live Photos |
1200万画素 Focus Pixelsによるオートフォーカス F2.2 True Toneフラッシュ 5枚構成のレンズ 自動手ブレ補正 パノラマ(最大6300万画素相当) バーストモード Live Photos |
約2300万画素 裏面照射積層型CMOSイメージセンサーExmor RS for mobile 像面位相差オートフォーカス(CIPA準拠0.03秒) F2.0 フラッシュ 6枚構成のレンズ 自動手ブレ補正(インテリジェントアクティブ) スイングパノラマ タイムシフト連写 プレミアムおまかせオート |
ビデオ撮影 | 4Kビデオ撮影 1080pビデオ撮影(30fpsか60fps) スローモーションビデオ(120fpsか240fps) |
4Kビデオ撮影 1080pビデオ撮影(30fpsか60fps) スローモーションビデオ(120fpsか240fps) |
4Kビデオ撮影(30fps) 1080pビデオ撮影(30fpsか60fps) タイムシフトビデオ(120fps) |
インカメラ | 120万画素 F2.4 | 500万画素 F2.2 | 約510万画素 裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor R for mobile |
センサー | 3軸ジャイロ 加速度センサー 近接センサー 環境光センサー |
気圧計 3軸ジャイロ 加速度センサー 近接センサー 環境光センサー |
気圧計 3軸ジャイロ 加速度センサー 近接センサー 環境光センサー |
ボディーカラー | スペースグレイ、ゴールド、シルバー、ローズゴールド | スペースグレイ、ゴールド、シルバー、ローズゴールド | イエロー、グラファイトブラック、ホワイト、コーラル |
NFC | ○ | ○ | ○ |
キャリア版のSIMロック解除 | 恐らく○ | ○ | ○ |
価格(SIMロックフリー版、税別) | 16GB:5万2800円 64GB:6万4800円 |
発売時点: 16GB:8万6800円 64GB:9万8800円 128GB:11万800円 |
8万4888円(ドコモオンラインショップでの一括販売価格、税込) |
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