データの消去が終わったら、iOSデバイスのみ、もう1工程を行う。それが「アクティベート」だ。初期状態のiPhoneを起動すると「こんにちは」という画面が現れ、その後、Apple IDの入力やWi-Fiのアクセスポイントの選択などをしていく。これがアクティベートと呼ばれる作業だ。やっかいなことに、iPhoneは、Wi-Fiに接続していても、SIMカードを挿入していないとアクティベートができない。例えば中古のiPhoneをWi-Fiのみで使おうとしても、最初だけSIMカードが必要になるのだ。
そこでゲオでは、中古品で販売するiPhoneのアクティベートを代行しており、中古iPhoneを購入して起動すると、すぐにホーム画面が表示されるようにしている。
アクティベートに使うSIMカードは解約済みのものでも構わないが、SIMロックの掛かったiPhoneは、既存キャリアのSIM(ドコモのSIMロック付きiPhoneならドコモのSIM)を入れる必要がある。例えば外国人観光客がドコモの中古iPhoneを購入し、自国のSIMを入れても、アクティベートができない……といったことが起こりうる。そうした外国人をはじめ、「Wi-Fiで使いたい、設定が分からないといったお客さんの声が多かった」(眞鍋氏)ため、全店舗でアクティベート済みのiPhoneを販売している。
なお、iPadはSIMカードがなくてもWi-Fi経由でアクティベートはできるが、iPadもアクティベートを済ませた状態で販売する。
アクティベートも手作業で、「最大4人に担当してもらうこともある」(栗真氏)ので、相応のコストが発生する。それでも「お客さまから非常に好評だった」(眞鍋氏)ため、ユーザーメリットを第一に考え継続している。
最後のステップが「クリーニング」だ。手アカや指紋などの油汚れをエタノールでキレイにする、シールがあったら剥がす、といった外装のメンテナンスを行う。
このクリーニングを経て、ようやく加工が終了する。加工済みの端末はダンボールにまとめ、ゲオの各店舗に出荷される。
データ消去、クリーニング、アクティベートが終わった端末には、それらが分かるようシールが貼られ、そのまま販売される。「シールが剥がれていると、お店で売ることはできない」(栗真氏)ため、このシールがあれば安心してよいまとめると、端末を買い取る前に「店舗でアプリを使って不具合の有無をチェック」→買い取った後は「日本全国4箇所の流通センターに配送」→センターでは「正常品かをチェック」→「データを完全消去」→「iOSデバイスはアクティベート」→「外装をクリーニング」という工程を経る。
こうしてみると、買い取った中古端末は、外側(外装、ハードウェア)と内側(ソフトウェア)から、徹底的に検品されていることが分かる。赤ロムの永久保証もあるので、中古とはいえ、安心して購入ができるのではないだろうか。
買い取りについても、第三者にデータが復元される心配がないほか、「間口の広さ」も魅力だ。ゲオでは破損、または動かないジャンク品も100円から買い取っており、端末を修復して販売するか、廃棄処分に出している。「古い端末をゴミ箱に捨てると、情報が漏えいする恐れがあるので、どんな状態の端末でも持ってきてほしい」と栗真氏は呼びかける。
「ユーザーに最低でも100円を支払い、個人情報を消去、さらに廃棄処分も代行する」と考えると、ゲオにとっては損しかないように思えるが、「自分の眠っている端末がお金になるかどうかが分からない人もいらっしゃるので、ジャンク品をきっかけにして良品も持ってきてほしい」(栗真氏)と、今後の買い取り依頼促進につながると考える。
店舗で買い取りの相談は気軽に行えるし、中古端末の実機に触れることもできる。まずは近くのゲオ店舗を気軽に訪れてみてはいかがだろうか。
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