中古スマホはいくらで買える? 人気機種は?――「ゲオモバイル渋谷センター街店」に行ってきた

» 2015年12月28日 16時13分 公開
[島徹ITmedia]

 2015年は「中古スマホ」の存在が広く知られるようになった年だった。携帯電話ショップではスマホの下取り割引が開始されたほか、街中には中古スマホ取扱店が増えるなど、以前よりも中古スマホの存在が身近になりつつある。

 だが、中古スマホの取扱店ではどんなスマホが販売されているのか、なかなかイメージができない人も多いのではないだろうか。そこで、今回は中古スマホや格安SIMの専門店「ゲオモバイル渋谷センター街店」(東京都渋谷区 宇田川町28番14号 竹内ビル1F・B1F)を訪れ、中古スマホの人気モデルや、どういった目的で利用する人が多いのかを、ゲオ モバイル運営部モバイル運営課モバイルラウンダーの林野下譲氏に聞いた。

 なお、記事の本文や写真に記載されている端末価格は、2015年12月28日時点のもので、今後、変動する可能性がある。

photo ゲオモバイル渋谷センター街店。営業時間は11時〜21時で、年中無休

中古スマホは故障時の買い換えが中心、訪日外国人の需要も高い

 ゲオモバイル渋谷センター街店には、初代「Xperia Z」から最新の「iPhone 6s」まで、1000台前後の端末がショーケースに並ぶ。また、新品のSIMロックフリースマホの販売や、格安SIMの即日MNP手続きも行っている。

 気になる中古スマホの価格を見てみると、最新の「iPhone 6s」は6万円台で、少し古い「iPhone 6」や「Galaxy S6 edge」でも5万円前後とやや高額だ。「Xperia Z3」や「iPhone 5s」になると3万円台のものもある。「iPhone 5」や2013年以前のAndroidスマホなどは、1万円台とさらに安くなる。

photo 1階には3キャリアのiPhoneや、SIMロックフリースマホ、ドコモのAndroid端末、格安SIMなどが販売されている
photophoto 美品のiPhone 6sから2013年ぐらいの古いスマホまで幅広く取り扱う
photo ゲオ モバイル運営部モバイル運営課モバイルラウンダー 林野下譲氏

 林野下氏によると、中古スマホは、故障したスマホの代わりに購入する人と、海外からの観光客がお土産で購入するケースが多いという。

 故障したスマホの買い換えの場合、「スマートフォンの2年割賦払いがまだ残っている人」の利用が多い。買い換えるとスマホの割賦払いが二重になり、修理しようにもスマホの保証サービスへ入っていない場合は修理費用が3万円を超えることがある。そういった人にとっては、手頃な中古スマホが受け皿になるわけだ。この場合、「LTEに対応した2万円台の中古スマホ」が人気だという。

 確かに最新スマホにこだわらなければ、2年前のスマホでも日常のLINEやネット利用、カメラ画質に対して、そこまで不満を感じる部分は少ない。例えば2年近く前の「Xperia A2」も、LTE対応に4コアCPU、2070万画素カメラ搭載など十分な性能を持っている。下手な格安スマホより高性能だ。

 もちろん故障時に限らず、単純に「安く機種変更したい」という場合でも中古スマホはうってつけだ。多くの機種はSIMカードを差し替えるだけで利用できるので、面倒な手続きは不要。ただしソフトバンクはiPhoneとAndroidでSIMカードを使い回せないなど、一部機種ではSIMカードを変更する手続きが必要になるので注意したい。また、購入した機種のSIMカードのサイズが、以前のスマホと異なる場合もあるので、SIMのサイズもあらかじめ確認しておこう。

photo 「Xperia A2」は2万3800円(税別)から販売されていた

 もう1つが、海外からの観光客のお土産需要だ。1万円前後で購入できる「iPhone 5」や「iPhone 4s」の人気が高く、台数だけなら店内トップの売れ行きとのことだ。確かに、型落ちしたiPhoneも“iPod touch”として考えれば、低価格でGPSも利用でき、動画や音楽再生、ちょっとしたゲームも十分楽しめるとあって、なかなかお買い得だ。ゲオモバイル渋谷センター街店では特に外国人のお客が多く、取材中にもアジア地域からの観光客がひっきりなしに訪れていた。外国人もスムーズに手続きができるよう、店舗には日本語、英語、中国語を話せるスタッフが常駐している。

photo 「iPhone 5」は1万円台、「iPhone 4s」なら1万円以下のものもある

 買い取り価格にも目を向けてみると、ドコモのiPhoneは5s/5c以降の製品しかなく流通量が少ないこともあり、2万円前後からと高めに設定されていた。このほか、iPhone以外にもXperiaやGalaxyの買い取り価格も高い。特に格安SIMでも利用できるドコモ向け端末は、販売と買い取りともにやや高めの価格が付いていた。

photo 買取価格はiPhoneやXperia、Galaxyなどが高い

格安SIM向けは「新品SIMフリー」と「定番の中古スマホ」が人気

 ゲオモバイル渋谷センター街店では格安SIMも取り扱っており、「OCN モバイル ONE」と「UQ mobile」は店頭で即日MNP手続きも可能だ。携帯電話メールの代わりにLINEを使うことで、MNPに抵抗を持つ人が少なくなり、「店頭で契約する人の8割はMNP」(林野下氏)だという。なかでも、格安SIMを最近知った人は一緒にスマホを購入していくことが多いそうだ。

photo OCN モバイル ONEとUQ mobileのほか、IIJmioや訪日外国人向けのプリペイドSIMも取り扱っている

 では、格安SIMと一緒にどのスマホを選ぶのかというと、多くの人は「新品と中古どちらがいいか」という点から決めていくという。

 どうしても中古に抵抗がある人は、新品のSIMロックフリースマホを選ぶことが多い。価格重視で1万円台前半の「Priori3」が人気のほか、性能重視ならZenFoneシリーズほかアジア系メーカーのスマホが選ばれるという。一方、国内メーカーということで「AQUOS SH-M02」や「arrows M02」を選ぶ人も増えてきたそうだ。

photophoto 店頭では新品SIMロックフリースマホを展示。ASUSやZTE、FREETEL、シャープ、富士通などの新製品を実際に試すことができる

 中古スマホの場合は、まずどの格安SIMを契約するかを決めたうえで、ドコモやauなどの対応した端末を選ぶことが多いという。また、iPhoneやXperiaなど、価格や流通面で新品のSIMロックフリースマホを購入しづらい場合も中古スマホを選ぶことになる。最近では、故障したスマホの代わりに中古スマホを買いに来た人から、いずれ格安SIMに移行することを考えた相談も増えてきたとのことだ。

 このほか、親が中学生や小学生高学年の子供に中古のiPhone 6sやiPhone 6を購入するパターンも増えつつあるという。本体は中古でも5万円以上と高額だが、契約は月額1020円(税別)のデータ通信専用SIM(SMS対応)を選び、通話はLINEを利用するので、支払額は大手携帯電話会社よりも安く済むからだ。

photo ドコモの中古iPhone 6sやiPhone 6はまだ5万円以上が中心だ。とはいえ10万円以上する新品のSIMロックフリー版を買うよりも安く、格安SIMと組み合わせれば普通に携帯電話会社で契約するよりも支払額を抑えられる

懐かしのフィーチャーフォンにも出会える

 ここまで中古スマホ専門店をどういった目的で訪れる人が多いのかを紹介してきた。基本的には、故障や紛失したスマホをどうにかしたい人の駆け込み寺のような存在だが、格安SIMや新品SIMロックフリースマホの登場でスマホ全般を取り扱う専門店として訪れる人も増えつつある。なかには懐かしいスマホやフィーチャーフォンもあるので、一度チェックしてみると面白いだろう。

 1階ではドコモの中古スマホ(iPhoneとAndroid)、au・ソフトバンクのiPhone、SIMロックフリースマホ(新品と中古)を扱っており、地下1階ではau・ソフトバンクのAndroid、タブレット、3キャリアのフィーチャーフォンを扱っている。フィーチャーフォンはau端末が充実しており、つるしの棚にも多数のモデルが販売されている。つるし棚には1000円〜2000円程度の端末が多く、「EXILIMケータイ」や「Cyber-shotケータイ」などは簡易デジタルカメラとしても使えそうだ。1000円程度なら、実際に使わなくとも、昔を懐かしむコレクション品として買うのもアリだろう。実はいまだにauのフィーチャーフォンを使っている筆者は、auの「G11」(税別1680円)が中古で売っているのを見て、思わず買ってしまった。

photophoto 地下1階にはタブレットとフィーチャーフォンの専門コーナーがある。以前の安い料金プランを変えたくないという人が購入することがあるそうだ
photophoto auのフィーチャーフォン「G9」を発見して、思わず買ってしまった筆者

 今回は中古スマホ専門店の基本的な取り扱いスマホなどを紹介してきたが、次回は引き続き、中古スマホを購入する際に気になる保証制度や赤ロム対策、バッテリーの劣化といった点について紹介していく。

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