熊本地震で「00000JAPAN」が初稼働、通信各社はデータ通信量アップで支援:5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(1/2 ページ)

» 2016年04月22日 15時00分 公開
[島田純,ITmedia]

大規模災害時用のWi-Fiサービス「00000JAPAN」が初稼働

 熊本地震の発生を受け、大規模災害時用のWi-Fiサービス「00000JAPAN」が4月15日から稼働している。

 00000JAPANは、キャリアなどのWi-Fiスポットを一時的に無料開放するもの。各社とWi-Fiサービスを契約していなくても、スマートフォン・タブレット・ノートPCなどをWi-Fi接続して、情報収集や安否情報の発信・確認などに活用できる。

 00000JAPANは2014年5月に制定されたが、実際に大規模災害の発生を受けて稼働するのは今回が初めて。筆者は4月15日に福岡県を訪問する機会があり、福岡市の中心部(博多・天神)などのコンビニエンスストアやホテルなどで確認したところ、一部施設で00000JAPANが使えることを確認できた。

00000JAPAN 滞在したホテルのロビーでも、00000JAPANが利用可能だった

 博多・天神エリアの通信インフラは地震の影響を直接受けなかったが、九州新幹線の運転停止・高速道路の通行止めなどの影響により、予定を変更を余儀なくされた旅行者(訪日外国人を含む)も少なくなかっただろう。街全体は「いつも通り」という印象だったものの、JR博多駅では新幹線のきっぷを払い戻したり、運転に関する情報を確認したりする乗客で混雑していた。

地震直後のJR博多駅 JR博多駅の「みどりの窓口」は払い戻し手続などで混雑

 このように、大きな被害を直接受けなくても、災害の影響によって情報が必要となることは多い。その点では福岡県内の中心部でも00000JAPANが使える施設があったことは意味があるだろう。

 災害発生時の通信手段として活用できる00000JAPANだが、課題がないわけではない。例えば、同じチェーンのコンビニでも、00000JAPANが利用可能な店舗と利用できない店舗があり、00000JAPANが利用できるかどうかは「現地に行ってみなければ分からない」という状態だった。

 また、福岡市中心部にある通信事業者のショップを訪問して「00000JAPANが使えるか?」と店頭スタッフに質問したところ、「使えない。(00000JAPANを認知していない)」という回答だった。実際にはこのショップでも00000JAPANが利用できたのだが、通常は稼働していないサービスであり、スタッフもサービスについて認知していなかったものと推測される。「いつどこで00000JAPAN使えるのか」を周知するのは、00000JAPANを提供する施設側はもちろん、ユーザーとしても意識しておきたいところだ。

各Wi-Fiサービスが使えることを示すステッカー 各Wi-Fiサービスが使えることを示すステッカー。これだけでは「00000JAPAN」が使えるかは分からない

 福岡市中心部は交通機関も通信インフラも普段通り使えて不便を感じることはなかった。コンビニも歩いて数分おきに店舗があり、ある店舗や施設で00000JAPANが使えないことが、そのまま大きな不便となることはなかった。

 しかし、災害でデータ通信が不安定あるいは利用できなくなってしまった場合、「確実に使えるかどうかは分からないデータ通信手段」を利用するのはハードルが高い。まして交通網がまひしてしまうと、通信手段を求めての移動も困難だ。0000JAPANは、避難所に指定されている施設にも随時アクセスポイントが開設されているため、実際には避難所で利用するという方が多くなるかもしれない。

 設定方法などは非常にカンタンで申し分ないといえる00000JAPANだが、「使えるエリアを探す」という面では、やや課題が残ったようにも思う。

 冒頭で紹介した通り、00000JAPANが本格稼働するのは今回が初めてであり、緊急時に必要以上の対応を求めるつもりはない。だが課題も残っており、今回得られたであろう経験や知見を生かし、より「信頼して確実に使える」通信手段になって今後の大規模災害に備えて欲しいと思う。

熊本地震でドコモとソフトバンクがデータ通信量を“無制限”に、KDDIは10GB付与

 熊本地震で災害救助法が適用された地域に向け、キャリア各社がデータ通信量の増量などの支援措置を相次いで発表した。NTTドコモとソフトバンクは4月末までのデータ通信量を無制限に、KDDI(au)は高速通信可能なデータ通信量を10GB付与する。こちらも利用可能期間は4月末まで。各社の措置は4月18日より順次適用されている。

auはデータ通信量10GBを付与 auはデータ通信量10GBを付与

 大手3社(MNO)のデータ通信制限緩和に続いて、各MVNOもデータ通信量の増量を発表した。MVNOの支援は、MNOと同様に高速データ通信が可能なパケット通信量を自動付与するほか、mineoは余った通信量をシェアできる「フリータンク」からの容量引き出しを4月15日昼より前倒しで可能とするなど、被災地域での情報収集にサービスを役立てもらおうと、各種の支援を行っている。

 被災者向けの特別な支援というわけではないが、スマートフォンでのデータ通信量をカンタンに圧縮するサービスとして、Webブラウザ「Opera」を提供するOpera SoftwareのAndroidアプリ「Opera Max」を紹介したい。

 Opera Maxを利用するとデータ通信量が圧縮され、データ通信速度の向上・データ通信量の削減に役立つ。筆者も海外渡航先でデータ通信量が十分にない時にお世話になることがあるサービスなので、災害の発生時など何らかの都合によってデータ通信量を圧縮したい場合には活用する価値があるだろう。

 なお、Opera MaxはAndroid向けのみサービスが提供されており、iOSやWindows 10 mobile向けには提供されていない。

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