CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)は、5月16日に同社創業の地でもある大阪府の枚方市駅駅前に生活提案型デパートメント「枚方 T-SITE」をオープンした。これに合わせて、店舗サービスや取り扱い商品の在庫や口コミ検索、Tポイントを活用できるスマートフォン向けサービス「T-SITE Passport」を発表。
枚方 T-SITEで先行試験サービスを開始し、今後全国の店舗に展開を進める予定だ。また、CCCグループのトーンモバイルが提供する格安スマホ「TONE」の取り扱い店も年内に全国200店舗へ広げる。
「枚方 T-SITE」は地上8階、地下1階建の大型百貨店。オープン時には蔦屋書店とTSUTAYAを中核として、TONEストア、情報家電フロア、女性層向けの雑貨マルシェやビューティーサロン、キッズフロア、「三菱東京UFJ銀行」「りそな銀行」、レストランや食マルシェなど43の店舗がそろう。夏には贈答品や生鮮食料品を扱ういわゆる“デパ地下”のオープンも予定する。
CCC代表取締役社長兼CEO増田宗昭氏は、枚方T-SITE開業にあたり「モノを買うだけならネットのほうが効率的。家のような居心地の良さと、人によるコンシェルジュは大前提」としたうえで、「自分で作って自分で売るSPAモデル」「モノを売るのではなくライフスタイルの提案」「経営環境の変化に対応できる店舗への権限委譲」「リアルな小売業が苦手とするデータベースマーケティング」という4つを方向性を重視したことを話す。
そのうえで、枚方 T-SITEは半径2キロ以内の人が毎日来たくなる百貨店とし、「食を楽しんで人生を豊かにする」「いいものをあの人に贈ろうといった関係性消費」「プレミアエイジに資産運用も含めた生活提案」「CCCの得意とするエンタテインメント」というテーマで運営する。
また、まだ人口の半分がフィーチャーフォンを利用しており、特にプレミアエイジはスマホを持っていない。ここに「TONE」を提供し、T-SITE Passport(詳細は後述)によってスマホで便利に楽しめる百貨店を目指すとのことだ。
CCC常務取締役CIO/CSO、トーンモバイル株式会社CEOの石田宏樹氏は、「T-SITE Passport」の詳細と、2015年5月からCCCとの合弁事業として再スタートを切ったMVNO事業であるトーンモバイルの「TONE」について説明した。
T-SITE Passportは、枚方T-SITEのショップ・イベント情報を入手できるほか、蔦屋書店/TSUTAYAにて、TSUTAYA携帯会員証として使えるアプリ。枚方 T-SITEから先行サービスを開始し、「サービスを徹底的に検証し、店舗とネットを融合し新しい価値を作る」という。アプリはiPhoneなどiOS端末向けとAndroid向けに公開されており、枚方 T-SITEのTONEストアで購入したTONE端末にはプリインストール済みの状態で販売される。
サービスとしては、データベース分析から利用者にクーポンなどの形でリアル店舗への誘因を促し、T-SITEのイベント情報やリアルタイム在庫検索、レストランの予約、駐車場の空き情報を提供。店頭ではアプリが会員証となり、電子マネーのTマネー決済とTポイント付与をまとめて利用できる。
店頭では気になった本やCD、DVDなどのバーコードを読み取ると、商品情報のほか、映画レビューサービス「Filmarks」などの口コミ情報をすぐに調べられる。石田氏によると「店内のさまざまな空間にバーコードが付く。コンシェルジュのバッジにバーコードが付いて、得意分野が分かるかもしれない。リアル空間とネット空間に存在する背景とストーリーをバーコードを通じて統合する」という。
トーンモバイルの「TONE」については、80%近くが40代以上の利用者で、半分以上がフィーチャーフォンからの乗り換えだという。特に簡単さやサポートの充実、見守り機能が好評で顧客満足度も高いとのことだ。
今後は、2016年内にTSUTAYAなどCCCの200店舗へ取り扱いを拡大する予定だ。また、石田氏は近日中に「普通はハードウェアを買い替えないとできないような大規模アップデート」を実施することを予告した。
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