LINEモバイルは「通信の秘密」「ネットワークの中立性」に反する?――LINEがコメント

» 2016年09月06日 12時22分 公開
[田中聡ITmedia]

 9月5日にサービス開始した「LINEモバイル」は、LINE、Facebook、Twitterが使い放題となる「カウントフリー」機能が大きな特徴となっている。LINEは、このカウントフリーにまつわる「通信の秘密」と「ネットワークの中立性」について、同社の考えを発表した。

LINEモバイル 「LINE」アプリの全ての通信量をカウントしない「LINEフリー」

 カウントフリーで読み取るデータはIPアドレス、ポート番号、パケット内容のヘッダの一部で、ユーザーが投稿、送信したテキストや画像をLINE側が閲覧するわけではない。しかし、通信データを参照することは「通信の秘密」を侵害する恐れがあるため、利用規約の一部に明記して包括的に同意を得るのではなく、ユーザーから個別に同意を得た上でサービスを提供している。

LINEモバイル カウントフリーはMVNEであるNTTコミュニケーションズの設備を使い、IPアドレスやパケット内容などを参照する

 具体的には、利用規約と重要事項説明書とは別に「カウントフリー説明書」でデータ参照の範囲を説明し、申込確認ボタンの直前にカウントフリーに関する説明を表示している。また、利用規約と重要事項説明書にもカウントフリーについて説明をしている。

 特定アプリを優遇してデータ量をカウントしないという施策は「ネットワークの中立性」に反する――という議論もある。この点についてLINEは、「日本におけるネットワーク中立性に関するルールについては、ネットワークの混雑に対処する観点からの帯域制御(いわゆる「混雑制御」)のみを対象としており、混雑制御を超える部分の中立性ルールについては未確定であると認識しております。したがって、当社の提供するカウントフリーは現時点で法令上問題ないものと考えます」と述べている。

 ただし、「懸念が発生した場合には誠意を持って対応する」としており、状況によってはカウントフリーの仕組みに何らかの影響を及ぼすかもしれない。

 最後に「ネットワーク中立性は、ネットワーク上での公平かつ自由な競争を確保することで、消費者保護を図ることを目的としていることを考えると、LINEモバイルがカウントフリーを提供することは消費者の利益につながり、社会的意義があると考えております」とコメントし、LINEモバイルの根本的な狙いを強調した。

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  5. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー