9月5日にサービス開始した「LINEモバイル」は、LINE、Facebook、Twitterが使い放題となる「カウントフリー」機能が大きな特徴となっている。LINEは、このカウントフリーにまつわる「通信の秘密」と「ネットワークの中立性」について、同社の考えを発表した。
カウントフリーで読み取るデータはIPアドレス、ポート番号、パケット内容のヘッダの一部で、ユーザーが投稿、送信したテキストや画像をLINE側が閲覧するわけではない。しかし、通信データを参照することは「通信の秘密」を侵害する恐れがあるため、利用規約の一部に明記して包括的に同意を得るのではなく、ユーザーから個別に同意を得た上でサービスを提供している。
具体的には、利用規約と重要事項説明書とは別に「カウントフリー説明書」でデータ参照の範囲を説明し、申込確認ボタンの直前にカウントフリーに関する説明を表示している。また、利用規約と重要事項説明書にもカウントフリーについて説明をしている。
特定アプリを優遇してデータ量をカウントしないという施策は「ネットワークの中立性」に反する――という議論もある。この点についてLINEは、「日本におけるネットワーク中立性に関するルールについては、ネットワークの混雑に対処する観点からの帯域制御(いわゆる「混雑制御」)のみを対象としており、混雑制御を超える部分の中立性ルールについては未確定であると認識しております。したがって、当社の提供するカウントフリーは現時点で法令上問題ないものと考えます」と述べている。
ただし、「懸念が発生した場合には誠意を持って対応する」としており、状況によってはカウントフリーの仕組みに何らかの影響を及ぼすかもしれない。
最後に「ネットワーク中立性は、ネットワーク上での公平かつ自由な競争を確保することで、消費者保護を図ることを目的としていることを考えると、LINEモバイルがカウントフリーを提供することは消費者の利益につながり、社会的意義があると考えております」とコメントし、LINEモバイルの根本的な狙いを強調した。
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