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» 2016年11月01日 11時00分 公開

5分で知る最近のモバイルデータ通信事情:「安い」「速い」「真の大容量」――モバイルWi-Fiルーターの生き残る道 (2/2)

[島田純,ITmedia]
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メリットその3:ルーターならではの電波改善方法もある

 モバイルールーターには、付属品あるいはオプション品としてクレードル(ドッグ)を用意しているものがあります。これらには有線LANポートが付いていることが多く、その場合は自宅では固定回線用の無線LANルーターとして使うことができます。また、クレードルに追加のアンテナを内蔵することで、無線LANやモバイル通信の通信品質を高められる機種もあります。

WX03のクレードル UQコミュニケーションズの「WX03」のクレードル(オプション品)には、無線LANとモバイル通信の両方において感度を高める追加アンテナが内蔵されている

 また、厳密には“モバイル”ではありませんが、UQコミュニケーションズの「novas Home+CA」のような据え置き型ルーターもあります。据え置き型ルーターは固定回線用のルーターの代替として使われるため、アンテナを外に出すなどしてモバイルルーターよりも無線LAN・モバイル通信双方の通信感度を改善しています。この点では、先述のクレードルと発想は同じです。

UQコミュニケーションズの据置型ルーター UQコミュニケーションズの「novas Home+CA」は、外付けアンテナとすることで感度を改善

メリットその4:海外渡航時役立つモバイルルーターもある

 海外渡航時には、スマホに代わる通信手段として「レンタルWi-Fiルーター」を使うと便利です。

 渡航先の通信手段を考えると、現地でプリペイドSIMカードを購入して、SIMロックフリースマホに挿入して使うのが一番費用がかかりません。しかし、渡航先によっては購入方法やコミュニケーション面で購入自体が困難な場合もあります(参考連載)。そういった不安を考えると、渡航先で使えるモバイルルーターをレンタルして使った方が安心で快適ともいえます。

 レンタルルーターの他に、最近では世界中で通信できることをうたうモバイルルーター「セカイルーター」(この呼称はあまり浸透していませんが……)も出てきています。

 セカイルーターは複数のタイプが販売されていますが、物理的なSIMカードの代わりにオンラインアカウントとひも付けされた「仮想SIMカード」を使い、特別な設定をすることなく通信状態が一番安定している通信事業者(キャリア)に自動接続することが共通の特徴となっています。また、単純な国際ローミングよりも料金が低廉であることも魅力です。

 セカイルーターの一例を挙げると、uCloudlinkの「GlocalMe」シリーズでは、渡航先の国やエリアにあわせたパッケージが提供されています。一般的なプリペイドSIMカード用プランよりも長い有効期間1年のパッケージもあり、海外へ渡航するたびにプリペイドSIMカードや追加プランを買うよりも手軽かつ安上がりになるケースもあるでしょう。

Glocalme G2 「仮想SIM」を採用して全世界に対応できるモバイルルーター「Glocalme G2」
GlocalMeで購入可能なパッケージの一例 localMeで購入可能なパッケージの一例。中国・香港・台湾で使える3GBパッケージ(1年間有効)が39.90ユーロ。場合によっては現地のプリペイドSIMカードを買うより安上がりかもしれない

まとめ:大容量プランとルーターの共存は可能

 各キャリアから大容量プランが提供開始されたことで、これまでモバイルルーターを必要としていた利用者が「スマホ1台」あるいは「タブレットでテザリング」で事足りるようになるのは、ある意味では正常進化といえるでしょう。

 しかしながら、今回紹介したようにモバイルルーターを使うことで、月間容量の制限を気にすることなく大容量のデータ通信が利用できたり、より高速なデータ通信を利用することができるようになったり、海外渡航時でもより安心・便利にデータ通信を行えるようになるなど、使い方次第ではモバイルルータを使うメリットも十分にあります。

 筆者は、これからもスマホ・タブレットとモバイルルータを組み合わせた快適なモバイルデータ通信を追いかけていきます。

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