―― ソフトバンク回線のニーズはどこにあると見ているのでしょうか。
二宮氏 ヤマダさんの店頭だけに限った話ではありませんが、一定のニーズはあると見ています。ただ、今のところ、(ソフトバンク回線を使った「U-mobile S」は)データ通信のみの提供になっているため、比較的リテラシーが高い方が、余ったiPhoneで使うのがメインになっています。このまま爆発的に伸びるかというと、そこまで拡大できる状況ではありません。
―― U-mobile Sは実際に契約してみましたが、データプランの変更ができませんでした。ここに手を入れたりはしないのでしょうか。
二宮氏 今はリテラシーが高い方が中心です。ただ、明言はできませんが、半年かけてカスタマイズしていきます(※現在、プラン変更は可能になっている)。
―― お話を聞いていると、1年で100万回線は取れると意気込んでいた日本通信側と、だいぶ温度感が違うような印象も受けました。
二宮氏 福田社長は、あっという間にというトーンでしたね(笑)。ただ、マーケットの規模や、ポテンシャルはあると思っています。実際、初速としては結構な数が売れています。この店舗数と、このマーケティングの仕方で、ここまで取れるのか、と感じているところです。各サービスをやっていきましたが、初速としては一番よかったのではないかという実感もあります。
MVNOはほとんどがドコモ回線ですが、そこが伸びてきたスピード感や、マーケットのシェアと今の状況を考えると、100万、200万は十分いけると感じています。1年間かどうかは別にしても、早い段階でいけるのではないでしょうか。ただ、そのためには、音声通話(が現時点で対応していない)の問題があります。面展開も、もっと広げなければならない。この反応をもっと広げていかなければならないですし、今後は、訴求の方法も変えていかなければなりません。
―― その音声通話の提供は、いつ頃になるのでしょうか。
二宮氏 まだ日本通信さんとソフトバンクさんが協議しているところで、具体的にはなっていませんが、われわれとしてはいち早くやりたい。音声を提供できれば、変わってきますからね。ですから、今時点での戦略は、いち早く面を広げることです。そうすれば、音声を始めたときに、すぐにメインで取り扱っていけます。
―― 現状、U-mobile Sでは、iPhoneとiPad、どちらのSIMカードのニーズが大きいですか。
二宮氏 やはりiPhoneですね。今のところは、使っていなかった端末を使えるというニーズで売っています。
―― 細かい話かもしれませんが、U-mobile SをSIMフリーのAndroidに挿したら、使えてしまいました。APNは公開されていないので、iPhoneのプロファイルを見て、一部予想で設定したのですが……。
鹿瀬島氏 今のところAPNは公開していません。ただ、もう間もなくすると、Android用という名目のSIMカードをご提供いただけます。そうなると、ソフトバンクの(SIMロックがかかった)Androidも使えるようになります。
(今のiPhone用、iPad用のSIMカードを)SIMフリーのAndroidで使うことも、できると思います。ただ、推奨しておらず、一応は使えるという形です。これは、あえて分かりやすさのために言っている部分があります。
―― SIMカードの種類が分かれているのが、ちょっと複雑ですね。
鹿瀬島氏 そうですね。サイズだけでなく、端末、しかもiPhoneとiPadまで分かれているので、非常に分かりづらいと思います。
―― Webで売るのは厳しそうですね。
鹿瀬島氏 はい。Webオンリーはしんどいだろうと思います。
―― 料金についてですが、現状だと、ドコモ回線のサービスよりも高くなっています。これが変わっていく可能性はありますか。
二宮氏 あります。今は接続料の問題があり、ユーザー数が少ないためにオペレーションコストが一定かかるので、この料金ですが、プランによってはある程度下げる余地は十分考えられます。
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