Y.U-mobileが「ヤマダニューモバイル」を始める狙い、ソフトバンクSIMの勝算MVNOに聞く(4/4 ページ)

» 2017年04月13日 11時13分 公開
[石野純也ITmedia]
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SIMフリースマホはY.U-mobileではなくヤマダ電機が販売

―― ヤマダニューモバイルでは、端末はどうされていくのでしょうか。店頭にあるSIMフリースマートフォンと組み合わせるというイメージですか。

二宮氏 そうです。そこはヤマダさん側でやっていきます。端末だけという販売方式は難しいと思うので、そこで連携はしていきます。楽天さんと向き合ってやっていける会社として、ヤマダさんは十分なポテンシャルもありますからね。

―― 楽天モバイルといえば、いわゆる「三木谷割」が有名ですが(笑)。

二宮氏 既に、ヤマダさんの店頭では、端末のタイムセールもやっています(笑)。

―― なるほど。端末の話でいうと、U-mobile側の販売するものが、更新されておらず、ラインアップが古くなっている印象があります。

二宮氏 そうですね(苦笑)。基本的に、端末はヤマダさんと連携していこうと考えています。U-NEXTは、あくまで端末販売屋ではないというスタンスです。

U-mobile U-mobileのセット端末では、ここ最近の機種は取り扱っていない

―― それは、いつごろからですか。

二宮氏 近日中ですね。MVNOの考え方として、端末の代金を使ってマーケティングしていく発想がありますが、われわれはそういったコストのかけ方をする発想はあまり持っていません。そういった割引は、ヤマダさんのように、販売をビジネスにしている方がやった方が健全になります。端末は、最初は分かりやすさのためにやっていましたが、その分かりやすさも店頭で出すことができました。

U-mobileでは「U-mobile MAX 25GB」が一番売れている

―― U-mobileの話でいうと、マルチMVNEになってから、料金プランが多岐にわたり、選びにくくなった印象もあります。例えば、「LTE使い放題」と「U-mobile MAX 25GB」は、どちらを選んだらいいのでしょうか。

二宮氏 確かに、使い方だとMAXは、分散する傾向にあります。ただ、今一番売れているのは、MAXですね。これは1GBあたりの単価で見ると、本当に安いからだと思います。

U-mobile 「U-mobile MAX 25GB」はデータSIMが月額2380円、音声SIMが月額2880円という安さを実現

―― 使い放題より速度が速いということもあったりするのでしょうか。

二宮氏 収容状況にもよりますね。以前、弊社の使い放題はかなり遅いといわれていましたが、実態で言えば、今は大幅に改善しています。MVNEや、時間帯によってどうなるかという差はありますが、クオリティーは一定にしようとしています。

鹿瀬島氏 MAXは、25GBまで通信制限が一切ないという打ち出しでやっていますが、そこが一定の層に受けたというのはありますね。

―― 店頭では、どういう売り分けをしているのでしょう。

二宮氏 例えば、ずっとダラダラと使われる方と、短期間で一気に使う方がいるとします。安定的にダラダラ使う人には、使い放題がオススメになります。ただ、オススメのしやすさでいうと、キャリア(MNO)さんがああいった訴求方法になっているので、ここまでの容量だったら制限がないという方が、分かりやすいようです。市場的にも、キャリアさんとの比較になりますからね。

―― U-mobile MAX 25GBと、ヤマダニューモバイルは、MVNEが同じ日本通信ですが、この帯域は別なのでしょうか。

二宮氏 そこは臨機応変にやっていくつもりでいます。今は、U-mobileの持っている帯域が多いので、当面はそこに入れた方がいいという判断です。

取材を終えて:ソフトバンクSIMはまだ準備期間

 1000店舗で全国に展開するヤマダ電機とタッグを組んだU-NEXTだが、そのインパクトは小さくない。「YAMADA SIM powered by U-mobile」よりも料金プランがヤマダ電機のユーザーに合っていることもあり、成長が見込めそうだ。ソフトバンク回線を使ったサービスも、U-mobile Sや開幕SIMにない特徴を出していくとのことで、期待が持てる。ソフトバンク回線については、音声通話の提供開始が、真のスタートと見ているようだ。今は、そのための準備期間といえる。

 一方で、U-mobile側は、どちらかといえばヤマダニューモバイルよりも、ヘビーユーザーを獲得しようとしている印象を受ける。定額プランなど、他社にはない特徴もあるため、刺さる人には刺さる料金プランといえるかもしれない。いずれにせよ、日本通信との業務提携を生かし、U-NEXTが攻めの姿勢を強めていることは確かなようだ。パートナーとの協力関係を生かすという同社が、ヤマダニューモバイルの後、どのような手を打ってくるのかも期待して見守りたい。

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