全世界で使える ドーハ空港でOoredooのプリペイドSIMを買ってみた山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年04月14日 19時15分 公開
[山根康宏ITmedia]

 海外旅行に行くとき、格安航空券を買ったら直行便ではなくて乗り継ぎ便だったなんてことも多いでしょう。日本から欧州へ行くときなども、中国やトルコで乗り継ぎなんて便も多いものです。そんな乗り継ぎ便の中でも中東系航空会社は意外と機材も新しく、食事も悪くないので“当たり”のフライトといえます。

 そんな中東系航空会社の1つ、カタール航空はカタールの首都、ドーハ・ハマド空港をハブにしています。日本からドーハまで飛び、そこから欧州各地へ乗り継ぐのですが、航空運賃は安めでお勧めといえます。しかもこのハマド空港では、乗り換えて向かう先の欧州などで使えるプリペイドSIMが売っているのです。

ドーハ SIM カタールの首都、ドーハのハマド国際空港。大きなクマがいる

 カタールのフラグシップキャリア、Ooredoo(オーレドー)は、プリペイドSIMながらも世界各国でデータ1GBが使える料金パッケージ「Passport」を提供しています。対応国は同社のWebサイトには明記されていませんが、主要国ならほぼ全てカバーしているとのこと。もちろん日本も対応だそうです。

 乗り継ぎ便で目的地へ行くと、現地到着が深夜になることも多いでしょう。そうなると現地の割安な料金で使えるプリペイドSIMをすぐに買えないこともあります。また最近は日本でMVNOサービスを利用している人も増えていますが、海外ローミングに対応していなければ自分のスマートフォンをそのまま海外で使うことはできません。しかしもしカタール航空を使って欧州などへ行くのなら、ハマド空港で乗り継ぎ中にOoredooのプリペイドSIMを買っておけば、到着先でそれを使うことができるというわけです。

ドーハ SIM ドーハ着は深夜。ここで乗り継ぎ便が出るので真夜中でもフライトは多い

 ハマド空港の制限エリア内、つまり乗り継ぎ中の空港内でOoredooのプリペイドSIMを売っているのは、空港の目印ともいえる、大きなクマの人形の前方のあたり。中東の空港でよく見かける、高級スポーツカーが当たる抽選くじを売っているカウンターで、OoredooのスタッフがプリペイドSIMを販売しています。スタッフがいないときは周りの人に声をかければ呼んできてくれるようです。

ドーハ SIM 以前はOoredooの店もあったが、今は車の抽選券売り場で販売

 カタールではプリペイドSIMの購入に本人登録が必要なので、パスポートの提示が必要です。また空港内の売店でもあることからか、航空券の提示も必要。手続きは数分で終わるので、時間はかかりません。

 OoredooのプリペイドSIMは、SIM代金が25カタール・リヤル(約750円)。これはSIMだけの代金なので、このままでは一切使えません。乗り継ぎ時間が8時間以上と長く、カタール航空が用意する空港外部のホテルを使う場合は、カタール用のデータパッケージ(数リヤル程度)を付けるのもいいでしょう。空港内で過ごすなら、無料Wi-Fiを使えば大丈夫でしょう。

 というわけで、スタッフに「海外で使う」ことをしっかり伝え、海外ローミングサービス用のPassportのみを買ってみます。Passportの料金は100リアル(約3000円)で購入できます。プリペイドSIMを買うときに、これを一緒に付けてもらうのが簡単です。

ドーハ SIM パスポート提示でプリペイドSIMを購入。25リヤル
ドーハ SIM 海外ローミング用のPassportのチャージカードも購入。登録もしてもらった

 登録が済めばSMSが届き、SIMの開通や、Passportパッケージが有効になったことを通知してくれます。有効期限は7日間ですが、開通した日の翌日から数えて7日目のようです。時間はカタール時間の23時59分までとなります。

 今回はドーハからミラノへ移動。ミラノ・マルペンサ空港に到着して早速スマートフォンの電源を入れてみると、しばらくして無事現地キャリアWindの電波を拾いました。なおデータローミングはオンにすることを忘れずに。APN関連の設定は以下の通り。

  • APN:data
  • ユーザー名:(なし)
  • パスワード:(なし)
ドーハ SIM ミラノでWindをつかむと、SMSが届いた

 日本のキャリアの海外ローミングサービスならフルの利用で1日約3000円、キャンペーンやauの世界データ定額だと1日1000円前後。Ooredooの方は1週間で約3000円。どちらがいいかは滞在日数や使い方によりますが、約3000円払えば誤課金や使いすぎもなく、毎日の登録も不要なプリペイドSIMは使い勝手がいいかもしれませんね。しかも1週間以内なら複数国でもそのまま利用できます。なお、利用するには当然ですが、自分のスマートフォンのSIMロックが解除されているか、SIMロックフリースマートフォンを使う必要があります。

 現地で1GBを使い切ったときはオンラインチャージもできるのですが、現地ではOoredooのSIMは現地プリペイドSIMを買うまでのつなぎ、として使うのがいいのかもしれません。オンラインチャージには電話番号が必要なのですが、もらったパッケージには記載なしで、これは購入時スタッフに聞いておくべきだったか。次回ドーハへ行くときや友人が行くときなりに、Passportの100リヤルのカードを買ってきてもらい、常時キープしておくことにします。

 OoredooのプリペイドSIMは半年間有効。一度買っておけば、次の海外旅行で使うこともできます。乗り継ぎで海外へ行くのは面倒かもしれませんが、滞在先で使えるプリペイドSIMを買えるのならば、乗り継ぎも無駄にはなりませんね。他の航空会社・空港で乗り継いで欧州などへ行く場合があれば、トランジット空港に似たようなプリペイドSIMが売っているかどうかを調べてみるといいでしょう。

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