アテネで見つけた“ガラホ”はストレート型で日本語対応山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年03月28日 13時54分 公開
[山根康宏ITmedia]

 「携帯電話」という言葉が死語になりつつあるほど、今や右も左もスマートフォンばかりという時代になっています。最近では見た目が携帯電話でも中身はスマートフォン、いわゆる「ガラホ」と呼ばれる製品も出てきており、長年携帯電話を使い続けていたユーザーのスマートフォン乗り換えを容易にしています。

 海外では超低価格なスマートフォンも出てきており、画面サイズは4型前後、2コアCPUで価格は5000円程度、なんてローエンド機が携帯電話からの乗り換えユーザーに売れています。通話がメインでたまにSNSをやる程度であれば、低スペックの製品でも十分使い物になるものです。

山根康宏 アテネの家電量販店を訪問

 とはいえ、使い慣れた10キーを使って文字入力したいとう願いは万国共通のもののようです。2017年2月末に開催されたMWC 2017取材の後、ギリシャのアテネに立ち寄ったところ、家電量販店でガラホが売られていました。アテネではホテルに無料SIMが置かれているなど、モバイルするには意外と楽しい国かも知れません。

 アテネの繁華街の1つ、シンタグマ広場にはPublicという家電量販店があります。入口にはスマートフォンの販売コーナーがあり、SIMロックフリー端末がずらりと並んでいました。ここでも最近はHuaweiの人気が高まっているようで、「P9 lite」などを中心に複数モデルを展示中。店員さんに聞いたところ、売れ筋は149ユーロ(約1万7900円)の「P8 lite」や88ユーロ(約1万600円)の「Y3II」など。ハイエンド品となると、やはりiPhoneやGalaxyを買うお客さんがまだ多いのでしょう。

山根康宏 Huaweiのスマートフォンが勢ぞろい。売れ筋は1〜2万円のモデル

 その他に売られているのはLGやHTC、Motorolaなど、他の国と変わりません。ところが、よく見ると特別の展示コーナーに、欧州ではあまり見かけない製品が展示されています。中国のXiaomiのスマートフォンです。ここでは「Mi Phone」という名前で売られていて、スペックのわりに価格が安いのでお客さんの反応も上々。その場で買っている来客も見かけました。

山根康宏 アテネで売られるXiaomiのスマートフォン

 販売モデルは「RedMi 4 Pro」で219ユーロ(約2万6300円)。言語を見るとギリシャ語に対応しています。ギリシャで販売するために、きっちりとローカライズが行われているようです。

山根康宏 アジアで売っているXiaomi製品には搭載されていないギリシャ語に標準対応

 この他に珍しいモデルとしては、Kodakのカメラ強化スマートフォン「Ektra」や、中国のXiaomiのライバル、Meizuのスマートフォンの扱いも。またギリシャ以外ではあまり見かけない、ローカルメーカーの製品もちらほらと売られていました。アテネ観光のついでにスマートフォンを物色するのも悪くないかもしれません。

山根康宏 Kodakの「Ektra」は本格的なカメラスマートフォン。649ユーロ(約7万8000円)と高価
山根康宏 XiaomiだけではなくMeizuもギリシャに進出。左の値札は地元MSLのスマートフォン

 さてスマートフォンコーナーにPOPを出して売り出していたのがガラホタイプの端末です。ギリシャのMSLの「Easy S 4G」で、119ユーロ(約1万4300円)。ディスプレイは2.8型で320x240ピクセル、カメラは1300万画素。かなりの低スペックですが、ストレート型のボディーでテンキーが使えるのがいいですね。

山根康宏 テンキースタイルの、いわゆるガラホな「Easy S 4G」

 簡単モードともいえるUI(ユーザーインタフェース)が使われていますが、中身はAndroid。現地SIMを入れてテザリングしてルーターとして使うのもいいかもしれません。

山根康宏 ギリシャ語は読めないが、下にスクロールすると通常のAndroidアプリアイコンが表示される

 設定を開くと、日本語が入っていました。恐らく元のファームウェアは中国のODMメーカーあたりのものでしょう。本体の質感は価格相応でやや安っぽさもありますが、通話をメインにするならこの形状は悪くないですね。価格がこの半額くらいであれば海外旅行用のスマートフォンとして1台持っておくのもいいかもしれません。恐らく他の国でもガラホは売っているでしょうから、次の海外取材時には、別の国でも探してみようと思います。

山根康宏 日本語ロケールを搭載。海外用に1台あると便利かも

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