色を見ればメーカーが分かる? 中国スマホメーカーのコーポレートカラー山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2016年12月28日 11時54分 公開
[山根康宏ITmedia]

 中国の家電量販店へ行くと、入り口付近の目立つ位置にはスマートフォンがずらりと並べられています。「メーカー端末販売」「SIMロックフリー」が基本の中国では、日本の家電量販店のように通信事業者ごとにブースが分かれているわけではなく、またSIMロックフリーコーナーのように各社の製品が混在して並べられていることもありません。スマートフォンは、メーカー各社が自慢の製品を自社ブースで展示しているのです。

中国スマホ スマホの展示はメーカーごとが基本の中国

 各ブースにはメーカーのロゴも大きく掲げられていますが、よく見ると各社が自社のコーポレートカラーを定めて、その色を大きくアピール。例えば今最も勢いのあるメーカーのOPPOとVIVOは、それぞれグリーンとブルー。この2社のロゴは大都市の繁華街のみならず、地方都市でもよく見かけます。緑色の看板を見かけるとOPPOのお店に見えてしまうほど、メジャーです。

中国スマホ OPPOはグリーン、VIVOはブルー。中国では誰もがこの色とロゴを知っている

 「色を見ればメーカー名が分かる」――。この戦略は大手メーカーだけではなく、2番手、3番手のメーカーやブランドにも広がっています。例えばCoolpad(クールパッド)系列のIVVIは、黄色いロゴを採用。他社にはない色合いだけに目立ちます。

中国スマホ

日本ではまだ知られていないブランドのIVVIは黄色

 実際にIVVIのWebサイトを開いてみると、黄色がアクセントとして使われていることが分かります。ちなみにIVVIは主に女性をターゲットにしたスマートフォンを手掛けています。

中国スマホ IVVIのオンラインストア。黄色をアクセントに使っている

 また日本でも着々と知名度を上げているHuawei。サブブランドであるHonorは、やや薄眼のブルー。Huaweiが真っ赤なロゴであるのに対し、どことなくあのティファニーをイメージさせるようなやや上品な色合いです。Honorはオンライン販売向けの製品としてスタートしましたが、今では実店舗でも販売。「P9」などHuaweiの主力製品の隙間を埋める、多彩なラインアップをそろえています。

中国スマホ Honorのブルーはどことなく上品

 色で差別化を図ろうとしているものの、人気の色はどうしても各社でバッティングしてしまいます。その色はブルー。古くはNokiaがブルーでしたし、今はSamsungもブルー。そして前述したようにVIVOやHonorもブルー系の色合いを使っています。他にもZTEやMeizu(メイズ)もブルー。同じブルーでも色合いは若干違うのでしょうが、このように同じ色のメーカーが2社並ぶとどちらも同じに見えてしまいます。

中国スマホ ブルーを採用するメーカーはかなり多い

 一方、意外な色を使っているのがMotorolaです。今はLenovoの傘下となったMotorolaですが、過去には赤や青の「M」マークのロゴを使っていました。ところが中国ではピンクの色を採用。新生モトローラのイメージを広げようと、大胆な色を採用したのかも。

中国スマホ まさかのピンクを採用しているMotorola

 とはいえ、ピンクといえばやはり女性をイメージしますよね。フロントに2100万画素カメラを搭載した最強のセルフィースマートフォンを販売するMeitu(メイトゥ)はずばりピンクのロゴ。同社の製品は女性だけをターゲットにしていると言っても過言はなく、ピンクの色合いはよく似合います。

中国スマホ 女性のためのセルフィースマホメーカー、メイトゥはピンク

 さて、最近やや勢いに陰りの出てきてしまった新興メーカーのXiaomi(シャオミ)。Xiaomiといえばオレンジですが、そのオレンジは老舗メーカーのGionee(ジオニー)も採用。ロゴに使える色はある程度決まってしまうのでしょうが、こうして各社を比較してみると面白いものですね。これから生まれてくる新興メーカーがどんな色を採用するのかも気になるところです。

中国スマホ GioneeのオレンジはXiaomiと重なる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年11月12日 更新
  1. なぜ? DMMが格安SIM事業に再参入 povo、IIJと組んだ「DMMモバイルPlus」の狙いを聞く (2025年11月11日)
  2. ニトリの5990円「スマートウォッチ バルカ」を試す 1日以上持つバッテリー、健康管理機能は“お値段以上”か (2025年11月11日)
  3. 「Suicaのペンギン」が2026年度末で“卒業” サーバ保存式のプリペイドコード決済(最大30万円)の導入に伴いイメージを刷新 (2025年11月11日)
  4. 「楽天ゴールドカード」と「楽天プレミアムカード」どちらを選ぶ? 特典の違いを比較してみた (2025年11月10日)
  5. 中古で人気の「iPhone 13」は今でも“使える”のか? 性能面で不満はないが、注意点も (2025年08月17日)
  6. 139製品が最大51%オフの「Xiaomi ブラックフライデー 2025」開催 「Xiaomi 15 Ultra」「POCO F7」もお得に (2025年11月11日)
  7. 【ニトリ】7990円のスマートウォッチ HDディスプレイ搭載で血中酸素も測定できる (2025年09月06日)
  8. ドコモの「iPhone 17(256GB)」が2年間1万台に MNPと「いつでもカエドキプログラム」適用で【スマホお得情報】 (2025年11月10日)
  9. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2025年11月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2025年11月11日)
  10. 「古いiPhoneでLINE使えなくなる」ポスターに批判殺到 掲示元の「ノジマ」に意図を聞いた (2025年11月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー