ホテルで配られる無料SIM、ギリシャのMVNOが便利だった山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年03月21日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 2017年も「Mobile World Congress」の取材でスペイン・バルセロナへ行ってきました。せっかく欧州へ行くのでその前後はどこかの国に立ち寄るのですが、今回は会期が終わってからギリシャのアテネで数泊しました。パルテノン宮殿がレストランから見えるという見晴らしのいいホテルで、価格も安く、久しぶりにいいホテルに泊まることができました。

ギリシャのMVNO アテネの眺めのいいホテルに宿泊

 さて、このホテルにチェックインするとき、カウンターの隅になにやらプリペイドSIMのパッケージのようなものが山積みされていました。ここで販売しているのかなと思い値段を聞くと、「無料で配っているので、いくらでも持っていっていいよ」とのこと。

 しかし料金の詳細は分からず、「あとは自分でやってくれ」とのこと。ホテルに到着したのは深夜22時ころで外はもう商店も閉まっているので、SIMを買うのは難しい時間でした。こんな夜中にホテルでタダで入手できるなんてありがたいことです。

ギリシャのMVNO フロントに置いてあった無料SIM

 プリペイドSIMはTazamobileというMVNOのもので、早速Webページを開いてみると、料金などさまざまな情報が出ています。ただ残念なことに、オンラインチャージはできないため、ここで料金を入れてすぐに使い始めることはできません。翌朝に街中の売店などでバウチャーを買う必要があります。

 なるべく安上がりにしたいものの、バウチャーの最低額は10ユーロ。つまり1200円くらいはかかってしまうのですね。でも初回のチャージで500MBのボーナスが付くなど、数日の滞在なら悪くありません。またMNO回線はVodafoneになりますが、そのVodafoneのバウチャーを買っても残高追加が行えます。MVNOって料金追加が大変なことがあるのですが、これは楽ですね。

ギリシャのMVNO Vodafone回線を使うため、同社のロゴが入っている

 アテネ市内で使ってみましたが、おおむね4Gをつかんでおり、特に不満の出ることはありませんでした。4泊しましたが500MBでは足りずに、1GBを追加で購入。料金は4.44ユーロ(約540円)、SMSで「19109」あてに本文「70」と書いて送信するだけ。簡単です。できることならオンラインチャージができればもっと便利なのですけどね。

 さて、残高のあるままアテネを後にして、次はパリへ行きました。そのパリでうっかりTazamobileのSIMの入ったスマートフォンの電源を入れたところ、SMSが届き、なんとフランスでもそのまま使えるとのこと。Daily Travel Packageが自動適応され、3.01ユーロ/24時間で100MBが使えるのです。SIMの残高はまだ5.56ユーロありますから、1日分を使えます。

ギリシャのMVNO パリで届いたSMS。海外パッケージが自動適応される

 パリではすぐに現地SIMの入手できなかったので、これはありがたいオファー。最近は欧州各国事業者のプリペイドSIMが他の国でも利用できるデータパッケージを出していますが、ギリシャのMVNOも同じサービスをやっているのですね。タダで入手したプリペイドSIMですが、これのおかげでアテネもパリも有意義に滞在できたのでした。

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