シャープがブランド統一フラグシップスマホ「AQUOS R」を発表――キャリアよりも先に発表し、ソニーやサムスンと肩を並べる:石川温のスマホ業界新聞

» 2017年04月28日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 4月18日、シャープはブランド統一したフラグシップスマホ「AQUOS R」を発表した。記者会見終了後、長谷川祥典IoT通信事業本部長、小林繁IoT通信事業本部パーソナル通信事業部商品企画部長の囲みが行われた。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年4月22日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


―― サムスン電子とソニーはすでにフラグシップモデルを発表している。先行2社に勝つ自信はあるか。

小林氏 「勝てると思います。解像度を大きくするという方向性とスピードを重視するというのは設計思想の違いだと思います。画素数を大きくするのとスピードを速くすると言うのは面積に関係している。画素数を上げるとスピードがついてこない。スピードを上げようとすると画素数がついてこない。このベストバランスをみつけるのがとても重要だし、今回のIGZOは過去最高のものだと思っている。

 表示を見ていただくと信じられないほどなめらかに動きますし、くっきりと文字も表示できる。快適性という観点で勝っていけるのではないか」

(★ 派手さはないけど、使い勝手で勝負といった感じですかね)

―― 改めてブランド統一の意味を教えて欲しい。今後はキャリア別のブランドを辞めて、シャープのブランドに一本化するのか。

長谷川氏 

「シャープのブランドとして統一していきたいと思っている」

(★ ようやくといった感じ。もっと早く着手しても良かったのでは)

―― ブランド統一はフラグシップモデルだけか。

小林氏 「AQUOS R以降の話は申しあげる段階ではない。たとえば、アクセサリーひとつとっても、名前が違っているとお客様にとっても探しにくい。宣伝にしても、あれ欲しいなと思っても、お店に行くとないということがある。そういったことが現実におきていた。

 できるだけ、お客様が迷わないように、AQUOSを満足して使ってもらえるようにしていきたい」

(★ 本体カバーとかCMはたしかに展開しやすくなりそう)

―― ブランド力が大事になっているというが、その点をもう少し詳しく教えてほしい。

小林氏 「弊社内でマーケティング調査を行っており、数値で分析しているが、感覚的にはお客さんの半分がブランドで購入を決めている。その次に液晶やカメラといったビジュアルコミュニケーションが来る。やはり、分散しているブランドでは勝っていけないかなと。お客さんが困らないことが成功していく上で一番重要」

(★ 昔は、シャープもブランドで購入されていたところもあるわけだし)

―― 発熱を抑えるというのはいつぐらいからの取り組みなのか。サムスン電子の影響を受けたのか。

小林氏 「それより前からやっていましたね。元々、取り組み自体は前衛機、前前衛機からやっていたが、今回、とにかく一番、なめらかに動くものを目指している中で、避けては通れない道だった」

(★ 発熱が抑えられるから、CPUのパワーを最大限に長く引き出せるというメリットがあるとのこと)

―― サムスン電子がGalaxy S8で狭額縁設計を取り入れているが、かつてはシャープも3辺狭額縁のスマホを作っていた。ああいったスマホを復活させるつもりはないのか。

小林氏 「あらゆる可能性を検討しています。そもそも液晶デバイスそのものを弊社で開発していますし、狭額縁は得意な分野です。当然、その可能性はあるかなと思っています」

(★ いまこそ大画面で三辺狭額縁を出して欲しいのだけど。やはり、故障率の問題もあって難しいのかな)

―― SIMフリー端末についてもAQUOS Rブランドになるのか。

小林氏 「それも販路の一つだとは思っている。今回は開発発表で商品の発表です。販売される企業さまが、そのタイミングで発表されるという感じ。それは同じかなと思っている」

(★ 今回は初めての発表だっただけに記者も混乱していたけど、要はこのフラグシップモデルが、従来から取り扱いのある3キャリアから発売されるということ)

―― 100万台を目指すとなると、いろいろな販路に広げていかないといけないと思うが。

長谷川氏 「いろいろ取り組みたいと思っていますけど」

―― 100万というのは国内外を含めてか。

小林氏 「全部で100万ですね」

―― 最近、台湾とかに積極的に出されていますが。

小林氏 「海外は現時点では検討中」

(★ このあたりは鴻海と一緒にやればいいと思うけど)

―― OSのアップデートを2年間、保証しているが、キャリアのアプリがあると面倒だと思う。そのあたりはどうするつもりか。

小林氏 「そこは明示的にお答えするには適切ではないのですが、相談する形にはなると思う」

(★ ソフトバンクが早くて、キャリアアプリ満載のNTTドコモが遅いとかあり得そう)

―― アップデートに関しては、Android Oneの経験が生きているのか。

小林氏 「はい。ひとつのマーケティングインサイトというか、気づきをいただいた大きなきっかけになったと思う。Android OSそのものが良くなってきているので、その使い勝手が非常にいいとお客様から言われている。

 その後、バージョンアップされていく安心感がお客さんに支持されている」

(★ キャリアアプリはOS標準のものと比べるとデザインテイストも違うし、明らかに浮いているのよね)

 

―― ユーザーインターフェースのプレーンのAndroidに近くなっているようだが。

小林氏 「そう見えますよね。実は違うんです。パフォーマンスの部分ですとか、私たちが妥協できない使い勝手の部分がAQUOSになければいけないので、こだわる部分はきちんと作り上げています。

 もともとのピュアなAndroidのパフォーマンスが良くなっており、倍速のIGZO液晶と相性が良い部分はかなりそのまま使っている。結果的に、お客様にはOSのバージョンアップを提供しやすくなっている。

 一見、同じに見えても、ちょっとずつ、ここはまずいという部分はきっちりと作り上げていますし、使いやすくなっているのではないか」

(★ このあたり、もうちょっと突っ込んで話を聞きたいところ)

―― AQUOS Rのシリーズとして液晶サイズの小さいものとか、兄弟モデルも出てくるのか。

小林氏 「ちょっと先の話は現時点では申し上げられない。今日、申し上げたシリーズはあくまでもシリーズ名というかたちでRです」

(★ 今後、R1とかR2になるのかといった後継機種の名前の付け方も気になるところ)

―― ロボホンがかなりメジャーになったが、エモパーをロボホン機能な名称にしてしまわないのか。

小林氏 「エモパーも(対応スマホが)発売されてから2年以上が経過し、次もエモパーがある機種をという、買い換えにつながるタイミングが発生しつつある。ストックとして持っているものをそんなに簡単に名前を変えるというのは適切とは思っていない。

 イメージとして(ロボホンが)あるのは事実。スライドにもロボホンを登場させている。ブランドイクイティとして、シャープと言えばロボホンをやっている会社というのが認知されていますし、その部分をうまく活用して、展開していきたいと思う」

(★ エモパーも地味に人気だしな)

―― 回る充電台はオプション扱いなのか、同梱されるのか。

小林氏 「それも現時点では(お答えできない)。発売されるタイミングでしかるべき方がしかるべき発表をされると思う」

(★ 扱うキャリアによって、同梱だったりオプションだったり違いが出るという噂も)

―― しかるべき人によっては対応が違うのか。

小林氏 「そこも申し上げる段階にないですね」

―― 100万台というのは1年間の数字か。

長谷川氏 「1年間です」

―― フラグシップは年間1モデルということか。

小林氏 「基本的にはそうですね」

長谷川氏 「そんな感じです」

■取材を終えて

 去年はあまり元気がなかったように見えたシャープのAQUOSだが、3キャリア向けのフラグシップを統一して、キャリアよりも先に発表するという方向転換するなど、かなり頼もしい存在になってきたよう思える。

 端末としては、Galaxy S8のように見た目にとがった感はないが、「欠点のない優等生なハイエンドスマホ」としてそこそこ売れそうな気がしている。

 ただ、周りを見渡せば「デュアルレンズ」や「狭額縁」など、シャープが他社に先駆けて取り入れてきた機構が、今のトレンドになりつつある。これまでのシャープの考え方は間違っていない証明にもなっているわけで、今後はぜひとも「シャープがいち早く採用した」と言える技術や機構を再び、投入したフラグシップモデルを作って欲しいと思う。

© DWANGO Co., Ltd.

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