3つ目は先読み撮影。理屈上、カメラが働いてるときは常時1GbitのデータがDRAMにたまっている。それをバッファとして利用するのである。
シャッターを押したとき、被写体が動いていると判断したら、そのバッファ内の「シャッターを押す直前に記録されていた画像」を一緒に記録するのだ。4枚分を同時に記録するので(これはカメラが自動的に判断する)、後からベストショットを選べばいい。
これも面白い。どの機能も、新型センサーのユニークさをうまく実用的な撮影機能に取り入れたという感じがいい。
新技術をさりげなく実用的な機能に落とし込むってとても大事だ。イメージセンサーがらみでもうひとネタ。
今回、珍しいことに前モデルより画素数が減っている。Xperia XZは1/2.3型で約2300万画素だったが、XZsは1/2.3型で約1900万画素と画素数が減ってるのだ。
これ、個人的にはポジティブに捉えている。画素って多ければ多いほどよさげだが、(センサーサイズが同じ場合)画素数が増えるほど「1画素あたりの面積が小さく」なる。考えてみたら当たり前だ。
画素サイズが小さくなると1画素あたりが受けられる光の量が減るので、光が足りない場所(つまり室内や夜などの暗い場所)に弱くなる。一概に画素数を増やせばいいってもんでもないのだ。
今回、レンズの高性能化で画素数が多少減っても解像感は落ちていないという。実際、この画素数差ならまったく問題ないと思う。
それ以上に、画素数が減ったことで高感度に強くなった。板垣氏が「高感度には確実に強くなりました」と明言してくれたのでこうご期待である。
3つ目は画像処理エンジンなどその他の強化。ホワイトバランスを見直したり、AFが速くなったり、その他もろもろいろいろ改善されたという。
ちなみに、メシマズ写真といわれる写真のほとんどは、ホワイトバランスが合っていないため。ホワイトバランスがずれると料理の色が不自然になり、とたんにまずそうになるのだ。それがなくなる? まあこの辺はのちほどレビューで、って感じ。
最後にちょっと意地悪な質問を投げてみた。
「今、特にアジア系のスマホはデュアルカメラを搭載したり、自撮りに力を入れて凝ったビューティー系機能を搭載したりしていますが、Xperiaは?」
そうしたら「そういう傾向があるのは理解していますが、今回のXperia XZsは基本画質の向上をまず目指しました。インカメラも22mmの広角レンズやAF搭載など十分な性能を持ってます」という答えが板垣氏から返ってきた。
どのくらい画質がよくなったのか、楽しみである。
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