テストマシンで4K(3840×2160ピクセル)動画を再生するテストも行われた。何のことはなく「普通」に再生が始まり、コマ落ちはなく「滑らか」に視聴できた。ここで再生中のCPU負荷を見てみると、最大でも10%台前半に収まっている。予想以上に負荷がかかっていない。
実は、Snapdragon 835に内蔵されているAdreno 540はH.264 (AVC)、H.265 (HEVC)、VP9形式の動画に対する再生支援機能を備えている。ARM版Windows 10でもこの支援機能を使ってH.264、H.265、VP9形式の動画再生時のCPU負荷を減らすことができるのだ。
CPU負荷が減れば、その分をその他の処理に振り向けることもできる。動画を再生しつつ別の作業を行うことも問題なさそうだ。
Snapdragon 835は、下り最大1Gbps・上り最大150Mbps(ともにスペック上の理論値)の通信に対応する「Snapdragon X16 LTE modem」を内蔵している。下り最大1Gbpsの「Gigabit LTE」に対応しているこのプロセッサは、ある意味でAlways Connected PCには理想的な存在でもある。
もちろん、テストマシンでも「Gigabit LTE」を使うことができる。そのダウンロード速度を体感するデモも行われた。Rohde & Schwarz(ローデ・シュワルツ)の機器でGigabit LTE環境をシミュレーションしたものではあったが、350Mbps(約43.8MB/秒)前後の速度でデータをダウンロードできていた。
これだけの速度で安定して通信できれば、大容量のデータをLTEでやりとりしてもストレスはないだろう。もちろん、「実効速度」や「データ通信容量」という「壁」はあるが……。
今回は、Qualcommの説明員が操作する形のデモだったが、報道関係者の要望に応える形でいろいろな操作をして見せていた。それを見る限りでは、ARM版Windows 10は非常に良くできている。Snapdragon 835で動いているとは気付かないレベルだ。
テストマシンは見ての通り“テスト”要素満載だ。しかし、それでも本当にしっかり動いている。これが製品版になったら、どうなるのだろうか……。
もしかすると、Windows 10ノートPC・タブレットのCPUがSnapdraon中心になる未来もあり得るのかもしれない。
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