混雑時にYouTubeを快適に視聴できる格安SIMは? 12サービスを比較(6月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

» 2017年07月27日 13時50分 公開
[田中聡ITmedia]

 MVNOが提供する「格安SIM」サービスを選ぶにあたって気になる通信の「実効速度」。ITmedia Mobileの「通信速度定点観測」では、スピードテストアプリを使った速度テストに加え、2017年4月にYouTube動画の再生テストを開始した。今回は6月に実施したテストの結果をお伝えする。

YouTube YouTubeの動画再生テストを実施

 今回、テストを行ったのは以下の12サービス。

  • IIJmio(タイプD)
  • OCN モバイル ONE
  • BIGLOBE SIM
  • LINEモバイル
  • 楽天モバイル
  • NifMo
  • FREETEL SIM
  • DMM mobile
  • U-mobile LTE使い放題
  • イオンモバイル
  • mineo(Aプラン)
  • UQ mobile

YouTube動画を3分間にわたり再生

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 3×4台
  • 計測内容:YouTubeの動画(720p)を3分ずつ再生する
  • 計測日時:6月28日(水)12時20分〜、6月28日(水)18時19分〜
  • 計測場所:アイティメディア社内(東京都千代田区紀尾井町)
  • 動画再生中の速度計測アプリ:通信速度モニター
  • 動画再生後の速度計測アプリ:RBB SPEED TEST

 特に通信が混雑しやすいランチタイムと、退勤する人が多い夕方という、2つの時間帯で計測した。重視したのは「動画の再生時間」。通信が混み合っていると動画が再生できず止まることがあるため、より長く再生できれば、このテストでは「優秀」となる。そこで、3分で動画をどれだけ再生できたかによって、以下の通り5段階で評価する。

  • 15秒未満……×
  • 15秒以上1分未満……△
  • 1分以上2分未満……▲
  • 2分以上2分半未満……○
  • 2分半以上……◎

 動画の再生開始と同時にストップウォッチで計測し、3分ちょうどのタイミングで動画を一時停止。手作業なので1〜2秒ほど誤差の可能性があることをご了承いただきたい。

 YouTubeで再生した動画は、カメラ(iPhone 7 Plus)を固定して、静止したぬいぐるみや小物を録画したもの。

 また、YouTubeの動画再生中の実効速度を確認すべく、参考データとして「通信速度モニター」アプリが表示した数字も記録した。このアプリを立ち上げて「モニター」にチェックを入れると、通信中の速度が、画面上部にリアルタイムに表示される。

 YouTubeの動画を再生してから、「30秒」「1分」「3分」が経過するタイミングで、カメラで再生画面を3回連続で撮影し、3回の中で最も高い数値を記録した。ただし30秒、1分、3分のタイミングは精密ではなく(1〜2秒のずれがある)、通信速度モニターの速度も激しく変化するため、あくまで参考値として見てほしい。

YouTube 通信中の速度がリアルタイムに分かる「通信速度モニター」

 そして「スピードテストの結果とどれだけ違うのか?」を把握するため、RBB SPEED TESTで計測した下りの速度もあわせて記録する。ただし短時間でテストを終わらせるために、RBB SPEED TESTでは1回しか計測していない。

 4台のZenFone 3を使用し、3グループに分けて測定しているため、グループごとに計測時間にズレがある。次のグループで計測をする前に、YouTubeアプリのキャッシュはクリアしている。

平日昼:これまで好調だったLINEモバイルがやや不調に

 まずは6月28日(水)12時20分からのテスト結果を見ていこう。この時間帯は特に通信が混雑し、普段計測しているスピードテストアプリでは、下り1Mbps台か1Mbps未満になるサービスが多い。今回もサービスによって再生時間が大きく異なるという結果になった。

 3分間ほぼ途切れなく再生できたのは、「NifMo」「U-mobile LTE使い放題」「mineo(Aプラン)」「UQ mobile」だった。5月に3分間再生できたのはUQ mobileと「LINEモバイル」のみだったことを考えると、全体的に改善された。

 UQ mobileは通信速度モニターで1〜7Mbps台、RBB SPEED TESTも10Mbps超えで、どちらも好結果だった。一方、NifMo、U-mobile LTE使い放題、mineo(Aプラン)は通信速度モニターでは数Mbps出ていたが、RBB SPEED TESTでは1Mbps未満とギャップが出た。ただ通信速度モニターはの数字はあくまで30秒、1分、3分時点の速度を切り取ったもので、テスト数回の平均値を出すRBB SPEED TESTとギャップがあるのは仕方のない面もある。

 4〜5月に好調だったLINEモバイルの再生時間は約85秒。2つの速度テストでは1〜3Mbps出ていたが、少しその勢いに陰りが見えてきたか? そのLINEモバイルに近い結果だったのは、「IIJmio」(約90秒)、「楽天モバイル」(約95秒)だった。

 ワーストは「FREETEL SIM」の約10秒で、速度テストは2つとも1Mbps未満と振るわなかった。

YouTube
平日昼の結果
計測開始時刻 30秒(Mbps) 1分(Mbps) 3分(Mbps) 再生時間 スピードテスト結果(Mbps)
IIJmio(タイプD) 12:20 1.3 1.1 0.78 約90秒 0.68
OCN モバイル ONE 12:30 0.69 0.76 0.72 約20秒 0.52
BIGLOBE SIM 12:41 0 0.37 0.2 約30秒 0.69
LINEモバイル 12:20 0.78 0.72 1.2 約85秒 3.26
楽天モバイル 12:30 1.1 0.83 1.5 約95秒 0.46
NifMo 12:41 0 0.001 5.5 約180秒 0.33
FREETEL SIM 12:20 0.39 0.61 0.06 約10秒 0.39
DMM mobile 12:30 0.33 0.44 0.37 約45 0.75
U-mobile LTE使い放題 12:41 4.6 8.2 0.84 約180秒 0.66
イオンモバイル 12:20 0.31 0.39 0.15 約35秒 0.79
mineo(Aプラン) 12:30 1.02 0 3.7 約180秒 0.15
UQ mobile 12:41 7.6 5.9 1.9 約180秒 10.42

評価

  • IIJmio(タイプD)……▲
  • OCN モバイル ONE……△
  • BIGLOBE SIM……△
  • LINEモバイル……▲
  • 楽天モバイル……▲
  • NifMo……◎
  • FREETEL SIM……×
  • DMM mobile……△
  • U-mobile LTE使い放題……◎
  • イオンモバイル……△
  • mineo(Aプラン)……◎
  • UQ mobile……◎

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