インタビュー
» 2017年08月01日 07時30分 公開

iPhone向けは「検討中」:デンと構えているわけには行かない――担当者に聞くau「新料金プラン」あれこれ (2/3)

[井上翔,ITmedia]

ほとんどのケースでは新プランの方が安い

―― ショップでは新プランをどのように訴求しているのでしょうか。

多田氏 (現時点で)新プランの対象となるAndroidスマホでは、ほとんどのケースにおいて購入当初から新プランの方がおトクであるため、新プランを前提に案内しています。

 もともと毎月割の少ない廉価な機種はもちろんですが、比較的ハイエンドな機種も新プランの方が月額料金面で有利です。ここに「Xperia XZs」と「Galaxy S8」を購入した場合のシミュレーション表を用意しています。ビッグニュースキャンペーンや「アップグレードプログラムEX」をあえて“適用しない”で計算していますが、ほとんどのケースで月額料金が安くなることが分かります。

純粋な料金比較 auユーザーのデータ利用実績から導きだした平均値をもとに「auピタットプラン(スーパーカケホ)」の利用料金を計算すると、半年間の平均で「スーパーカケホ+データ定額3」よりも月額料金が約1500円安くなる
Xperia XZsの比較 Xperia XZsを毎月割付きのプランと近似する新プランで料金比較。想定ケースでは全て新プランの方が安くなっている
Galaxy S8の比較 Galaxy S8を毎月割付きのプランと近似する新プランで料金比較。こちらも、想定ケースでは全て新プランの方が安くなっている

「48回払い」は意外と抵抗なし?

―― この試算において、新プランでは48回の分割払いを利用しています。新プランでも24回払いや12回払いも選べるのですか。

多田氏 もちろん選べます。一括払いでも購入できます。

―― 携帯電話に「48回払い」は正直やりすぎな気もするのですが、どうなんでしょうか。

多田氏 私個人としては48回払いを選ばないのは「もったいない」と思っています。

―― というと。

多田氏 確かに支払期間を「長くする」方向で検討することは普通しません。しかし、分離プラン(新プラン)の“弱点”を埋めるためには必要だったのです。

 「ハイエンド端末を高頻度に買い換える人」と「スペックにこだわらず長期間同じ端末を使う人」のギャップを埋めるために新プランが生まれた訳ですが、単純にギャップを埋めようとすると、「端末代金まで含めると月額料金が高くなる」という問題が生じてしまいます。「新料金プランでは端末が買いづらくなる」問題を乗り越えない限り、新プランを出しても意味はないのです。

 ドコモさんのように「端末を長期間買い換えない人に限る」「廉価端末に限る」といった方法ではなく、僕らはあくまでも全端末を対象にしたいと考えていました。「ハイエンド端末を短期間で買い換えたい」という新プランとはある意味で「二律背反」となるニーズにも応えないといけません。

 毎月割がない所に単純に割賦が上乗せされると、月々の支払い総額が増えてしまう問題があります。新プランでは月額料金をある程度値引いていますが、そこに従来通りの24回の割賦を重ねてしまうと割高になるケースも確実にあります。そこで、「月々の支払いを安くする」という観点から、月当たりの負担を「半減」するために「48回払い」という選択肢を用意したのです。

 ただ、48回払いという選択肢を作るだけでは、先ほども言った「ハイエンド端末を短期間で買い換えたい」というニーズに応えられません。「短期間」とは言いますが、調べてみると機種変更のピークは「24カ月目」前後にあります。「24カ月間支払えば、残りの支払いはなくても機種変更できるよ」という仕組みを、既存の「アップグレードプログラム」を改良した「アップグレードプログラムEX」として導入したのです。

 ですから、「48回払い」という言葉が一人歩きしがちではありますが、「48回支払い続けなさい」という意味ではありません。端末の返却が必要ではありますが、残りの支払いを免除した上で機種変更できる選択肢も用意しています。

 そういう意味で、48回払いのアップグレードプログラムEXは入った方が「おトク」なのです。

岡本氏 営業担当者からの話ではありますが、すでにアップグレードプログラムがあったせいか「48回払い」という支払い回数そのものに対するユーザーからのネガティブな反応はないようです。「使った分だけ払う」ということを分かっていただけているのだと思います。

―― 自動車には「残額設定型ローン」がありますが、イメージ的には同じですからね。

多田氏・岡本氏 まさしく、その通りです。

48回払いの「アップグレードプログラムEX」 48回払いの「アップグレードプログラムEX」は、ある種の「残額設定型ローン」ともいえる

テザリングオプション料金の「妥当性」は?

―― 弊社の新プランに関する記事への反応を見ると、「なぜ『テザリングオプション』に料金が必要なのか?」という旨の意見をよく見かけます。auでは4G LTEのサービス開始当初からテザリングオプションを原則有料としています。一方で、NTTドコモでは一部大容量プランで有料化予定はあるものの、テザリングは基本的に無料で使えます(注:インタビュー日は大容量プランのテザリング有料化無期延期の発表前)。

 auが設定している「1000円」あるいは「500円」というテザリングオプション料金には、「妥当性」があるのでしょうか。

多田氏 正直な所、テザリングオプション料金の妥当性は図りかねている面があります。何が「正解」なのか図りかねている面もあるので、「当面無料」として様子を見ているところです。

 将来的にどうするのかは、まだ我々も決めていない。

―― (将来に向けての)議論はしているのですよね。

多田氏 もちろんです。

―― PCのOSアップデートはさておき、PCとスマホの通信内容にはそれほど差はないと思います。その観点から「PC(テザリング)通信だけ別料金を取る必要はない」と考える人も少なくありません。

 一方で、auの「LTEフラット」向けのテザリングオプション(月額500円・最大2年間無料)のように、通信容量の追加(注:LTEフラット用テザリングオプションを有料利用している場合、月間通信容量が500MB増えて7.5GBになる)といった特典があるのなら支払う意味を見いだす人もいるかもしれません。

 何らかのメリット(特典)を付けて、有料サービスとして維持する方向性は考えていないのですか。

多田氏 LTEフラット用のテザリングオプションにおける「500MB増量」は、ある意味で「苦肉の策」でした。

 一方で、データ定額20/30やauフラットプランは料金的に「踏み込みす過ぎ」な面が相当にあります。正直に言えば、安くした分のバランスを取るために1000円なり500円なりのテザリングオプション料金を「設定」したというところもあります。

 今後のテザリングオプションのあり方を考える上で、「インセンティブを与えた上での有料制維持」は、選択肢の1つにはなるかもしれません。

―― 先ほど、大容量プランが「料金的に『踏み込み過ぎ』」という話がありましたが、大容量プラン契約者がテザリングをより多く使うという有意なデータはあるのでしょうか。

多田氏 テザリングを良く使うのは、井上さんのようなご職業の方(ライターや編集者)など、一部に限られます(笑)。容量選択の大小を問わず、マス(多くの人が使う)なサービスではありません。

テザリングオプション料金一覧 テザリングオプション料金の一覧。今後、この料金をどうするかは決めていないという

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