機械的に読み取るのではなく、人力でその精度を高めているのが名刺管理サービス「Eight」です。人力といっても、誰かが1枚の名刺をじっと見ながら入力しているわけではありません。誰の何かは分からないレベルまで断片化されたワードをチェックしているため、プライバシーは守られています。無料の場合はテキスト化までしばらく時間がかかることもありますが、そのぶん精度は極めて高く、現在180万人が利用しているといいます。
【訂正:8月29日21時39分 Eightのユーザー数に誤りがありましたので、訂正いたしました】
取り込まれた名刺は写真とともに一覧化され、アプリだけでなくPCからも、いつでも必要なときに見られます。有料版では、名刺データのダウンロード、優先してデータを入力、全項目を必ずデータ入力、電話帳との連携、PC用Eight scan β版の利用ができるようになります。
Eightの特徴は人力による読み取りだけではありません。サービスそのものにSNS機能が備わっているので、人脈形成に活用できる点も大きな特徴です。
名刺の相手もEightを利用しているときは、Eight内で「つながる」ことにより、お互いの連絡先情報を常に最新の状態に保てるのはいうまでもありません。それだけでなく、プロフィールページが用意されるので、プロフィールにキャリアサマリーを入力することで、これまでの経歴もアピールできます。
また、名刺を介してつながると相手の投稿が見えるようになり、メッセージの交換もできるなど、Facebookのような使い方ができます。しかしサービスの特性上ビジネスに特化した投稿が中心なので、プライベートな話はほとんど見られません。おかげで連絡先以上のニュースや活動情報が得られるようになります。プロフィールをWeb上に公開すればオンライン名刺として使えますし、ユーザーを検索することで、直接会う前にEight上で名刺交換することもできます。
相手が写真を公開している場合は、「顔と名前が確認できる」というのも大きなポイント。顔と名前がなかなか一致しない、覚えるのが苦手という方にはとても重宝するでしょう。
このようにオンライン上のコミュニケーションも促進させる要素があるのがEightです。
アプリを使ってしっかり名刺管理すると、物理的に名刺の束を整理できて便利なのですが、人とのコミュニケーションが重要なことは変わりません。
例えば、名刺管理に関してちょっと切ない気持ちになるのは、名刺を渡した後日に再び連絡先を聞かれるケースです。誰かに連絡先を伝えたい、荷物を送りたい、そんなときメッセージングアプリなどを通じて、気軽に「連絡先を教えてください」と言われます。「ん? 前に名刺渡しましたよね?」と思う瞬間です。
名刺をなくしたわけではなく、念のため確認したいという気持ちや、相手が書いてくれたものをコピー&ペーストすれば確実という利便性からつい聞いてしまいがち。でも、聞かれた側はちょっと残念な気持ちになるはずです。
確認するにしても、「連絡先はこちらでよろしいですか」と添えた方がスマート。万が一違う場合は、こちらは最新の情報にアップデートできますし、相手も連絡ミスや名刺管理アプリの更新漏れに気付けます。確認される側も大事にされている感じがするでしょう。
名刺のデータ化にスマホアプリを活用すると、このようなちょっとした残念な体験を減らせるだけでなく、しっかりした人という印象を与えられるはずです。
自分のニーズに合った名刺管理アプリで、スマートなコミュニケーションを心掛けてみてはかがでしょうか。
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