Huaweiの新型スマートフォン「honor 9」が10月12日に発売される。honor 9はオンライン専用の販売となり、現時点では楽天モバイル、IIJmio、イオンモバイル、NTTコムストア by gooSimsellerの4社が取り扱う。
このhonor 9、Huaweiが6月に発売した「HUAWEI P10」とスペックや機能で共通する部分が多い。Huaweiは他にも若者をターゲットにしたミッドレンジの「nova」シリーズと、大画面のハイエンドスマホ「Mate」シリーズも展開しており、どれを選んでいいか悩んでいる人も多いのではないだろうか。
ここでは、特に比較対象になりやすいP10と比べつつ、honor 9の特徴を見ていこう。
まずは価格から。honor 9の希望小売価格は5万3800円(税別、以下同)だが、細かな額はMVNOによって異なる。
楽天モバイルはhonor 9が5万3800円、P10が6万5800円だが、それぞれ2年契約で1万円引き、3年契約で2万円引きになる。IIJmioはhonor 9が4万9800円、P10が5万7800円で、honor 9はAmazonギフト券1万円分、P10はAmazonギフト券3000円分が付く。イオンモバイルはhonor 9が5万3800円、P10が6万5800円。NTTコムストアはhonor 9が3万3600円、P10は取り扱っていない。
honor 9が最も安いのはNTTコムストアで、他社より最大2万円ほど安い。しかも「OCN モバイル ONE」のSIMカードとのセット販売なので、3万3600円には契約事務手数料の3000円も含まれている。
P10は5万円台半ば〜6万円台半ばで、honor 9と比べると各社で1万円ほど高い。この中ではIIJmioの5万7800円が最安で、honor 9の希望小売価格と大差ない。
honor 9 | P10 | |
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楽天モバイル | 5万3800円、4万3800円(2年契約)、3万3800円(3年契約) | 6万5800円、5万5800円(2年契約)、4万5800円(3年契約) |
IIJmio | 4万9800円(+Amazonギフト券1万円分) | 5万7800円(+Amazonギフト券3000円分) |
イオンモバイル | 5万3800円 | 6万5800円 |
NTTコムストア | 3万3600円(OCN モバイル ONEのSIMセット) | − |
ユーザーターゲットの違いについて、ファーウェイ・ジャパン デバイスプレジデントの 呉波(ゴハ)氏は「P10はカメラ機能を重視する人、honor 9はファッション性を重視する人」と語っている。ファッション性に関わるのが、honor 9の背面に採用したガラスボディーだ。背面のガラスは15層のレイヤーで覆われており、角度によって異なる光り方を見せてくれる。これはP10の金属ボディーでは表現できないもの。この美しさだけでhonor 9を選ぶ価値があるといえる。
また、honor 9では背面の端がカーブを描いた3D曲面ガラスを採用しており、握ったときに手にしっかりとなじむ。P10も背面の端は丸みを帯びているが、honor 9の方が十分なフィット感を得られると感じた。
2機種の販路も異なる。P10はHuawei公式オンラインストア、量販店、より多くのMVNOが取り扱っており、honor 9よりも販路は広い。対して、honor 9は4社のオンラインストアに限定されている。これまで、日本で販売したhonorシリーズは楽天モバイルの独占モデルだったが、呉氏によると、honor 9は「より多くの若者に訴求するため」4社に拡大した。ただ、新しいガジェットよりもファッションに興味のある人は、実際に製品を見て触ってから購入するかを決めたいはず。実店舗での販売にも期待したいところだ。
ディスプレイのサイズはhonor 9が5.15型、P10が5.1型でほぼ変わらない。サイズはhonor 9が約70.9(幅)×147.3(高さ)×7.45(奥行き)mm、P10が69.3(幅)×145.3(高さ)×6.98(奥行き)mmで、honor 9の方がわずかに大きい。重さは両面ガラスの影響か、honor 9(約155g)の方がP10(約145g)よりも10g重い。
プロセッサ、メインメモリ、内蔵ストレージ、バッテリー容量は2機種とも同じで、それぞれKirin 960(8コア)、4GB、64GB、3200mAh。普段使いのパフォーマンスで差を感じることはなさそうだ。一方、通信速度はP10の下り最大262.5Mbpsに対し、honor 9は150Mbpsに抑えられている。対応バンドの種類もP10の方が多い。LTE/3Gのデュアル待受に対応していること、au回線のSIMを使えないことは同じだ。
機能面で大きく違うのは「カメラ」だ。といいつつ、honor 9とP10のカメラスペックはほぼ共通している。2機種ともアウトカメラは2000万画素のモノクロセンサーと1200万画素のカラーセンサーを使ったデュアルカメラでF値は2.2。像面位相差+コントラスト+レーザー+デプスAF、光学2倍相当のズーム、人物をキレイに撮れるポートレートモード、背景をぼかせるワイドアパーチャを利用できるのも同じだ。
一方、老舗のカメラメーカー「ライカ(Leica)」と共同開発したレンズを搭載しているのはP10のみ。P10のカメラはライカとHuaweiのエンジニアが共同で開発しており、ライカならではの味わい深い写真を記録できる。そのため、スペックだけを見比べると2機種のカメラ機能は同じに見えるが、実際の仕上がりは異なる。なお、光学式手ブレ補正はP10は対応しているが、honor 9は対応していない。P10はインカメラもライカ品質になっており、F値はhonor 9の2.0よりも明るい1.9だ。
honor 9ではオーディオ機能に注力し、「HUAWEI Histen」と呼ぶ3Dオーディオ技術を取り入れている。これにより、イヤフォン装着時に、コンサートホールで聞くようなサラウンド効果を得られるという。スマホで音楽を聴く人は要チェックの機能といえる。
このように、ハードスペックは共通する部分が多いhonor 9とP10だが、honor 9は「約1万円安い価格」「美しいガラスボディー」「オーディオ」が強み。P10は「ライカと共同開発したカメラ」が強み。さらにかいつまんで言えば、デザインのhonor 9、カメラのP10となる。どの機能を重視するかを考えて、最適なモデルを選んでほしい。
機種名 | honor 9 | HUAWEI P10 |
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OS | Android 7.0 | |
プロセッサ | HiSilicon Kirin 960/2.4GHz×4コア+1.8GHz×4コア | |
メインメモリ | 4GB | |
ストレージ | 64GB | |
外部メモリ | microSDXC(最大256GB) | |
ディスプレイ | 約5.15型フルHD TFT液晶 | 約5.1型フルHD TFT液晶 |
解像度 | 1080×1920ピクセル | |
バッテリー容量 | 3200mAh | |
アウトカメラ | 有効約2000万画素CMOS(モノクロセンサー)+有効約1200万画素CMOS(カラーセンサー) | |
インカメラ | 有効約800万画素CMOS | |
ボディーカラー | サファイアブルー、グレイシアグレー、ミッドナイトブラック | ダズリングシルバー、グラファイトブラック、プレステージゴールド、ミスティックシルバー |
サイズ | 約70.9(幅)×147.3(高さ)×7.45(奥行き)mm | 69.3(幅)×145.3(高さ)×6.98(奥行き)mm |
重量 | 約155g | 約145g |
ネットワーク | FDD-LTE:Band 1(2100MHz)、3(1800MHz)、5(850MHz)、7(2600MHz)、8(900MHz)、19(900MHz)、20(800MHz) TD-LTE:Band 38(2500MHz)、40(1900MHz) |
FDD-LTE:Band 1(2100MHz)、2(1900MHz)、3(1800MHz)、4(1700/2100MHz)、5(850MHz)、7(2600MHz)、8(900MHz)、9(1700MHz)、12(700MHz)、17(700MHz)、19(900MHz)、20(800MHz)、25(1900MHz)、26(850MHz)、28(700MHz)、29(700MHz) TD-LTE:Band 38(2500MHz)、39(1900MHz)、40(2300MHz)、41(2500MHz) |
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