MVNOもMNOも「特徴」が重要に――ドコモ吉澤社長一問一答(1/3 ページ)

» 2017年10月28日 10時55分 公開
[井上翔,ITmedia]

 NTTドコモは10月26日、2017年度第2四半期決算を発表した。上期(第1・第2四半期)の連結営業収益は2兆3001億円、同営業利益は5488億円と、前年同期比で「増収減益」となった。

 同日に行われた報道関係者向け決算説明会では、同社吉澤和弘社長が一部端末において「ケータイ補償サービス」の値下げを検討していることを明かした。

 この記事では、説明会で開催された質疑応答の主なやりとりをご紹介する。

主な財務数値 主な財務数値
営業利益の増減要因 営業利益の増減要因
質疑応答に臨む吉澤社長 質疑応答に臨む吉澤社長

顧客還元は「予定通り」 PREMIUM 4G基地局は「5G対応」

―― 「顧客還元を続けている」という話があったが、今回は数値的な話はなかった。どのようなサービスでどのくらいの還元をしているのか、示せるものがあれば教えてほしい

佐藤啓孝取締役 顧客還元(に対する投資)については、予定通りに推移していると考えている。今年度はすでに約200億円の還元を実施している。

吉澤社長 還元施策は第2弾、第3弾と考えている。先ほど触れたケータイ補償サービスの値下げも含めて、今年度合計で500億円ほどの還元をしたいと考えている。

―― 「PREMIUM 4G」に対応する基地局の整備を進めているという話の中で、「5G時代に備えたい」とおっしゃった。PREMIUM 4G対応基地局は、5Gでも活用することを念頭に置いているのか。

吉澤社長 PREMIUM 4G基地局のハードウェアについては、5Gでも流用することを考慮している。ソフトウェアの変更は必要だが、書き換えれば5Gに対応できることを前提とした設計としている。

PREMIUM 4G基地局の進捗 PREMIUM 4G(LTE-Advanced)対応の基地局は、LTE基地局の約半数を占めるまでに成長。ソフトウェアの改修で5Gに対応できる設計だという

“総花型”の料金体系は困難 「スマートメーター」需要の一巡で新規が減少

―― 「iPhone 8」の発売に前後して、(大手キャリアの)料金面での「横並び」が崩れてきたと考える。現時点での競争環境に対する受け止めと、それに対するドコモの戦略について考えを伺いたい。

吉澤社長 端末価格を含むいろいろな料金について、少し前まではどこかが(新しいものを)打ち出すとそれに追随するみたいなことはあった。当然「横並び」と言われることもあった。

 とはいえ、どういった所に力を入れていくのかという特徴を出していくことが(これからは)重要だと考えている。「全てのお客様をターゲットにして、全てうまい(満足の行く)価格設定」というのは、なかなか難しい。

 私ども(ドコモ)であれば、「家族」という単位を大切にするとか、ドコモ光とのセットでモバイル(携帯電話)を使ってもらう事でメリットを最大化するということを考えている。料金体系は、それにマッチするようなものを考えていきたい。

 あと、ドコモを長く使っているけれど「それほど通信しない」あるいは「端末を長く使う(買い換えない)」という方もたくさんいる。そこで、端末の価格を抑えつつ基本的な機能を備えた「docomo with」を打ち出した。これなら、料金面でも2年と言わずずっと安く使える。

 自分たちのターゲットをしっかり見据えた上で、さまざまな取り組みをしていくことになるとは思うが、利用状況やお客様の声も常にチェックしながら進めていきたい。

 なので、結果的に再び(他社と)横並びになった時には、あまり「横並びだ!」と言わないでほしい(笑)。

―― (携帯電話サービス契約の)新規純増数について、年度当初の計画とのズレが大きいように思う。この原因は何か。

(筆者注:ドコモは2017年度通期で220万件の純増を見込んでいた。しかし、上期の純増実績は48万1000件と、通期計画の約22%にとどまった。それに伴い、今回の決算では通期の純増見通しを130万件に下方修正している)

吉澤社長 私達の場合、昨年度(2016年度)と大きく変わったのが「モジュール(組み込み機器用の通信デバイス)」の動きだ。昨年度まではスマートメーターを中心としてモジュールの純増が多かった。しかし、(今年度は)スマートメーターの需要が落ち着いたこともあり、想定よりも(純増が)少なくなった。このことが、影響としては一番大きい。

 あとは、(多くがドコモから回線を借りている)MVNOの勢いが弱まったこともある。

佐藤取締役 基本的には社長が言った通りである。上期の実績を踏まえて、通期の見通しも変更(下方修正)している。

 モジュールの需要が一巡したことと、MVNOにおける純増が弊社の想定を下回ったことを加味して、年間見通しを変更したということだ。

―― ドコモブランド(の回線契約)にはあまり影響がなかったということか。

吉澤社長 ドコモブランドのハンドセット(スマートフォン・ケータイ)やタブレット(の販売台数の見通し)については、ほとんど変えていない。

契約数と解約率 2017年度上期の累計契約数は7536万件、解約率は0.64%に増加した。ただし、ハンドセット(スマートフォン・ケータイ)契約に限ると0.47%への「微増」となった
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月05日 更新
  1. ダイソーで1100円の「PD対応20Wモバイルバッテリー」を試す 手頃な価格でそこそこ高速にスマホを充電可能 (2026年10月31日)
  2. 12月から変わるahamoの新料金を検証 165円値上げでも“実質値下げ”になる人は? 他社とも比較 (2026年11月04日)
  3. ドコモだけ鳴らなかった「緊急地震速報」、前田社長がエリアメール不具合を謝罪 (2026年11月04日)
  4. ドコモは「つながって当たり前」をどう実現? 「置局」業務の舞台裏を紹介 (2026年11月04日)
  5. 情報漏えいの「おわびメール」が毎日届いてうんざり……漏れた情報別に“最低限やること”をまとめた (2026年11月04日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. PayPay、セキュリティ対策は「万全を期すべく総点検している最中」と中山社長 (2026年11月04日)
  8. 「Xiaomi 18 Pro」シリーズ、11月に“世界展開” 「どの国・地域での発売が楽しみですか?」と日本公式X (2026年11月03日)
  9. 【ワークマン】2900円の「エックスシェルター断熱αバックパック」予約販売中 特殊な断熱シートで外気の影響を防ぐ (2026年11月04日)
  10. 「iPad mini(A20 Pro)」は何が進化した? 「iPhone Duo」とはどう違う? スペックや用途を比較する (2026年11月01日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー