ShiftCam 2.0の共通オプションとして用意される「プロレンズ」は、通常のレンズよりも少々大きくて重くて高価だけれど、その分クオリティを重視している。
プロレンズは全部で5つあり、お値段はそこそこする。全部揃えるとまあ大変なので、必要なものだけ買うと良いかな。
プロレンズはレンズ本体と、ShiftCam 2.0ケースに合わせた「レンズアダプター」を組み合わせて使う。レンズアダプターはレンズに付属している他、紛失や破損などに備えて単品販売している。
……のだけれど、1月28日現在、アクト・ツーが販売するプロレンズにはiPhone XSや「iPhone XS Max」「iPhone XR」用のレンズアダプターが付属しない。公式サイトによると、「2019年新春」にこれらの機種に対応するレンズとレンズアダプターが発売される予定らしいので、楽しみに待ちたい。
でも、やっぱりiPhone XS用ShiftCam 2.0でプロレンズ試してみたいよねえ、ということで、先行してiPhone XS用レンズアダプターを使わせてもらった。
ShiftCam 2.0用プロレンズは、レンズ自体は機種共通。ケースに合わせて、アダプターを付け替えればOKだ。
アダプターをプロレンズに装着したら、ケースに取り付ける。脱着方法は6連レンズ(本当は「トラベルレンズ」という)と同じ。磁石の力でしっかりと貼り付いてくれる。
せっかくなので、プロレンズをいろいろ試してみる。
まず「プロ広角レンズ」。アクト・ツーの直販価格は8800円(税・送料込み)だ。
使い出が一番あるのはこれかと思う。当たり前だけれど、クオリティを高めるために、レンズ自体も少々大きめとなっている。倍率は「0.5倍」になる。
さっきと同じガスタンクをプロ広角レンズで撮ってみよう。
周辺部の樽型の歪みがなくなって、気持ちよくシャキッと真っ直ぐになっているのが分かるはず。キリッとした感じ。
さらに夜景も撮ってみた。
さすがに周辺部は少し流れてるけれど、これだけ歪みのない広角は、風景や室内撮るときに良い。「もっと広角に……!」って人は、検討すべし。このクオリティなら高くないと思う。
次に「プロ魚眼レンズ」。アクト・ツーの直販価格は1万800円(税・送料込み)だ。
6連レンズユニットの魚眼は「円周魚眼」だったけれど、プロ魚眼レンズは「対角魚眼」。対角線で180度以上撮れる設計で、超広角レンズであると思ってもいい。冒頭の「鼻デカ猫写真」を撮ったのがこれだ。
ガスタンクを撮るとこうなる。
魚眼独特の丸い歪みを持つ超広角撮影ができると思って良い。対角線で200度を越えた範囲が写っている。
ただ、この作例、わたしの影が映ってます。しかも右下に指が写ってしまった……。撮っているときは気づかなかったのです。魚眼レンズ、おそろしや。
このレンズを使う際に注意すべきは「自分の指」。持ち方が悪いと、端っこに指が映り込みます。ダメですね、わたし。
「プロ望遠レンズ」は、広角カメラに対して3倍、望遠カメラに対しては1.5倍の望遠効果を持つレンズ。アクト・ツーの直販価格は8800円(税・送料込み)だ。
とりあえず、ガスタンクを撮ってみよう。
実はこいつ、ちょっと厄介な面がある。
iPhone XSを含むデュアルカメラ機種用のプロレンズアダプターには、広角側・望遠側の両方にレンズの取り付け穴が付いている。
このプロ望遠レンズを望遠カメラ側に付けると、さらに望遠になる。当たり前だけど。
しかし、この状態だと標準カメラアプリが使えない。理由は簡単で、標準カメラアプリでは広角カメラと望遠カメラのどちらを使うかを自動的に切り替えているから。このレンズを望遠カメラに付けると、広角カメラにレンズが掛かってしまう。すると「暗所」であると判定して、広角カメラで撮影しようとしてしまうのだ。
よって、「プロ望遠レンズ×望遠カメラ」で使いたい場合は、使うカメラ(センサー)を手動で切り替えられるサードパーティのカメラアプリを使う必要がある。今回は「Camera+ 2」を使って撮ってみた。
4番目は「プロマクロレンズ」……なんだが、実はプロマクロレンズには2種類ある。
1つが、少し離れた距離から使える「プロマクロレンズ(ロングレンジ)」。アクト・ツーの直販価格は1万800円(税・送料込み)と、後で紹介する普通のプロマクロレンズよりちと高い。
これがいい!
広角カメラ側にこのレンズを装着して紅梅を撮影してみた。
梅の花にここまで寄れるし、望遠気味なので背景もすっきりするのが良い。
ついでに、ネコの目をマクロ撮影してみた。
これだけ寄れたら十分使える。望遠マクロならでは。
遠くにピントは合わないけれど、実用度の高いレンズだ。
最後のレンズが10倍の「プロマクロレンズ」。先述のものがロングレンジだったのに対して、こちらは普通のレンジ。半透明のフィルターも付いている。アクト・ツーの直販価格は1万800円(税・送料込み)だ。
半透明のフードを平面にピタッっと付けてやると、確実にマクロ撮影ができる。
望遠カメラ側につけると、切手をここまで大きく撮れるのだ。
広角カメラ側に装着して使うときは、フードが映り込んでしまうので、フードを外して撮るようにしよう。
と、数が多かったので駆け足になってしまったけど、iPhone XS用「ShiftCam 2.0」と5種のプロレンズ。
まず、ケース本体と6連レンズユニットが付属する「トラベルセット」を購入。その後、レンズユニットの中でよく使うものが決まるだろうけれど、そのクオリティーに不満が生じてきたら、一番使用頻度が高そうなプロレンズを買うのがオススメ。プロレンズを一気にセット買いするとけっこうなお値段になるから。
ただ、トラベルセットもプロレンズもそうだけど、望遠カメラを使う場合は、使うカメラを指定できるサードパーティのカメラアプリを用意すること。それは必須だ。
まあプロレンズの効果が一番分かりやすくて使用頻度が高そうなのが「プロ広角レンズ」かな。あれは良い。
次は超広い範囲をきっちりおさえられる「プロ魚眼レンズ」か、屋外でのマクロ撮影に力を発揮する「プロマクロレンズ(ロングレンジ)」がお勧め。
顕微鏡のように平面あるいはそれに近いモノを超拡大して撮影するなら「プロマクロレンズ」を。横からキッチリ光を当ててやれば、とても高精細なマクロ写真を撮れる。
実のところ、トラベルセットのレンズユニットは、レンズをすごくコンパクトに薄く仕上げているので、その分クオリティは高くない。でも、プロレンズを使えば、レンズはちょいと大きくなってかさばるけれど、クオリティはグンと上がる。歪みは少ないしコーティングもしっかりされているから。
今回はiPhone XSで試したけれど、「iPhone 7」「iPhone 8」でも「iPhone 7 Plus」「iPhone 8 Plus」でも使えるので、撮影の幅を広げたい人はぜひプロレンズに挑戦を。
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