無音カメラアプリの決定版! 「Microsoft Pix」を改めて使ってみる荻窪圭のiPhoneカメラ講座

» 2016年12月19日 20時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 ああ、やっぱりカメラのシャッター音がうるさい。「iOS 10.2」のアップデートでシャッター音が小さくなって何よりであります(というか、やっと正常に戻ったといった方が正しいか)。まだの方はぜひアップデートを。

 それでも、シャッター音自体は鳴るので「無音で撮れるカメラアプリが欲しい!」という人はまだ多いはず。できれば無料がいいし、広告も入らない方がいい。

 ……と、そんな都合のいいアプリがあるのか?

 それがあるのだ。無音で撮れて無料なカメラアプリが。Microsoftの「Microsoft Pix」である。前回の連載にも追記したが、このアプリは12月2日のアップデートでiPhone 7 Plusのデュアルカメラに対応した。

 そこで、改めてMicrosoft PixをiPhone 7 Plusで使ってみようと思うのである。

標準状態で「無音」

 まず、撮影画面を見てみよう。

Microsoft Pixの撮影画面 Microsoft Pixの撮影画面。「1x」というボタンが付いた
倍率ボタンを押すとカメラが切り替わる 「1x」をタップすると「2x」になって望遠側カメラを使える

 すばらしい。しかもデフォルトでシャッター音はなし。マナースイッチ(公式には「着信/サイレントスイッチ」)と連動、ということはなく、設定が「オフ」なら常に無音なのである。

Microsoft Pixの設定画面 シャッター音のオン/オフは、設定画面から切り替えられる

 よいカメラアプリですな。

 以上……ではあんまりなので、このアプリの特徴とクセを解説していこうと思う。

超シンプル機能で画像の自動補正付きのカメラ

 Microsoft Pixの特徴は、とにかく機能がシンプルであること。

 iPhoneの純正カメラアプリは、他社のスマホのそれと比べるとおおむねシンプル。Microsoft Pixは、それをさらに上回るシンプルさなのだ。

 できることは、タッチオートフォーカス(AF)とシャッターを押すことだけ。シャッターボタンを長押ししても連写にはならないし、HDR撮影機能もないし、パノラマ撮影もできない。とにかくシンプルである。動画と静止画は、それぞれのボタンが並んでいるので、わざわざ撮影モードを切り替えなくても撮り分けられる。

 要するに「一発でベストショットを撮ってやる」と意気込んだ仕様になっているのである。「賢いフルオートカメラ」という感じなのだ。

 シャッターボタンを押すと撮影するわけだが、実は裏でこっそり連写している。もしもシャッターを切った瞬間にまばたきしてしまった場合でも、その前後のタイミングで目が開いた画像(写真)があれば、それをベストショットとして保存してくれるのだ。

 しかも、撮影画像には自動的に補正をかけて保存してくれる。撮影直後であれば、補正前後の写真を比較することもできる。気になる場合は、見比べればよい。

 ということで作例を。やっぱり無音で撮りたいのはお店の中とかだよね、ということでギョーザとチャーハンを。

補正前後のギョーザとチャーハン 補正前後のギョーザとチャーハン。左が補正前、右が補正後

 分かるだろうか。元画像よりもコントラストが高く、くっきりとしている。

 ついでなので、iPhone純正のカメラアプリで撮った写真と見比べてみよう。ハード的には(当たり前だが)同じカメラなので、色の違いが分かればいい、ということで2つの写真を縮小して並べてみた。

家で比較 家の写真で比較。左がMicrosoft Pix、右が純正アプリで撮影したもの

 晴れていて順光で、条件がいい(撮影しやすい)被写体の場合には、両者の差はほとんどない。自動補正をするまでもないっていうこと。そうそう、この家すごいよね。思わず撮ってしまった。

 次は、両アプリの違いが出た例。まず、猫の写真を。

望遠カメラで撮った猫 望遠カメラで撮った猫。左がMicrosoft Pix、右が純正アプリで撮影したもの

 白い部分を見ると、違いがよく分かる。純正カメラは、ほんのちょっと緑がかった感がある。それに対し、Microsoft Pixはやや赤みが出ている。純正カメラアプリの方が実際の色合いに忠実だけれど、猫の色という観点ではMicrosoftPixの方が好ましい色合いだ。もちろん、好みの問題はあるだろうけれど。

 次に、ガスタンクを。

ガスタンクを撮影 ガスタンクを撮影。左がMicrosoft Pix、右が純正アプリ

 青空の色とコントラストちょっと違うのが分かるだろうか? どちらが良いかはお好みで。

 そして、暗所撮影では両者の違いがより大きく出る。

暗くなった街を撮影 暗くなった街を撮影。左がMicrosoft Pix、右が純正アプリのものだが、ISO値に注目

 Microsoft PixはISO感度が「ISO125」に上がってるのに対し、純正カメラアプリはその半分以下の「ISO64」となっている。

 手ブレ補正機構を内蔵しているiPhoneの場合、純正カメラアプリでは暗所撮影時に可能な限りISO感度を上げないでシャッタースピードを落とすことで対処する。それに対して、Microsoft PixはそうはせずにISO感度を上げていくのである。

 もっと暗い場所だと、画質にもっと差が出る。

もっと暗い場所で撮影 もっと暗い場所で撮影。上がMicrosoft Pix、下が純正カメラアプリのものだが、ここもISO値に注目

 純正カメラアプリは「ISO500」なのに対し、Microsoft Pixは「ISO1600」まで感度が上がっているのだ。

 要するに「すごく暗いところだとノイズが目立っちゃうけど、それ以外はMicrosoft Pixでいいじゃん」っていうことである。

美肌機能もいい! ライブショット機能もある!

 Microsoft Pixの最初期バージョンでは、「人をきれいに撮れる!」ということをウリとしていた。顔を検出すると、それに色や明るさを合わせて、美肌加工もしてくれるのである。それは、現行バージョンでも変わらない。

 残念ながら、今回は顔出しOKな女子の写真を撮っていないので、以前に撮った写真を引っ張り出してMicrosoft Pixの編集機能で補正してみよう。

写真を加工 これが元写真。画面内の「補正する」をタップすると補正できる

 加工前後がよく分かるように、顔部分を拡大したものが下の画像。

顔部分を拡大 顔部分を拡大。左が加工前、右が加工後

 肌が滑らかになってるのがすごくよく分かる。この肌補正はいい。ほどよく美肌してくれる。

 iPhone純正カメラアプリの「LivePhoto」に相当する「ライブショット」機能もある。自動的に4秒の動画も撮ってくれるのだ。

 こんな感じ。耳のピクピクが面白かったので採用。

ライブショットで撮影したネコ。耳がぴくぴくしていますな

 解像度は1008×752ピクセルと小さく、4秒間なので、「瞬間芸をSNSに上げる用」だ。

まとめ:とりあえずダウンロードして試すべし

 ここまで、Microsoft Pixを紹介してきたが、このアプリにも欠点はある。まず。アプリの起動がちょっと遅いこと。そして、撮影した後に処理をして保存するまでにちょっと間があること。

 あと、撮った写真は全て自動補正がかかるので、それが気に入らないこともなきにしもあらず、ということもあるが、その辺は好みの問題ですな。

 1つ言えることは、無音カメラアプリが欲しければまずこれを使ってみるべしということ。気に入らなかったら、そのときはそのときだ。

 さすがに連写機能は欲しかったけれど……。

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